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仕事で成果を上げたかったら、寝ろ!

「あいつは毎晩遅くまで残業している頑張り屋なんだよ。だから高評価をつけてあげているんだ」
取引先の中小企業の人事部長さんが、お気に入りの事務系社員の名前をあげて自慢げにほめていました。

私の感想としては、「逆でしょう? 毎晩遅くまで残業することが優秀なのでしょうか? 長時間働けば働くほど会社には損失なんですよ」。(もちろんこのことは言ってませんが)


政府主導で働き方改革が始まって、大企業は2019年4月から、2020年4月からは中小企業にも残業時間の上限規制が始まりました。

この働き方改革のテーマの一つに長時間労働撲滅があります。
とくに事務系社員の長時間残業の抑制が各企業にとって大きな課題になっています。
なぜこれほど政府は労働時間抑制に必死になっているのでしょうか?

この労働時間抑制の大きな原因となったのは電通事件といわれています。

電通事件とは、今から3、4年前、世界最大級の広告代理店である日本の電通に勤めていた、東京大学卒業後間もない女性社員が常軌を逸した長時間残業、休日出勤を繰り返したことや激しいパワーハラスメントの結果、過労死した事件です。
実はこの事件の20年以上前にも、電通は入社数年目の若い男性営業職員が過労自殺しているのです。
電通は、ブラック企業という言葉では言い尽くせないくらいで、存在すら許してはならない企業なのです。

政府はこの長時間労働を、憲法に記載されている健康問題であるとともに国民の生命の問題ととらえています。


バブル時代の終盤に大学卒業し、新卒で就職した会社でも、
・協力性ではなく協調性
・成果よりも長時間労働だとかの意味不明な人事評価や付き合い残業
・いやな仕事は新人の仕事、女性はお茶くみ
等の理不尽なことを思い出して、長時間労働と肉体的精神的な健康の関係を調査してみました。

以前にちらっと聞いた記憶がよみがえってきて、「東洋経済オンライン 残業地獄」と検索したら「残業地獄が「脳と人生」に与える深刻な影響」という2016年11月19日の記事にたどり着きました。そこからの一部引用
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「東京大学医学部の島津明人准教授は、人間の脳が集中力を発揮できるのは朝目覚めてから13時間以内であり、起床から15時間を過ぎた脳は、酒酔い運転と同じくらいの集中力しか保てない、と指摘しています。朝6時に起きた人なら午後7時には終了しちゃうんですね。」
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この論文を自分に当てはめると、朝7時に起床するので13時間経過した20時には集中力を発揮できなくなり、15時間を経過した22時になると酒酔い運転と同じ程度の集中力しかないのです。

冒頭の人事部長さんに、「集中力がなくなった人や酒酔い程度の人にも給料を払うのですか? 残業代も払い、深夜割増も払うのですか? 高評価を与えるのですか?」と聞いてみたくなりました。(もちろん聞けませんが)


日本の会社、特に創業社長が現役で陣頭指揮を執っている会社や長時間労働イコール頑張った証拠とされて高評価を得ていた時代に育った管理職は、上司の意味不明な指示に従順に従うことや労働時間の長さでしか評価しないことが往々にしてあります。

それならば、有無を言わせぬ成果を上げて、無能な上司や納豆の糸のようにまとわりつく同僚を置き去りにしましょう。


それでは、仕事で成果を上げるためには何をすればよいのか?
それは「寝ること」です。十分睡眠をとること、取らせることです。
心身ともにリフレッシュされた状態で働かなければ期待される成果は出せないのです。

若いからとか、体育会で鍛えられたからといっても、本人の強がりだけで、十分な睡眠を取ったときの方がよっぽど成果を出せるのです。

無駄な付き合い残業の後で、さらに無駄な居酒屋会議ではリフレッシュどころか、ストレスのダメ押しにしかなりません。無駄な付き合いは断れ。

お酒を飲まなければ寝られないというって飲む人は、飲むことをやめろ。
帰宅後に一人での飲酒も十分な睡眠の敵です。
就寝前に飲酒すると十分な睡眠がとれない。
とにかく、早く寝ろ!

そして早起きして、早目に出社して、電話や周囲の雑音がない絶好の事務処理時間を作り出して、やるべきことを少しでもやっておくのです。頭が冴えている、1日で一番成果が出せる時間にボーっとしているのは何たる無駄か。

大体において夜遅くに作った資料は、支離滅裂で誤字脱字ばかりでとてもお金をもらえるレベルではないでしょう。「夜中に書いたラブレター」と言われる、翌朝読むと恥ずかしいラブレターであるが、あれです。時間と給料の無駄なのです。

もう一度言います。
仕事で成果を上げたければ、寝ろ! 

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