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天心ではなくて本当は武尊

那須川天心がRISEで再戦の志郎に判定勝利してから早数ヶ月。

今後の去就が占われていたところだった。

TBSで放映された体育会TV上でキックを来年3月を目処に引退してボクシングの道へ進もうと決意をする。

理由などは最早明らかにされているのでここでは言わないが、国内ではただ一人を残して相手がいなくなったのだろう。

目される相手とは誰も隠さなくなってしまった武尊である。

天心が望んできた相手が武尊なのだろうか?

10代で無茶苦茶強い選手がいると知られた選手が那須川天心だった。

新生K-1旗揚げの時でも武尊は出場していたがその頃の武尊はメインではなくトーナメントでないスーパーファイトだった。

この頃のK-1は日本国内で無双を続けるゲーオを誰が倒すかということで集められた選手達が中心だった。

まだ武尊の出番はなかった。

この頃のK-1は軽量級の選手しか集められなくて5キロ刻みの階級で大会を開き兎に角客を入れて盛り上げようとしてきた。

65kg→60kg→55kgと大会の階級を細分化して更に下げてその55kgに武尊を呼んだ。

当時のK-1はチームドラゴンが中心となった実行委員会で所属選手を中心に花を持たせようとしていて当時チームドラゴンに所属していた武尊もその55kgトーナメントに参加するようになった。

元々武尊は階級的には57kgでK-1よりもKrush中心で活躍していたのだが2.5kg刻みのなかったK-1では55kgで出場することとなる。

アグレッシブなファイトスタイルで観客を魅了して勝った後にはコーナーに登って宙返りをするというパフォーマンスをしていた。

武尊の実力が次第に認められるようになりK-1の階級もKrushに合わせるように階級が更に細分化されることとなるのであった。

55kg→57.5kg→60kgとK-1では成し遂げられなかった3階級を武尊が制覇することで次第にK-1の中心人物となっていく。

この60kgも数奇な運命だったようで本来の武尊の階級である57.5kgを中心として天心との対決も考えられていたようだった、がそれは叶わなかった。

HIROYAの弟の大雅がこれも55kgで武尊と試合をしていたのだが減量苦で階級を上げざるを得ず、先に60kgの方へ行ってしまったことで武尊の目標がK-1的には出来てしまった。

しかし、大雅の方が天心と試合をしたいということを思っていたらしくてK-1を出ていってしまったことで武尊とのタイトルがなくなり急遽60kgのトーナメントを行うこととなったのである。

武尊は急遽始まったトーナメントを勝ち抜き新生K-1始まって以来の危機を武尊の力で優勝に導くことで回避することが出来たのである。

ここからK-1=武尊というブランドが出来てゆく。

良くも悪くもK-1はプロテクトするきらいがあり、タイトルマッチを行わずにノンタイトルをやらせたり試合そのものをなかなかさせなかったりと選手の寿命を延ばそうとしてきた。

これは結局K-1自体の基礎が軟弱且つ脆弱で王者を失うとK-1それ自体を失ってしまう虞があると感じてしまうからである。

テレビ放送もなくチケットで大会が賄われるという巨大なハリボテと言った感じで、恐らく武尊もそこは感じていただろう、地上波放送を誰よりも望んでいたのである。

去年のさいたまスーパーアリーナで行われたK'FESTA.3では武尊が勝利しても涙を流すシーンが見られた。

悔し涙なのだろう。

5年掛けても結局地上波放送が叶わず心無い外野の妨害の所為で中止となってしまったのである。

武尊は平成生まれだが初期の生まれで寧ろ地上波K-1の方をリアルに感じていた方で地上波や大晦日のお茶の間の注目を浴びることを目標にしていた。

プロテクトとは言っても、武尊自身が怪我も多くて中々試合も出来ないこともあり年一くらいしか出来ないこともあった。

そんな武尊も今年の7月には30歳になるのである。

魔裟斗も30歳くらいでK-1を引退してしまった。

中量級のK-1を誰が牽引するかということでポスト魔裟斗が占われたが、未払いでK-1を続けることが出来なくなってしまうのであった。

武尊自身も恐らく30歳という歳で頭のどこかに過る筈であろう。

K-1の地上波は恐らく武尊が現役でいられる時は叶わないだろう。

延期になっていたレオナ・ぺタスとの試合は漸く叶い、武尊が勝利することとなったが、その後武尊は負傷してしまうことに。

もう公言するようになったが東京ドームで行われるRIZINで天心と武尊が試合をすることになっていたようだった。

だが武尊が怪我をしてしまっているのでそれも流れてしまった。

天心がキックの現役でいられる時間は来年の3月のRISEの試合だとして期限が切られているが、武尊としてはキックの選手生命としての期限に近い。

天心が叶いたいというよりも寧ろ武尊の方の希望や願いに近いのではと感じる。

丁度武尊も60kgの階級では対戦相手がいなくなってしまった。

55kgでは武居由樹がいた筈なのだが怪我もあってK-1を続けられなくなりボクシングの方へ転向することとなった。

武居由樹も武尊と戦いたかったろうとは思う。

しかしそれも叶わなかった。

だが、武居由樹がボクシングに先に行くことでいずれか天心との対決もあるのだろうと感じる。

武尊のロードマップが天心以降見えてこない。

30ということもありそのまま身を退く可能性もあるだろうが、海外のMMAに是非とも余力があるのなら挑んで欲しいとは思う。

K-1出身の選手がUFCに参戦してタイトルを勝ち取れないものか。

武尊の階級ならば、堀口恭司が挑めなかった階級にも挑めるだろうか?

最軽量級がUFCでは味噌っ滓扱いされているので是非とも救世主になって欲しいところではある。

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