恐怖の草男(8)新聞記者
その頃、毎朝新聞社編集室では熱い議論が交わされていた。
「植物栽培地下工場に多額の補助金がつぎ込まれている。何しろこのところの葉物野菜の高騰は凄まじいからな」
「近々に食糧危機が起こるというデータ、本当どうか疑わしいと思いませんか」
「データなんてどうにでも捏造できますからね」
「いくら一強独裁の現政府でも、データの操作までするか」
「しますよ、平気で」
「今、米朝終戦条約締結で他のニュースは吹っ飛んでいるが、食糧危機は重大テーマだ」
「隠ぺいするも煽り立てるも権力者の思う