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シアターキノで増えるセカンドラン上映について、素人の私の見解

TOHOシネマズすすきの(以下、TOHO)が出来てからと言うもの、シアターキノ(以下、キノ)でのセカンドラン上映が大幅に増えている。

今年に入ってから、札幌シネマフロンティア(以下、SCF)とユナイテッド・シネマ札幌(以下、UC)で上映された『正欲』、UCとTOHOで上映された『PERFECT DAYS』『落下の解剖学』(4/13〜キノで上映)『ストップ・メイキング・センス 4Kレストア』(5/11〜キノで上映)、SCF・UC・TOHOの3館で上映された『哀れなるものたち』『夜明けのすべて』(4/13〜キノで上映)がキノで上映される。

これらの作品の中で、『PERFECT DAYS』『落下の解剖学』『哀れなるものたち』は恐らくTOHOが無ければ、キノで封切られていた可能性が高い。
特に去年、同じような公開規模の『逆転のトライアングル』はキノとUCで上映されていたし、サーチライトピクチャーズ制作の映画はほぼ上映していたキノなので、恐らくTOHOがオープンしていなければ『哀れなるものたち』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』『異人たち』はキノでファーストランだったはず。

だから、"キノで上映したかった映画"のセカンドランが爆増しているのだろう。

この風潮を受けて、私は思う。

これをできるほど、札幌の映画館事情はゆとりのあるものなのだろうか?

特にキノのセカンドランで上映されるものは軒並みシネコンで複数館で上映されたもので、恐らく見た人も多いはずの作品だろう。

キノが作家を大事にする映画館なのは分かる。三宅唱の作品を上映し続けてきたから『夜明けのすべて』も上映したいだろうし、ランティモスの映画もずっとかけ続けてきたから『哀れなるものたち』もやりたいだろう。

それに、経営面を考えても、誰も見ないような知らない作家の映画より、話題になった映画を上映した方が人も入るでしょう。

でも、現に『PERFECT DAYS』はTOHOで、『哀れなるものたち』もシネマフロンティアでまだ上映中。
これを考えると、キノのセカンドランラッシュってやっぱりやる意味ってあるのかなと思ってしまう。

キノに散々文句言ってきた自分ですが、そんな自分でもキノで公開される作品のハズレの少なさは市内で一番だと思うし、だからこそ既に紹介されていて、しかも2館以上のシネコンで上映されている作品を再上映してキノの貴重な枠を埋めるというのは本当に勿体無いことなのでやめてほしいと願う。キノの長所を潰す行為だと自分は言いたい。

KINOフライデー・シネマという、札幌で未公開の映画を1日限りで上映するという素晴らしい企画があり、その企画のページにはこのような文言が記載されている。

https://www.theaterkino.net/?news=news-2464__trashed

今の上映ラインナップを見ると、"精いっぱい"という言葉は当てはまるのか? と私は思ってしまう。

先日フライデーシネマで見た唐田えりか主演『朝がくるとむなしくなる』も素晴らしい作品だったし、1日上映では勿体無いくらい。
セカンドランをやるくらいなら、フライデーシネマの映画を1週間やったり、空いた枠でまた別の映画をフライデーシネマで上映したりなどで、とにかくキノは作品を多く紹介してほしい。

サツゲキと違って、キノで上映する作品にはキノブランドが付くと個人的には思っている(サツゲキをディスってるみたいな感じになりますが、サツゲキは大好きです)。

キノはやっぱりどの映画見に行っても一定の客はいるし、シネマフロンティアですら経験したことある貸切上映なんて、キノでは一回も経験したことない。

「キノでやるからこの映画は面白いんだろう」そういう印象みたいなのが多くの映画ファンにあると思うし、それを信じて足を運ぶ客は想像以上に多いはず。

『コンパートメント No.6』のような作品でも、平日の昼回なのに3分の2以上が埋まっているみたいなこともあった。

だからキノには、東京で話題になってるイメージフォーラムやユーロスペース辺りで上映されている作品を積極的にやってほしい。それでも人は十分来ると思う。

シネコンからのセカンドランも、例えばUCでやったけど2週間(しかも初日から1日1回という冷遇ぶり)で終わった『ダム・マネー ウォール街を狙え!』や、TOHOで2週間で終わった『罪と悪』など、見る機会を知らずに終わった人が多いだろう作品にキノはスポットライトを当ててほしいと思う。

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