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短いなにか

夜空の星をつなげたら、なんだって描けた。花も、魚も、鳥も。だけどそれは、星だった。あれは花、あれは魚、あれは鳥、違うんだ。あれは星だった。なんにでも見える。卵が見える。爆弾が見える。星が見える。僕は瞬きをした。星も瞬きをした。
(2024年6月18日)

草原

見上げれば青空。数えきれない紫花のシャンデリア。漂う香りは藤の花。風が草原を染める。赤から黄色へ黄色から緑へ。腰まで埋まる草の中を、あの子は進む。迷子の綿毛がやってきた。あの子は笑って手を伸ばす。笑顔につられて綿毛は踊る。どこへ行こう。雲の隠れ家はどうかな。目印の柳を探そうね。
(2024年5月26日)

あなたが花を愛でるなら

あなたが花を愛でるなら、私は土に願いましょう。
あなたが木陰を望むなら、私は雨を呼びましょう。
あなたが未来へ行くのなら、私は種になりましょう。
(2024年4月6日)

このページのヘッダー画像はこの短文をChatGPT 4oに読んでもらってDALL·E 3の機能で生成してもらった画像です。(2024年5月19日)

風媒花

まっすぐ育った。大きく育った。きっとみんなが喜ぶはずだった。足りないのかもしれない。仲間を増やそう。もっともっと。ふるさとの空を黄色く染めて旅に出る。行先はわからない。誰にも頼れない。ただ風に乗る。私が辿り着けなくても。アスファルトの上が最期でも。きっと仲間が叶える。私は風媒花。
(2024年3月23日)

どこから来たの
南から来たの
どうやって来たの
風に乗って来たの
どこへ行くの
土の中へ行くの
何しに行くの
おはようって言うの
(2024年3月2日)