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舌痛症と漢方

2022年ももうすぐ終わり。わかってはいたけど、舌痛症とともに年を越すことになりそう。


そもそも、こんな風に舌の粘膜が荒れたのは、今年2022年はじめに発症したドライマウスと舌のカンジダ感染が原因だった。舌のカンジダ感染自体は抗真菌薬で治っても、舌の粘膜がズタズタになってしまったんだと思う。


抗菌薬を処方してくれた歯科医院で、「まだ舌が上あごや歯に触れるとビリビリして味がする」と相談したが、「知覚過敏になっているみたいですね。でも、できる治療はないから舌のことは忘れてください」とだけ言われ、見捨てられてしまった。


忘れろって言われても、忘れられる程度の刺激と、気にせざるを得ない刺激がある。私の場合、とても忘れられるような刺激ではなく、体からの危険信号のように感じられた。


歯医者で見捨てられ、耳鼻科で出されたビタミン剤やステロイド軟膏も効かず。いろいろブログを読むと、舌痛症に漢方を処方されている人がいるようだ。私自身、ドライマウスに五苓散という漢方薬が効いた経験もある。一時期はガムなしで生きていけないほどだったが、今ではたまに少し口が渇く時間がある程度で、服薬をやめても改善状態をキープしている。舌痛症に効く漢方薬があるなら、ぜひ試してみたい。


ツムラ漢方五苓散エキス顆粒A 48包


私は粘膜が荒れるタイプの口内炎と耳鼻科で診断されたので、「漢方 口内炎 論文」といったようなキーワードで検索してみた。

古いけれど、とある1985年の論文では半夏瀉心湯を投与した難治性の口内炎患者28例中、20例が著明改善・改善している(71.4%)。そのうち舌炎患者は4週投与して70.0%の改善率だという。ほかにも半夏瀉心湯と口内炎で検索すると良好な結果の論文がいくつかみつかった。特にがん治療中の難治性の口内炎で効果を上げているようだ。


ツムラ漢方半夏瀉心湯エキス顆粒 10包


半夏瀉心湯、飲んでみたいと思って色々調べたが、口の渇きを助長させる働きがあるそうなので断念。ただ、半夏瀉心湯は水に溶かして口に含んで吐き出すだけでも効果があるようなので試してみた。舌の違和感が気になった時に5秒ほど含んで吐き出すだけで、舌の異味やビリビリする違和感が漢方薬の苦みに置き換わる。効いているような気がしなくもないが、他の漢方薬を試してみることにしたので3日でやめた。


あわせて、1か月続けたトラフル軟膏のラップパックも終了した。

トラフル軟膏


漢方・口内炎で検索すると、半夏瀉心湯のほかに黄連解毒湯、茵蔯蒿湯というのが出てきて、体質によって使い分けられるようだ。私の場合、茵蔯蒿湯が体質に合っていそうなので飲んでみることにした。


茵チン蒿湯(インチンコウトウ)は、熱感、口渇(のどが渇き)、口の中が粘り、口臭や嘔気、腹部膨満感や便秘を伴う口内炎に適します。
本方は、主に炎症性の黄疸や皮膚炎に用いられる方剤ですが、口内炎にも応用されています。

漢方薬のきぐすり.com


茵蔯蒿湯エキス細粒30包


服薬を開始してまだ3日目だが、舌の違和感・酸っぱい味が半減した。あと、これを飲むと眠くなる。夜寝つきが良くなるのはありがたいが、季節のせいもあるのか朝起きづらく、午後も眠い。自律神経に効いているのかもしれない。眠くなるような抗うつ薬が舌痛症に効くんだから、眠くなるような漢方薬も効くかもしれない、と勝手に期待している。


西洋医学の舌痛症では自分の舌を見るなと言われることとは対照的に、漢方の世界では舌を診る「舌診」は患者の体調・病状を知るうえで重要視されている。私は舌先が赤くなっていたが、漢方の世界ではこの症状は交感神経の過緊張からきているそうだ。


茵蔯蒿湯を飲んでほんの3日目なのに舌先の赤みも少し引いている。眠くもなったし、交感神経の過緊張に薬が効果を発揮しているのかもしれない。しばらく服用を続けてこちらで報告するつもりだ。上で紹介した論文でも舌炎患者の症状改善は4週間後と書かれていたので、4週間程度は服薬してみようと思っている。


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