あなたの吐息が凍りつき
描いた白い霜模様
わたしを見つめて光り出す
コロンが点滅する時計

今日も一枚窓を割る
弾ける透明のシャワーが
止まって見える刹那
あなたのように思えるの

吹き付ける風を味わって
ひとりの朝を迎え撃つ
手の甲を抉るガラスの破片
痛みも寒さに消えていく

窓の外では陽が昇る
点々と落ちた名残の水滴
呼吸がなくてもいいくらい
一生懸命キスをして

最後の一枚残ったガラス
指でなぞれば声がする
わたしの名前を呼んでいる
甘い時間はぜんぶ嘘


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