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番外編 俺と平成迷宮(かわおば2024)@都内某所

お化け屋敷って怖いよね

体験日:2024年1月28日
怖かったセクション:全部

 い頃からオカルト大好きマンだったので、図書館ではポプラ社の学校の怪談シリーズをページに穴が開くほど読んでいたし(※1)、テレビで心霊写真や心霊映像特番があると決まってVHSに3倍速モードで録画をした。中学生になってからは自分で廃墟や心霊スポットに出向いてはデジカメ、ハンディカムで撮影!撮影!撮影! 目当ての廃墟に行くため、ボロッボロになったスーパーマップル四国版を片手に自転車で30km近く漕いだりと、スケールがバカ田舎になったスタンド・バイ・ミーを繰り広げていた(※2)。要するに、心霊や幽霊といった類に対して自信ニキだったというワケだ。

中学時代に地元にあった"出る"トンネルで撮影

 んな”どんと来い、超常現象”な俺であっても、やっぱりお化け屋敷は怖い。怖いというかビックリする。そもそも驚かすことを前提としたお化け屋敷と、スピリチュアルな現象を期待して訪れる心霊スポットはベクトルが違うというか、そもそも土俵が違うので比較対象にならないと思っている。なので、心霊スポットはCHA-LA HEAD-CHA-LAだけど、お化け屋敷はキツいっス…となってしまうチグハグ人間になってしまった。悲しい。

 だ、全く興味が無いワケでもないし、怖い怖いと思いつつもチャレンジする機会があれば行きたいネ…と悶々とした日々を過ごしていたワケで。そんな折、今回取り上げる平成迷宮の開催情報がタイムラインに流れてきたので、此れ幸いと訪れたのだった。まあ前述のとおり俺はお化け屋敷苦手マンなので、単独でお化け屋敷に乗り込むという行為自体、”はじめてのおつかい”に出てくる親御さんの如く心細かったので、急遽お知り合いのジェットコマニアを勧誘。急なお誘いにも関わらず、ご同行してくれたのでホント感謝感激雨あられだった。

 の平成迷宮は常設のお化け屋敷ではなく、期間限定開催のイベントだ。このイベントを主催されているかわおばの方々は、一般の民家(というか主催者様のご実家)を改修し、お化け屋敷に改造している。昨日までご家族の方が住んでいた空間をそのままDIYするワケで、熱の入れようがスンゴイ。まあご家族の方からしたら夢のマイホームが常設でお化け屋敷になってしまうのはたまったもんじゃないと思われるので、毎年期間限定開催なのだろう。開催場所は完全非公開となっていることからも、このイベントの特殊性が窺い知れる。

!CAUTION!

 所は非公開ではあるものの、お化け屋敷内部の撮影はOKとのことだったので、ここぞとばかりにビデオカメラを持参。あの頃の平成をテーマにしてるんだったら、平成感が味わえる画質で撮影したろ!と思い立ち、今ではめっきり見なくなったminiDV方式をチョイス。そんなワケで今回のレビューでは、現地で撮影した映像から切り出した画像を用いたので、ノイジーなモノが多めになっている。

2002年発売 平成感がムンムンだ

 長々と前置きをしてしまったが、今回の平成迷宮がどんなお化け屋敷だったのか駄文を垂れ流していく。ちなみに、以下のようなバックストーリーがあるらしい。


【あらすじ】
時は令和。未知のウィルスの恐怖や不景気に、人々の生活はおびやかされていた。

こんな時代はもう嫌だ。日本がもっと元気だった、もっと活気に満ちていた、あの頃、あの時代――「平成」。

ここは、Dr.ヒラナリが設立した、平成の文化・暮らしを研究し、その魅力を伝える施設「平成研究所」。

この研究所の見学ツアーに参加したあなたは、奥深く進むにつれ、異常な光景を目にする。そして、この研究所の真の目的とは――

……一度入ったら出られないと囁かれるこの研究所を、誰かがこう呼ぶ。

『平成迷宮』

平成を、迷え。

https://kawaoba.wixsite.com/heiseilabyrinth
公式HPより引用

 石、平成研究所を標榜するだけあってか、待合室からプレショールーム、そして内部の至る所にちょっと昔の懐かしいグッズが展示されていた。物量が凄い。これもうフリーマーケットだろ。

待合室 平成の書籍が沢山 (photo by 🐥さん)

 合室で注意事項を聞いていると、受付表を書かされる。日付欄には平成と書かれているものの、上からボールペンで斜線が引いており令和と記載されていた。研究員さんから『これ、ミスプリントですよ(^▽^)/』と言われたため、ほ~~~ん位にしか気に留めなかったが、後々これが伏線だったことを知る。やってんな。

 速順番が回ってきたので、満を持して突入。ひっさびさに入るお化け屋敷ということで緊張感も高まる。会議でお偉いさん方にプロジェクト内容を説明するアノ嫌な感じに似て少し足取りが重い。

 成研究所内部は、明かりがほぼゼロになっており、壁に記載された順路マークを頼りに進んでいくことになる。手探りで順路に従って進んでいくと、さっそく謎のドアを発見。が、扉が閉じられていたため、道を間違えたかしら…?と思っていると、予想だにしなかった場所から研究員さんが出現! これはもう本当に驚いた。トイレを事前に済ましていなかったら、辺り一面が洪水になっていたことだろう。出禁確定だ。

プレショールームの扉 この真横に…

 けに声がイイ研究員の方に連れられ先に進むと、扉の向こうはプレショールームとなっていた。ここで所長のDr.ヒラナリからツアー参加者への挨拶、ならびに完成したばかりの平成転移装置への試乗を案内される。が、ここで映像が乱れ、転移装置は罠であり令和を生きる人間を皆殺しにする旨が伝えられるのであった。悲しいなあ…

プレショールーム内部 (photo by 🐥さん)

 レショーが終わり、再び順路に従い進んでいくと、平成の展示物コーナーが始まる。まあここでも驚かしポイントが多数あり、懐かしさに浸る時間なんて無かった。

エキスポランドのパンフレットがあったのは笑った

 ランダを経由し所長室へ向かうと、何やら怪しげなパソコンが鎮座。ヒラナリの使ってるパソコン、これ絶対サポートが切れたXPかVistaだろ…とか思っていたら、急にどこからか声が! ここで、平成転移装置で平成人間に改造されたヒラナリの娘さんが登場! 演技が凄すぎてもう言葉が出ない。マジやってんな。

これ逆にToDO管理出来てないだろ (photo by 🐥さん)
200枚近く書いたらしい ひぇ~
ヒラナリの娘 演技がアカデミー賞

 っぴり腰になりながら所長室を抜け出すと、遂にクライマックスの転移装置へと案内される。ここで、案内人役の方が転移装置部屋の手前に立っているのだが、これがまあなんとも人間心理を突いた場所に配置されているためタチが悪い。別に驚かせるアクションは何もないのだが、暗闇に人が立っているだけで、こんなにビックリするもんなんだなと感じた。かわおば運営団体のテクニックが光る。まあ、俺がビビりなだけなんだけど。

人が立っていることに衝撃を受ける俺 (photo by 🐥さん)

 成転移装置では先ほどの待合室で記入した受付表をピッする。平成迷宮の凄い所は、受付表に記載した日付によって転移装置から出口までの展開が変わってくるということ。”令和6年”と記載した場合は転移装置が途中で停止し、平成人間にならずに出口まで進めるのだが、”平成36年”と記載すると平成人間へと改造されてしまうのだ。いやー凝ってるなあ。

タッチアンドゴー

 移装置も非常に凝っており、人が実際に乗れるベンチシートに腰掛け、プロジェクターに投影された映像を鑑賞する。が、ただぼーっと鑑賞するだけではなく、ベンチシートが映像に合わせて振動するのだ。どういう仕組みか分からないが、一般家庭でやっていいレベルを遥かに超えている。更に、振動するだけでなく回転&ライドフォト撮影まで完備されているから驚きだ。ただただ感服するしかない。

ちゃんと動くにょ (photo by 🐥さん)

 イドフォトを終えると、後は出口に向かうだけなのだが、転移装置の失敗により死亡してしまった平成人間の被験者たちがずらっと並べられた場所を通らなければならない。勿論ここでも驚かしポイント多数。終盤の畳みかけが半端なく、アクターの数がドカッと増えて、我々の後ろをゾンビのようについてくるのだ。ホントに生きた心地がしなかった。また、受付表が平成36年だと終盤の演出も異なり、令和6年版では開いていなかった扉が開いていたりする。頭おかしい。

お分かりいただけただろうか
ヒラナリ、こんなん博士号剥奪だろ (photo by 🐥さん)

 回、かわおば主催のお化け屋敷は初めてだったのだが、驚かしてくるアクターの演技力や、転移装置の演出など、俺のような初心者からしたら十分過ぎるほどのクオリティだった。ただ雑に驚かしてくるワケではなく、綿密にアクターを配置しているところを見ると、かなり計算され内部設計されていることが伺える。

 た、かわおばの運営の方が皆遊園地やアミューズメント施設が好きな面々ということもあって、スタッフの方が心の底から楽しんでいるように感じた。やっぱりそういうのを見ると一般参加しているこちらも楽しくなるし、何回も挑戦したくなる。オトナが本気を出して作る文化祭のお化け屋敷の完成形のようで、来年もまた開催されるなら是非とも挑戦したいと思った。


注釈
※1 学校の怪談シリーズと言えば講談社版かポプラ社版かの2つ選択肢があった。講談社版は挿絵がまあオドロオドロしくて、失礼ながら、これ売る気ないだろ…と小学生ながら思っていた。一方で、愛読していたポプラ社版は巻によって挿絵を描いてるイラストレーターが異なり、少女漫画チックなイラストからギャグマンガチックなイラストまで幅広かったコトを覚えている。ちょっとエッチだった。は?

※2 その当時、奇跡体験!アンビリバボーのワンコーナーで恐怖のアンビリバボーという特集を頻繁に放送していた。視聴者から寄せられた心霊写真・映像をスタジオで紹介、霊能者に鑑定してもらうというコーナーだったのだが、このコーナーが好きだった俺は、スタジオに居る所ジョージと清水圭に撮影した写真を見せたい一心で心霊スポットへ突撃したことを覚えている。今思うと何とも不純な理由だった。


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