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非定型骨折の話 ⑤無事に退院して、ひと安心

父は典型的な昭和ヒトケタ男で、家事は何も出来ない。母にさんざん言われて、自分の茶碗洗いだけはぎこちなくするようになったというレベル。母の入院中は、近くに住む私が家事担当になった。数年前大動脈解離をしていることもあり、一人だと何かと心配な89歳だ。

とはいえ、私もひと月後には引っ越しを控えているので、荷造りと並行しての実家仕事だった。手術が無事に成功して順調に回復してくれないと、自分の引っ越し後にもかかわってくる。

周囲の心配をよそに、順調な回復を見せた母。医師に「いつ退院しても良い」と言われた3日後、家に帰ってきた。歩行器を使えば、自分でトイレもお風呂も済ませられる。介助なしで暮らせるというのは、本当に幸せなことなのだなあ。予防のための手術なんてと最初は思ったが、これで骨折の心配をしなくて済む、とホッとした。

そして私も、予定通りに引っ越した。次の診察はひと月後だ。 

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