人情

日本語に「人情」という言葉がある。辞書に依れば「人間が本来もっている人間らしい感情。特に、人に対する思いやりやいつくしみの心。」とある。「人情」はなんともいえない優しいひびかがある。人に対する思いやりやいつくしみの行く先には揺るがない調和の争うことのない世界がある。それは大乗仏教が教えている世界でもある。昨年の年始めにはほとんどの人が想像もしなかった今日現在の困難のなかで生きて行くにはこの「人情」を厚くすることが大事だ。そのためには自分を先とせず、不平を言わずに、先のことは考えず、自分で判断して、今やらなければならないことを全力で今やることが大事だと思う。そのことは「人情」を厚くすることにつながるだろう。自分を先とすれば、当然、他人への不平不満の元になるし、先のことを考えれば不安しかない。判断を他人に頼ったり、今やらなければならないことを後に回すのは後悔の元を作るだけだと思う。大乗仏教が教える「利他行」とはこのことではないだろうか?今の困難はこの利他行を実践するいい機会だと思う。
英訳すると”humanity,kindness,warmhearted”となるようだが「おかげさま」が英訳できないように無理に英訳すると本来の意味から離れてしまう気がする。「人情」は「人情」だ。

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