風を通す〜25か国訪れた私の歴史 アイルランド編〜
自己紹介は他の記事で書いておりますので省略をして、今日からはこれまでのかけがえのない特別な時間を振り返ろうと思う。
私は、旅好きとしてよく知られている。(気がしている。)
海外よく行きますね、と言われることも多いけど、実は国内も四国以外ほとんどの都道府県に行ったことがあるのです。
この一連の記事については、より距離も遠く簡単には行けない場所、主に海外について書いていこうと思います。
さて、そもそも、なぜそんなに海外に行っているのか?
お金があるから?
違います。今は工夫すれば大金はなくとも海外旅行はできる。
英語ができるから?
それは大きな要素かもしれない。
非日常を味わいたいから?
はいそれです!
子どもの頃、私は厳しい家庭で育ったので行動範囲も人間関係の範囲も狭く、正直自分の日常に辟易していました。
漫画を検閲されるとか当たり前でしたから。
(しかも、その漫画も、小学校4年くらいまでは禁止でしたので友達の家で読むと言う始末。)
とびっきりな体験がしたい!
それが私の毎日の願いでした。
例えば美少女戦士になりたいとか、そういう類の子どもらしい願い。
家庭が厳しい上に長女で我慢が多く、そんな毎日になにか人とは違った、ふわっとそれまでの空気とは違う風が吹くような瞬間をずっと漠然と心に抱いていたのです。
さて、このあたりの話を続けると、また長くなるので本題へ。
私は、初めての旅先にアイルランドを選びました。
The Corrsというバンドが好きでよく聴いていたから。あと、どうせならみんなが選ばない場所に行ってみたいとの気持ちからです。
しかし、その時私は大学生。
大学の格安の寮(これはお金に困ってる家庭しか入れないという代物)に住んでいたり、電気がしょっちゅう止められたりしていた私は、まずお金を貯めなくてはなりませんでした。
あれは2月だったかな。
京都に何店舗かあるお好み焼き屋さんに面接に行って、海外に行きたいから働きたいと面接で伝えたところ、その場で採用が決まった。
余談ですが、このお好み焼き屋さんのバイトは卒業まで続けました。いい仲間ができた場所。
しっかり大学も行きつつ働いて、なんとかお金を貯めてアイルランドへ!
と、その前に。
アイルランド渡航を後押ししてくれた出来事がお好み焼き屋さんのバイトの中であったので、そのエピソードを。
私は英語とフランス語(当時)ができたので、外国人の方の接客はほとんどまわってきていました。そう、場所は京都の中心地なのでとにかく外国の方が多かった。
ある日、いつものように働いていると、外国人の7人組の家族がやってきたのです。そこで私はいつものように おしぼりを持っていき、「Where are you from?」とニッコリと聞いてアイスブレイク。
「Ireland」とその中の女性に言われて、「え!アイルランドって私が今行きたい場所なんですが!」と話し始めあれよあれよと連絡先交換。
何通かの手紙のやり取りをし、数ヶ月後、アイルランドのコークにあるその一家の家に滞在させてもらえることとなったのです。
初めての長距離飛行機、初めての機内食、初めての海外。
このラッキーがあったことは本当に運命だと感じています。
アイルランド滞在中、一番印象に残っているのは、空です。
アイリッシュシチューも、フレンドリーな人々も、トラムも、絶景も経験しましたが、初めてのヨーロッパの空が今でも心に焼きついています。
それが私がずっと求めていた、感じたことのない風を感じる出来事だったのだから。
アテンドしてくれた、その家族の車の中で「I've never seen such a beautiful blue sky.」と言ったことを覚えています。
こんなに空が青いんだ、美しいんだ、そんなことも知らなかったんだ。
そこから、私のそれからの長い旅は出発しているような気もします。
いつもとは違う風が吹く空と。
それを知ったのは記念すべき初海外のアイルランド。
ずっと胸に秘めていた未知のストーリーが、動き始めたあの日のこと。