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結局は誰かが敷いた道

前回の続きではあるが、選択肢は多くあれど必然的に選択肢を狭めていることは書いた。

今の時代、人生の選択肢は多い方だろう。

こんなに豊かで恵まれた時代に生まれて幸福と感じる人はいないのだろう。

少年革命家がボクシングスクールに通い始めているという。

本来ならもうこれ以上言うまでもないのだが、別にこれも珍しいものでもない。

不登校児が別の道を歩むことはよくあることだ。

別にそのために用意されたものではないが、道半ばに立ち寄れるところは豊かな国にはあること。

そんな豊かな国に生まれた豊かな子供達の悩みである。

大人がそれに向き合うことは当然なのだが、周囲の人間に利用されるだけ利用されはしないだろうかという疑問が湧く。

少年だからこそその価値はあるのであって、少年期を過ぎれば単なる無職青年、文字通りのニートである。

イギリス辺りで編み出された言葉、一頃流行ったニートとはNotを頭につけてそれぞれEducation,Employment,Training(NEET)に割り振らせた造語で教育も施されておらず雇用もなく職業訓練も行ってない青年層を指していた。

イギリスでは16歳から24歳までで、日本だと15歳から34歳までのことだった。

単なる無職青年や再就職しない青年のことではない。

碌な教育や職業訓練を行わなければこの少年革命家は文字通りのニートになることは間違いないが、動画配信のネタにする程度でそれを生業にするつもりはないだろう。

プロボクシング志望者がプロテストを受けてプロになれる確率は凡そ6割位だと言われる。

普通自動車運転免許の取得率は8割4分程度である。

気象予報士は5パーセント。

東大合格率は34パーセント。

司法試験合格率は3割。

尤も収益のある動画を配信しているのなら上位に入るのであろうが、前述のように期限付きである。

抑々だと人の命は期限付きでしかないがこの場合の期間限定が非常に限られている。

子役そのものである。

子役は殆ど小学生限定なので中学生となると後は余生みたいなものになる。

子役の人は中学生になったら辞めてしまうのが殆どだという。

本人やその周囲とて一番現実を良く分かっている筈である。

今のところユーチューバーボクサーと言えばジョーブログに影響された京口紘人くらいしかいない(東日本新人王のジロリアン陸、同じく亀田京之介や元世界王者の亀田和毅もいるが)。

こちらは現役世界チャンピオンで地道な活動によって登録者数を増やして生配信まで行こうとしていたところだった。

何人かユーチューブを開設しているボクサーがいるようだが宣伝用に開設したツイッターのフォロワーも4桁未満とか(自分のフォロワーよりも少ない)、殆ど目立たない。

果たしてこの中で実力も伴うくらいのユーチューバーとして転身できるものなのか。

プロボクサーの数はC級も含めて(ライセンス登録しているだけで殆ど試合もしていない選手もいたりするがここ最近は減り続けるも)1000人程度で、その中でC級選手を集めた新人王トーナメントが開催されるがこれが特に層が厚くなるバンタム級やフェザー級周辺となれば年間5試合くらい試合をすることになる。

東日本の中でも20人の中で頂点を目指さねばならない。

全日本となるとさて何人になるか。

30~40人以上の中からの頂点を目指すことになる。

特に東日本はワタナベジムの持ち物みたいなものでこの精鋭を攻略しないといけない。

ライセンス持った喧嘩自慢で果たしてユーチューバーボクサーとして世間から認められるのであろうか?

やる気はあるようだがやる気があるだけだと思う。

この少年が、大人になる前に色々と真実を知って欲しいところではある。

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