2024年(令和6年)5月28日、株式会社 文化通信社のBookLinkで、特別企画として「【特集】書店振興プロジェクト 〈寄稿〉書店が求める支援、学び・文化の拠点を絶やさないために」が掲載されました。
特集では5人の書店経営者から寄稿「書店が求める支援」を寄せられています。また歴史小説・時代小説家でもある今村翔吾氏の特別寄を掲載してます。
では、5人の経営者を順に見てみましょう。
日本書店商業組合連合会 会長 矢幡秀治氏(真光書店)
つづいて、書店新風会 会長、大垣書店 代表取締役会長の大垣守弘氏
3人目は、株式会社紀伊國屋書店 代表取締役社長 藤則幸男氏
4人目は、株式会社リラィアブル(コーチャンフォーグループ)代表取締役社長 佐藤暁哉氏
5人目は、カルチュア・エクスペリエンス株式会社 代表取締役社長 鎌浦慎一郎氏
そして、書店の経営者であり、直木賞作家の今村翔吾氏
【特別寄稿】教育、文化の未来に必要な支援策 書店業界に問われる「三つの観点」
さて、私見を述べます。
まず5人の書店経営者が、それぞれ別のことを言ってます。
①キャッシュレス手数料の低減
②書店開業スクール
③読書推進
④粗利率改善
⑤AIによる需要予測
ここまで一致していないことに驚きました。
書店振興プロジェクトは、纏まるのでしょうか?
僕は、粗利率改善こそが書店が求める第一と思います。
そういう意味では、コーチャンフォーの佐藤社長の弁は、地方の書店として、切実なことを訴えているように見えます。
もっとも紀伊國屋書店、カルチュア・エクスペリエンス(蔦屋書店・TSUTAYA Book Store)と日販は、ブックセラーズ&カンパニーで、粗利益率の改善に取り組んでいるので、国に求めることではないということなのでしょうか。
それに対して、今村翔吾さんは
冒頭で「一切の遠慮を省こう」と語り
①書店は本当に救われるべきか
②出版の中で書店だけが救われるべきか
③書店を一括りにしてよいか
と具体例を挙げて論じています。
そして、教科書販売で濡れ手に粟の書店についても言及していましたね。
うちの近所にも某大学附属の高校がありますが、最寄駅に4月だけシャッターを開ける書店があります。(笑)店の大きさは畳一枚くらいの広さです。
そして、今村翔吾さんは、ベターなのは物流への資金投下と言ってます。
僕も物流(取次)こそが業界の大動脈であり、ここが破綻すれば、書店も出版社も倒産します。
私見を述べますが、
もしも国からの支援で取次を助けるなら条件があります。
まず今、個々と取引している条件を白日のもとに晒すのです。
どこの出版社が高正味で、どこの書店が優遇されているかを全て明かすのです。
そうして、書店、取次、出版社が生き残る平等な新しい条件を提示し、この条件でないと出版社から仕入ない。書店には卸さないということを知らしめたらいいと僕は思います。
過激な弁でしょうか?!
つづく