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幻想・ファンタジー小説・創作

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幻想・ファンタジー小説を書いています。挿絵や見出し画像には、AIによるイラスト生成サービスMidjourney、DALL·Eで作成したイラストを使用しています。
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記事一覧

短いなにか

砂浜けれど、書いても書いても波が消していきます。僕は、何も残せないガラスの破片を握ると、雨のように砂浜に落ちました。 美しいと思いました。戻れないと思いました。伝言を残そうと思いました。 (2024年4月20日頃) 闇の音闇の音を聞いてみた 闇の音を知っていた 心臓の音が鳴っていた (2024年7月30日) 明るい闇明るい闇っていうのはね くっきりはっきり真っ黒い その中にいたら怖くない 何よりも黒い闇だから 守ってくれる闇だから 何も混ざっていないから すべてが混ざ

俳句 2024年春・夏

薄暑光葉っぱのブラシ銀杏の木 はくしょこうはっぱのぶらしいちょうのき 2024年4月21日 瞳には空のモザイク桜色 ひとみにはそらのもざいくさくらいろ 2024年4月6日 花片散る琴の五線を流れゆく かへんちることのごせんをながれゆく 2024年3月23日 有給や文字の世界で花見酒 ゆうきゅうやもじのせかいではなみざけ 2024年3月20日 土香る鍵盤叩く春の雨 つちかおるけんばんたたくはるのあめ 2024年3月17日 桜礁ひらり飛び立つ花弁見る さくらしょうひらり

風景の空想文

思いあまって詩を書けば 1年後には黒歴史 10年後には宝物 ①テキスト(人間)→②テキスト(AI)→③イメージ(AI)→④テキスト(人間) ①作りたい風景を漠然と決める(例えば「池」) ②テキスト生成AIに画像生成AIに依頼するためのテキストを作成してもらう ③画像生成AIで画像を生成 ④その画像を見ながら文章を作る このページには④の文章を置いています。 …というつもりでしたが、①だけで作成したものもあります。 1 風が木々を…風が木々を揺らした。目の前にある池は硝

藁人形

わたしは藁人形。心臓はないが心はある。証明はできない。きっとあなたは信じない。 今日は隣の木に打ち付けられた新入りに手紙を書こうと思う。隣の木なのに、なぜ手紙なのか。わたしは移動できない。声もない。だから手紙を書こうと思う。 手紙というのは良いもので、何度も書き直しができる。書いたけど出すのをやめて捨てることもできる。 まずは葉っぱを手に入れよう。ひらひらと落ちてくる葉っぱを捕まえて、わたしの体から藁をひとすじ引き抜いて、藁の筆で葉っぱに手紙を書こう。 目の前をいくつ

るてん

 足裏の感触は土なのです。しかし、水のように流れているのです。そして私の姿を映しているのです。しかし私の足は流されることなく、その上を歩いているのです。一歩進めば、ぽつぽつと、草に明かりが灯るのです。こうも魅かれるのは、ここが魔の道、帰ることはできないのでしょう。  気付くと隣りにいたのです。白い、蝋のような、獣脂がしたたっているような、なめらかな肌をしています。顔の三分の二ほどを専有する眼が、私を見上げていました。それは黒く、深い穴のようですが、私を見ています。  私がま

空に降るのは

短歌を作りました。 薄墨を空に降らせて日溜まりの影を作って若葉を飾る チャットGPTと会話をしながら作りました。

空想短歌

春桜がね咲いているよときみの声きのうも聞いたよあすも教えて 2023.03.14 春踊るそよ風くるくるみなみ風きみの隣で浮かれ風 2023.03.15 薄墨を空に降らせて日溜まりの影を作って若葉を飾る 2023.03.17 with AI 夏陽炎もアイスクリームの夢を見る夏草茂る単線の先 2024.07.27 音咲いて春の続きの老桜にブローチ残す薄羽の客 2024.07.25 白菊の一輪挿しと天藍のお皿に乗せる粒餡こし餡 2024.07.21 雪雲を入れてありま

さなコン3:コンペイトウモドキ星人

2023年4月28日から開催されていた「第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト(さなコン3)」に、2作を応募して参加しました。楽しかったです。 「さなコン3」は、書き出し文が指定されていたコンテストでした。 このnoteは、私が「さなコン3」に応募した「コンペイトウモドキ星人」に関するいろいろです。 ラストまでの展開やオチを前提に書きます。裏設定的なことも書きます。もしかしたら今後に書くかもしれないことのネタバレにもなるかもしれないことも書いているかもしれないです

むかしむかし

このページのお話は、桃から生まれた桃朗と竹から生まれた竹姫の物語です。続きができたらこのページに追加していきます。細かな構想はありません。更新しようと思った日にその日の分を書きます。目次は更新した日です。だいたい深夜に更新するので「第●夜」という目次になっています。日付を超えていることが多いので、カレンダーの日付としては実際には翌日だったりします。不定期更新です。誤字脱字単語間違い等はあとでこっそり修正することがあります。 この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件

帰ろう

「今なら帰れるね」 「そうだね」 「帰り道、あと5時間で消えちゃうね」 「そうだね」 「……帰らないの?」 「そっちこそ」 「あのね」 「なあに」 「明日のおやつは林檎大盛りのおいしいクッキーだって言ってた」 「そっか」 「帰ろうよ」 「そうだね」 2022年9月10日 中秋の名月 画像はMidjourneyで作成しました。

半魚の島

この物語は、フィクションです。 実在の人物・団体・事件・地名・呼称などにはいっさい関係ありません。 01 出発 今回の設計図の配達先は、ツキノミ島。もうすぐ沈んでしまう島。  ぼくら配達者は、危機的状況に陥った島に呼ばれる。自力では生き残れないと判断した島の棲者は、ぼくらを呼んで設計図を受け取り、その設計図を自らの体に取り込み、生き残るための性質を得る。  設計図は設計図と交換する。ぼくらは、設計図を配達した島の棲者から、彼らが持っていた設計図を受け取って、大切に保管する。