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Tw300ss

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Twitter300字SSという企画に参加した作品をまとめました。気軽にどうぞ。
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#書く

言語学者の弟子

「ひっ」  何気なくめくった敷布に縫い込まれた文字は怨嗟に満ちていた。目を輝かせて解析しはじめた師匠に代わり、青ざめた家主に問いかける。 「この品はどちらで?」 「知人から譲り受けたものですが…」  正直、来歴はどうでもよかった。見る間に師匠の筆が走り出す。菫色の軌跡は夜空の色に沈み、ひねった穂先からばちばちと星が散る。  どんな呪いも言葉である限りは対語が存在する。あらゆる言語に通じていれば、全て相殺できるのだ。筆だって市販品で十分。しかし。 「相変わらずひっどい字ですね」

異星の人

 金髪碧眼に鮮やかな身のこなし、絵に描いたように見目麗しき彼は自称異星人としても名高い。 はなから信じてなどいないが、じっさい世間知らずではあった。知識ばかりが豊富なわりに、どうも経験に乏しいのである。  思えば出会いから腹の立つ男だった。名を問えばどこの王族かと耳を疑う長さ、書いてみろと迫れば白々しく首を傾げる。僕の名を書いてみせると感じ入ったように頷き、書くとは文字をもつ種族だけの興味深い行為だなどと語りだす念の入りよう。なるほどこれは筋金入りだと諦めることにしたのだ。