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コーヒー豆の「鮮度」ってナンダ?

普段なにげなく飲んでいるコーヒーだけれども、豆や粉の「鮮度」を気にしたことはありますか? 「乾いてるし結構保存できるのでは?」となんとなく思っている人や、「豆の状態で保存すればいいんだっけ?」くらいに把握している人もいるはず。あらためて一度、「コーヒー豆の鮮度」について探ってみましょう!


そもそも:「コーヒー豆」も生鮮食品である!

コーヒー豆には、基本的にこの3つの状態があります。

  1. 生豆の状態

  2. 焙煎した豆の状態

  3. 焙煎した豆をいて粉にした状態

コーヒー豆の鮮度ですが、このそれぞれの状態で「鮮度の保ちやすさ」に差があるとのこと。

最初に言ってしまうと、一番長期保存に適しているのは①の生豆の状態のようです。コーヒーの実(コーヒーチェリー)の果肉を取り除き、中の種子である「豆」を取り出し、乾燥させたものがコーヒーの生豆です。この生豆、保存できる期間は一般的に「収穫してから2年程度」なのだそう。

焙煎後、焙煎前、粉の状態で保存しやすさに大きな差が(photo by shutterstock)

意外と長い!? と思われた方もいるかもしれませんが、注意しなくてはいけないのは、これは「収穫してから」の時間だということ。
コーヒー豆の原産地は大半がアフリカ大陸や南米大陸で、原産地から焙煎される場所に運ばれるまでかなり時間が経っている場合も。一見“乾物”に見えるだけに「長期保存できるのでは?」と思いがちですが、コーヒー豆も立派な「生鮮食品」。生豆だからといって「買ってから2年間はOK」ということではないのですね……。

長期間保存することで生豆の熟成が進むので、そういった味の変化を楽しむコーヒー愛好者もいるようですが、基本的には鮮度が落ちないうちに飲むのがベター。また、長い時間をかけて旅をしてきたコーヒー豆をおいしく飲むためには、私たちの手元に着いてからの「保存方法」も重要となるようです。これについては、後ほど詳しくお話しします。

つまり:コーヒー豆の酸化は「焙煎後」から始まる

では、焙煎したあとのコーヒー豆はどのくらい“持つ”のでしょうか? 

コーヒー豆の風味を悪くする最大のものは「酸化」と「湿気」とのことです。「酸化」は空気中の酸素と結びつく化学反応ですが、同じことがコーヒー豆にも起こります。

焙煎したコーヒー豆は、空気中の水分と酸素に触れると嫌な酸味や渋み、枯れたような風味などが出てきてしまいます。これは、コーヒー豆が「多孔質」という小さい穴が無数に空いている構造であり、水分を吸着しやすいこと。焙煎によりコーヒー豆に含まれている油脂成分が加熱され、より酸化しやすい状態になることが理由です。
そのため、生豆の状態よりも焙煎したあとの豆のほうが、風味が落ちるスピードは速くなってしまうのだそう。一般的には、焙煎して3日〜14日後くらいが飲み頃、遅くても1ヶ月以内には飲みきったほうがいいと言われています。

焙煎はコーヒーの味を決める大切な作業。しかし、酸化しやすくなるというデメリットも(photo by shutterstock)

「いつでもすぐにコーヒーを飲みたい!」という人は、既に挽いてある豆を買ってきたり、多めにミルで豆を挽いて保存しておこう……と思うかもしれません。

しかし! 豆を粉状にすると、豆の状態よりもさらに表面積が増えてしまいます。それだけ空気に触れる面積が広くなり、水分を吸着するスピードや、酸化するスピードも速くなるということ。焙煎した豆を保存する場合は豆の状態で保存し、れる直前に粉にすることが推奨されているのは、酸化を防ぐためなのです。

おいしいコーヒーを飲みたい場合は、短期間で飲みきれる量を焙煎する、もしくは焙煎された豆を購入すること。粉に挽くのは“淹れる直前”がベストということですね。

ちなみに:飲むタイミングにより保存方法を使い分けよう

コーヒー豆や粉の鮮度をなるべく保つには、どうしたらいいのでしょうか? 基本的には、この4つを避けるようにしましょう。

  • 酸素

  • 紫外線(光)

  • 温度(高温と急激な温度変化)

  • 湿度

つまり、密閉性と遮光性がある容器に入れ、直射日光が当たらない場所で保管するのがベストということ。ゴムパッキンがついている缶や陶器、アルミコーティングされた袋などを利用すると良いでしょう。アルミバッグに入った未開封の状態のものも、やはり温度変化が少ない冷暗所で常温保存するのがおすすめです。

購入時に遮光されたアルミバッグに入った状態なら、そのまま冷暗所で保管を(photo by shutterstock)

焙煎後の豆も、上記の4つが避けられる場所で保存するのが良いとか。「より鮮度を保っておいしいコーヒーが飲みたい!」というチャレンジャーは、気温の上下を避けることができる冷蔵庫保存が良いかも。とくに粉の状態は酸化しやすいため、開封後は冷蔵庫などに保存し、できるだけ早く使い切るといいですね。

実はコーヒー豆、冷凍保存もできます。冷蔵よりも長く保存ができるのですが、冷凍庫から出し入れする際に、外気温との差で袋の中に結露ができてしまう可能性も。そう、コーヒー豆の大敵である「水分」が発生してしまうのです……。そのため、冷凍する場合は出し入れが減るよう、使う分だけ小分けにして冷凍すると良いようですよ。

コーヒー豆の「鮮度」は、「焙煎」と保存方法がポイントになることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
缶入りなので生豆の保存がしやすく、自分自身で焙煎することで保存期間や飲み頃を把握しやすいのも「くるくるカンカン」の大きな魅力。未体験の方はぜひ、トライしてみてくださいね。


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