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”推しの死”

自分が大好きだった人たちの話をします。


テラスハウスに出演されてた女子プロレスラーの木村花さんが亡くなった。
正直テラハは両親と姉が見てるのを携帯いじりながら見る程度、
でも花ちゃんのことは知っていた。

かっこいいなぁ、女子プロレスってあんま知らんなぁ
それにしてもこの子可愛いなぁ、なんか強そう
ヒール役っていいなぁ、やっぱ世界一かっこいいのはどの世界線でも悪役だよね。鬼舞辻無惨を除いて。

それぐらいしか知らなかった。それぐらいの感想だった。

ニュースが舞い込んで来た2020年5月23日、
ちっちゃい女の子のツイートを見た。今これを書いてる時点で消されてしまったツイート。

「はなちゃんをかえして」って花ちゃんのファンの小さい女の子がツイートしてたんだよねぇ。
アカウントを覗くと 花ちゃんの試合を見に行ったり、プログラム?みたいなやつに参加してたり

大好きだったんだろうなぁ、花ちゃんのことが

会話泥棒なのでここで自分の話に持って行くと、私は大好きだったアイドルが過去に2人亡くなっている。
今日1日を終えて目を瞑ったとき涙が止まらなかった。その女の子のツイートを思い出して。
勢いのままこの文章を書いている。

レディースコードって知ってますか?
Ladies' Code 레이디스 코드 私が初めて打てるようになったハングル文字
長年の韓国オタクなら知ってると思うんだけど。

2014年に交通事故でメンバーが2人亡くなったんです。
リセちゃんとウンビちゃん。

事故が起きたのは私が高校1年のときかな?
16歳になる1ヶ月前

好きになったのはデビューステージを見た2013年、
15歳になりかけの14歳のとき

リセちゃんの美貌に慄いて初めて女子アイドルをちゃんと推した
在日韓国人ということで親しみを感じて、すぐに調べまくって
最終的にメンバーのジュニちゃんのファンになった。

誕生日にはバイト代を貯めてケーキやプレゼントを送って、
こんなに素晴らしいアイドルがいるんだよ!ってことを広めたくて
Twitterでも呟きまくってキャスして語って
「まどかのレコがカムバしたね!」ってフォロワーさんのツイートが嬉しくて

14, 15歳なんて親の許可が降りるわけもなく渡韓もできず
結局ウンビちゃんとリセちゃんに会えずに一生のお別れをすることになった

初めてレコと会えたのは2015年の2人の追悼コンサート
事務所の先輩たちの話を聞きながら立ち上がれないほど号泣して

1年ぶりに見たジュニちゃんは髪の毛を切って大人っぽくなってて
さすが私のジュニちゃん、とか思ってたなぁ


”推しの死”って多分一生乗り越えられないんですよね


事故のニュースを聞いた日、15歳の私は受け入れられなくて2日間学校を休んだ
みんなからのLINEもツイートも全部無視して親に抱きしめられながら自分でもびっくりするぐらいの雄叫びをあげて泣いた

学校に行ったら行ったで「大丈夫?」なんて聞かれるたびに泣いてた
確か文化祭直前で私はなんかの委員をやってて
プログラムかなんかをホッチキス留めしなきゃいけなくて、泣きながら黙々と作業してたなぁ。

正直 後にも先にもこんなに泣くことはないと思う。

ウンビちゃんが事故当日に亡くなってから4日後に私をレコにのめり込ませたリセちゃんが亡くなった。

あぁ、だめだったか。頑張ってくれてありがとう。嫌だ。いかないで。
私を置いていかないで。なんて考えながらその日も確かバイトを休んだ。

韓国ではお墓、というより遺骨を安置してくれるところがあるみたいで
ウンビちゃんとリセちゃんの遺骨(リセちゃんは分骨で、半分は福岡のご家族のお墓に入ったらしい)は韓国にある。

行き方も、場所も、韓国の行かない方が良い日とかも全部調べた

でも22歳になる2020年になっても私は韓国に行けていない。
辛すぎるから。


遺骨と対面したらリセちゃんとウンビちゃんが本当にいなくなってしまう気がするから。

綺麗なお花とか人形とかお手紙とか、それらと一緒に安置された遺骨を見てしまったら、もう自分がどうなってしまうのかわからなくて怖いから。

これを書きながら私はまた泣いている。親族でも、会ったことすらないのにね。

本当に好きだったんだなぁ。というか今でも愛してるんだよね。

2人に宛てたお手紙は書いた。それこそ崩れてしまうほど書いた。
なんなら取りまとめて韓国に持って行ってくださった方がいて、
今リセちゃんとウンビちゃんの綺麗なお花と人形と手紙に囲われた遺骨の安置してあるお部屋には
私が書いた手紙も何通か置いてある。

でも、好きだった人に届かないラブレターっていくら書いても言葉が溢れてしまうんだよね。

これを書いてどう、とかはないんだけど


どうかあの小さい女の子が私みたいに苦しみませんように

私は向日葵みたいなリセちゃんと可愛い可愛いウンビちゃんの思い出を
まだ”思い出”に昇華できていなくて、苦しい

苦しくて苦しくて、本当に頭がおかしくなりそう

もう6年も経ったのにね、なんだろう、
「憧れ」の対象で見てた人が突然去るのって、キツイ

きつくて、でもみんなぐちゃぐちゃになった気持ちを掻き集めて
”次の日”という未来を歩んでいるのかなぁ、とか思ったり

でも私の心の柔らかい、幼いまま取り残されてる部分にまだ生きてる二人は
まだ確かに生きてて。 生きてるんだよな。


キラキラ笑顔でレトロポップな音楽に合わせて踊る5人は、幻だったのかな、とか考えたり

でもあのキラキラした日々は確かに存在してて
私だけが取り残されたような感覚

いつになったら”わたし”は心の中で生きてる2人を解放してあげられるんだろう、とか思ったり

成長しないな、21歳



つらい、キツイ、会いたい

なんて思いながら”推しの死”について考える夜


答えは見つかりそうにない



おしまい

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