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#72 人肌

ひとり暮らしでいると
どうしても寂しくなる時がある。

特に実家では犬や猫を飼っていたせいもあって
日常の中に撫でたり抱っこしたりとスキンシップを取る場面が多かったせいもあって。

触れる、触れ合うという無意識のうちに接しながら、寂しさを補い合っていたんだなと思う。

だから尚更寂しくなってしまう。
そしてどれだけペットや他人が近くにいる事が
貴重な空間なのかが分かる。

人は1人では生きていけないと言うけれど
本当にそう思う。
相棒のような存在が近くにいるかいないかで
かなり違う。

自粛が主流の今、誰かに夜会いたくなるのも良くわかる。飲んで、話して、愛しあって、常に触れていたい、存在を感じたいと強く思う人たちが、夜の町に行くのかなと思う。

本当に失礼な考えだけれど、
恋人や愛する人がいる人達は、素直に羨ましいなと思う。人と人の肌が触れ合うシーンが多いだろうし、会話もあるし、喧嘩もできるし。

お互いの意見や愛をぶつけ合うとか、伝え合える人が
いるってええなあと最近しみじみ感じて。

そしてまだそんな人もいなく、
人の肌や優しさを未だに知らない自分は
このウイルスのせいもあって、
人との出会いや
触れ合える機会も無くなった。

今までは3年周期で環境が変わる日々の中にいたけれど、そこを抜けると自分で入りに行ける人でない限り
出会いは無くなって、一人ゲームをしたり、一人エッチをしたり、全部が一人になる。

いつも、ガラス越しに周りの人を見ている。
きっとあの人には敵わない、きっとあのような人とは知り合えないんだろうな。
いつもいつも、自分で制限して、壁を作り安心して、
その籠の中から外を見てる。

気持ち悪い。
思い切りがない。
おかしくなりたいのになれない。
ぶつけるものがない。
こんなにも、ないのか。
写真でぶつけたいけど、ぶつけ方がまだ分からない。
(自分の性欲を詰め込んだ、
めちゃエモいエロい写真をせめて撮りたい。)とか妄想してみたり…

もうそれくらいしか、
残されてないカラカラな身体
自分が必要とされることで喜ぶこの身体を
変えるべきなのか
そのままでいいのか
みんながいなくなる前に決めないと。

そんな自分は選ばれるわけもないよね。
人と人しか味わえない肌感。
あの人の肌の感触とか
たとえそこに愛はなかったとしても。
会いた穴を少しでも埋められるのかもしれない。

おやすみ。病むクセ治らん。

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