ネコちゃん母子との再会
トップ写真。
いちばん上が和子の息子空(そら)。真ん中が母ネコ和子、今はえびすと名付けられ不動産事務所の人に大切にかしづかれている。右下が娘天(てん)。世話している人の話によるとなかなか警戒心が強いとか。
二年ほど前、私の家の界隈をさ迷っていた野良の親子だとは思えないぐらい、美しくたくましくなっている。
思いだすあの時のことを。
二週間がかりでまだ幼い二匹の子どもとやせ細った母ネコを掴まえたのだ。こう書くと簡単なようだが、ほとんど毎日徹夜の作業だった。
とにかく母猫を避妊手術して、不幸な子供がこれ以上生まれないようにしたい。そして母猫と仔猫の里親を見つけてやりたい。その一心だった。
私よりご近所の友達U さんの思いの方が強く、私はUさんの情熱に引きずられながら頑張った。
3匹を保護したときは、神さまのご加護だと思った。でも、これからどうする、この子たちを……。
奇跡的な幸運が訪れた。
Uさんが勤めている事務所の社長が飼ってくれることになったのだ。母子そろって3匹を!
その社長は今年の2月に逝ってしまわれた。でも、猫の母子は引き続き、この事務所で世話されている。なんという幸せ~
この日曜日、
千載一遇のチャンスが訪れた。U さんが、 二代目社長の許可を得て、私とたまたま来ていた私の娘を休み中の事務所に連れていってくれたのだ。
前よりふっくらと、毛並みもつややかになっている和子。
もちろん、私たちのことなど覚えていない。高い梁の後ろの段ボールから出て来なかったが、私たちが再会をあきらめて帰ろうとしたその時、和子は悠然と出てきた。
顔はあの頃は険しかったが、優しくなっている。幸せなんだ~
イケメンのお兄ちゃん、空君です。
空君。あの時はお母さんを私たちに掴まえられて、どんなに怖かっただろうね。心細かっただろうね。ごめんね
和子、えびすちゃんていうのね、今は。良い名をもらってよかったね。
天ちゃんは最後まで逃げ回り、一人取り残されて物置の下に潜んでいた。もうこの子は助けられない。物置の下で飢え死にすると私は思った、余計なことをして、結局三匹を離れ離れにしてしまったと後悔した。あのまま、母子でさ迷わせていたほうがよかったのかと……。
でも、空腹に耐えかねて出てきたこの子が、ケージの中に置いた鶏肉に食いついたとき、私はケージのドアを死に物狂いで閉めた。尻尾を挟みませんように、神さま、と念じつつ。
真夜中の二時、満月が明るい夜だった。
皆、元気でね
いつまた会えるかわからないけれど。
さようなら、いつまでも幸せでね……
素晴らしい一日でした~
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