堕天　アテナイの学堂　花山國男　著

マチルダ　6

マチダと並んで歩道橋を渡る。 　メイド服のティッシュ配りと、太鼓を担いだデモ隊の拡声器。それを背景に自撮りをするインバウンドの長い竿。いつか観た、九龍城砦のネオン街を彷彿とさせる白昼夢。昼食はうどんか、赤青のカプセルかと電脳に塗れた空想を表参道に馳せた。 「ノストラダムスの再来だね。紫外線も気にしないで群衆とは、ご苦労なこった」歩道橋の欄干に頬杖をつき、マチダは呟く。 「ほんと。よくやるよ。いっそのこと、大覚様万歳とでも、アスファルトに描けばいいのにな。」 「あーあ。

ダッシュボード機能って、ほとんど見た事なかったけど、たまたま見たら、自分の記事が毎回、1000〜2000回見られている事を初めて知った。。驚愕だ…。

自然に帰ろう。

これ、とても重要な事だから。 知恵とか要らないよなって、本当に思う。 世界って簡単に出来ている。 光と土と風と水。 それだけ。

マチルダ　5

マチダと並んで改札を通る。 　五月の初め、上野公園は雨だった。昼時のベンチは平日というのに閑散としていた。 　新卒の真新しい装いの群れが、羽を休める景色を僕は期待していた。春雨の細先に、しっとりと濡れた羽毛は美しく、花の落ちた桜の新葉とのコントラストが日々のつかの間に映える。 「連休だからね」マチダの声が、黒い傘の隙間から水溜りに波紋を開いた。 「連休…ああ、そうか。すっかり忘れてた…もう、そんな季節か」 　辺りを見回せば、ぽつりぽつりと傘が並んで歩いている。一つの傘

今日。

病院に行きました。エコーで心臓を見たら、とくんとくんと動いていました。とりあえず大丈夫だけど、無理はしないでね。と先生は言いました。 複雑な気持ちになりました。 胆嚢に溜まった砂は増減もなくて、さらさらと潮騒が聴こえた気がしました。 手術は見送りました。 まだ体内に海猫を飼っていたいのです。

五月の虻。

水滴に凭れ頭を下げる鈴蘭 過ぎゆく日々の淡々 換気に少し開いた掃出しの風は雨を招き 遮断器の音が五月の虻のよう 小さな三面鏡に笑顔を見せては直ぐに閉じた 炊飯器から流れる単調な曲に居場所を奪われる も　すこしだけ も　すこしだけ 虻の羽音がそう聴こえた 五月の一歩

眠い。 凄く眠い。

植物の生の哲学

お近くの方は、是非に。

298円。

アンティークショップで聖母子像のコイン型ペンダントトップを買った。298円だった。 クリスチャンでも無いのに。 手芸屋で180円のチェーンを買って首から下げている。 なんの為? わからない。 町田とひさしぶりに会話した。 町田は年をとらない。 雲海が綺麗な山の朝は もう夏の準備をしていた。

うずまきの話。

優しさの果て。

痛いのは嫌いだから 泣いてもいいから 左指のぬくもりに名前をつけたよ 明日の声が枯れても 今日は笑っていたいよ 遥か夏の日に名前はいらないから 今日の涙が落ちて花が咲いたら 僕の名前をつけて欲しいな

フール　フール　フール

四月の終わり 花想い　 目を閉じ歩む　 木星を仰ぎ 水瓶から溢れた母なる海に流され 身を任せ 流転の世は世知辛く 自らの尾を呑み込む 大蛇の輪廻 13番目の今日 螺旋は繰り上がり 色を無くした黄金は無に帰す 月鏡の我を失い統合した 吾と心は悟りとなりて 霞吾身 明の明星と共に東の空へと 愚者は認め 愚者は宥め 愚者は帰す 無は愛であると

月星座　牡牛座さん。

牡牛座のサインには　I have （所有する）という意味があります。 僕は　I have myself （自己肯定感）と考えるとしっくりくるなぁと思います。 僕は月星座が、牡牛座です。物欲があまり無いので、何が自分の欠損なのか分かりませんでした。 それで、I have の客体が何なのかを考えていたら、この自己肯定感が欠損してしまっていると気が付きました。無意識に誰かと比べたり、自分を卑下してしまったりしていました。 自分の価値は自分が知っている。無価値な人など居ないと

ICと4ハウスの話。

ホロスコープを見るときに、ASCやMC、太陽星座などが重要視されていると感じます。 ASCは、産まれたときの東の空です。反対にDCは西の空です。見上げた時の真上がMC、真下がICとなります。 ざっくりと言うと、ASCは、他者から見たときの第一印象ですね。実際に会った人からの印象になります。自分では自覚が無い人もいます。 MCも他者からの印象なのですが、ホロスコープで、半分から上は社会的、外面的な範囲と捉える事が出来るので、MCは芸能人や有名人など会ったことのない人の印象

堕天　番外編　ペンテコステの朝霧　1

明けを告げる金星の輝き　東の空は遥か 操縦桿を握る革手袋　銀色の水平尾翼 三角形を天宙に保ち　涙雨の鉛玉を零す 　ガ島の西、3000㌳先を滑空していた。計器類は指で動かせば、くるりと素直に応じ、まるで頼りに成らない。 東側戦線部隊はユリイカの鉄菱を横腹に受け、50機程の戦闘機の群れは、海原の虚空で散り散りとなった。鉄の塊は孤独の空を動力を失い、ただ滑空していた。 自由解放の旗を掲げた、第十三航空師団"月光"の初陣は、後世に名を遺すことなく鈍く輝いていた。 以下、青年将校