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英雄は真実を知るために外のセカイへと飛び立つ

去年末、NHKの深夜で中国人格闘家の活動を特集した番組「真実への鉄拳」が放送されていた。

実はこの番組はBSで放送されていたものを地上波で再放送される形となっていた。

取り上げられた中国人格闘家は名を徐暁冬(アカウント名は徐晓冬 北京格斗狂人@Xuxiaodong3)と言い中国の伝統武術はインチキで現代MMAの敵ではないとして異種格闘技戦を申し込んだり申し込まれたりとを繰り返しては動画に上げていたりもしていた。

そうこうしているうちに政府とも結びつきの強い伝統武術が異議申し立てをして訴え始めたら、徐は国内から永久追放される形となってしまった。

流れに流れ着いたところで戦った場所がタイのルンピニースタジアムだったのだが、この大会も中国の息がかかっていて名前も顔も出せない状態で試合に臨まなくてはならなくなったという。

徐の対戦相手はNHKこそ紹介をしなかったが、どう見ても長島☆自演乙☆雄一郎(以下)だった…。

何故、乙がルンピニーにいるのか…。

乙は事故で負傷していてリハビリ途中であったにも拘らずである。

大阪でラウェイをやるまで時間を要していた筈だったのにその前というかほぼ直前、3ヶ月前に試合をしていたのである。

乙からの告知は何もなかった。

紹介するサイトも事後ではあったが一つだけだった。

何故なのだろう。

疑問が尽きない。

動画を観ても明らかなのだが、どう見たって顔にペイントしながらも本人だと分かるし途中でペイントが剥げて来てしまっても試合は続けられるしリングネームも徐狂人と一発で分かってしまう。

余りにもこの雑っぽさが中国らしい感じがしてならないが、どうやら中国って適当なところで済ませているんだろうと感じる。

NHKで放送されたものを徐が観ている。

これはどうやら本人のTwitterアカウントだが21万ものフォロワーがいるようだ。

タイのルンピニーでしかもメインで試合が決まったあとに更新を続ける徐暁冬。

試合が決まり全世界に中継されると報告。

リプ欄にある冬哥(ドングー)というのは徐暁冬(シュー・シャオドン)の愛称であるドン兄貴という意味である。

どうやら香港の活動家のアカウントらしい。

説明は要らないと言っている。鉄柱を蹴る必要はあるのかと言っていることだろう。

徐と乙はメインイベントとなっている。

徐85kgと乙75kgの10kg差もあるミックスルールである。

試合が終わったら父と母の作ってくれた料理を食べたいらしい。

中国人が伝統的なカンフーを止めない限り西洋の格闘技には勝てないらしい。

タイ滞在中に41歳になったようだ。

初老で且つ不惑を超えているが真実を伝えるために戦い続けるのだろう。

勝手にやってろということを呟いているのだろう。

ネットでも勝負は始まっている。

ジムで誕生日ケーキを貰う徐暁冬。

YouTubeでライブテストをする徐暁冬。

中国人がルンピニーで試合をしかもメインで行うのは初めてと言う。

計量が始まるが、徐の体重は87kgで乙は80kgという。それでも7kg差もある。初めに公表された契約体重とは何だったのかと思わざるを得ない。

NHKが来ていたことも分かっていたようだ。

香港の活動家が引用リツイートをしている。

なんだか物凄いことになっているようだ。

そして試合は終わり…。

動画を観れば分かるのだが乙は膝サポーターをしながら試合をしていた。

後のラウェイでも告白していたが膝の靱帯が断裂していたのである。

色々とリプがあるが中でもこれは。

乙はどう見てもトレーニングしている状態ではないという突っ込みである。

体重差があるだろという突っ込み。

相手が怪我をしていると知っていながら試合をしていたのかというリプ。

もうこの突っ込みから分かるが、進撃の巨人の世界のように真実に辿り着こうとしてもまだ壁があったという話である。

中国人の置かれた現実とは斯くもこのような二重にも三重にも取り囲まれた壁の中の話である。

そもそも中国の歴史とは壁に取り囲まれた歴史そのものである。

今更説明する必要もないが、世界一長い人工の壁と言えば“万里の長城”である。

万里の長城の中の更に城塞都市が存在して城壁の中に町が存在するのが中国の都市そのものなのである。

国という漢字は旧字体でもそうだが國の字はくにがまえと言う壁に囲まれた象形、会意文字として成立している。城壁に限らずとも区域をはっきりさせた意味の漢字である。

試合に勝っても勝ったというアピールをし続けねばならないという悲しさ。徐は中国では詐欺師扱いされているようである。

格闘技オタクらしい分析。当たり前だが明らかな練習不足な相手に何を言っているのだという突っ込み。

試合より二日後にトレーニングを再開。

裏話を始めた。

乙は少林武僧の一龍(イーロン)を2回ともKOしたということは知っている。一龍は陰でそこそこ名の知れたインチキ格闘家であった。

いろんな工作をして一龍が勝つ仕組みを作ってきたのだが乙が空気を読まずに勝ってしまうのである。

乙の名は中国で知れ渡ることになる。

通常体重が91kgという。落としたのは4kgだった…。

詠春拳は偽物と豪語する。

二人のジャーナリスト。

遅かれ早かれ北京は我々のものとなる。

試合後も色んな人に会っているようだ。

しかし、よく考えてみれば中国人がTwitterアカウントを持っていて全世界に発信をしている。

中国人はTwitterが出来ない筈である。

代わりのウェイボー等で呟いているのだが、どうしてTwitterが出来ているのだろう?

もうこの時点で中国はガタガタでグズグズなのだが、どこまでこの徐が分かっていて、それとも本当に分かっていなくて真実に辿り着こうとしているのか、その線引きは不明である。

知らない方が幸せと言うのもあるのだろう。

自分の生活で手一杯なら他に関心を寄せずに半径数百メートル以内の壁の内側の世界で暮らして一生を終えた方がいいのだろう。

歴史的に中国人は外の世界に関心がないということだったようだが、今の時代でもそれは当て嵌まるのだと思う。

インチキ格闘家が跋扈してもそれで中国の名誉が損なわれようとも中国人にはまるで関心がなくてそれで世界が完結しているのである。

壁の外にセカイが存在していることを知らしめてくれるのは壁の外からやってきた人々だということである。

鄒市明(ゾウ・シミン)という北京五輪ボクシング金メダリストでプロボクシングWBO世界王者がいて、噛ませ犬のつもりで呼んだ木村翔をボコボコにして英雄としての強さをアピールする筈だったが、逆転KO負けを喫することで今度は逆に木村翔が中国で英雄となってしまったのである。

中国人の掌返しはよく見られる光景である。

歴史を繙いても、北魏や唐、金やモンゴルや満洲など異民族が首都を制圧したら住民は大歓迎をしてこれまでの支配者を放逐してクソミソ扱いにしてしまっていた。

乙もインチキ格闘家の一龍を倒したら向こうで名が知れてしまったのである。

乙はこれを契機として中国で試合をするようになる。

恐らくではあるが、徐もこうした乙の行動を俯瞰して真実により近付こうとしていったのかも知れぬ。

徐は今後もその生涯を賭けて真実を探し求め闘い続けるのだろう。


さて、同じ時期において乙は一言もその試合について語らなかった。

何故だろうという疑問も湧くし、怪我が治ってなくて試合どころではなかったのかという疑念もある。

それでも乙に対しては懐疑的にはならないし誰もそのことに関しては突っ込みを入れない。

ここからは自分の超個人的な感想になる。

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