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俺とチューピーコースター@鷲羽山ハイランド

あの大女優も連続で乗ったことでお馴染み

初乗車:2010年1月11日
好きなセクション:とくになし

 近、実家に帰省することがあった。まあド・平日に帰ったこともあり、中高時代のご学友と飲みに行くことも出来ず、天井のシミを数えたり、無駄にフローリングをコロコロで掃除したりしながら悶々とした日々を数日過ごすこととなったワケだ。

 か暇をつぶせるモンは無いのかと、いつ土砂崩れが起きても不思議ではないレベルでガラクタが積み上がった押し入れを、まるで川口浩探検隊かの如く探索していると、むかーし親父と訪れた遊園地で撮影したminiDVが発掘された。今回のレビューは、その出土した映像を交えながら鷲羽山ハイランドのチューピーコースターを取り上げる。

押し入れの最果てに謎のminiDVを見た!!!!

 山を代表するチューピーコースター。RCDBを見ると、1995年8月3日から運行開始となっている。いやいやいや、あのコースターの年季の入りっぷりからしてオープンはもっと古いだろ!と、昔の航空写真を見てみると、1975年時点でレイアウトこそ若干違うものの、チューピーコースターの原型と思わしきコースターが存在するのが分かる。

1975年の鷲羽山ハイランド オーバルレイアウトだ[1] 

 、現在の8の字レイアウトとなったのはいつになるのかと言うと、航空写真から推測するに95年後半~97年前半あたり。95年5月9日撮影の写真ではまだオーバルレイアウトのようなので、チューピーコースターとして運行が開始された8月時点で、観覧車へ向かうレイアウトが完成していたのか怪しいトコロだ。なんにせよ、大部分が旧コースターのレイアウトであるため、チューピーコースターは実質70年代生まれと言っても過言ではないだろう。やっぱ年季が違うンすよ。

今の8の字レイアウト 大部分は旧レイアウトと同一だが観覧車側に大きく伸びている[2]

 んな劇的ビフォーアフター並みの改造を行ったチューピーコースターは、鷲羽山ハイランドの一番頂上、ターボドロップ横が駅舎となっている。入口近くのバックナンジャーやウルトラツイスターと比べると、342段の階段をせっせと上らないといけないので、気合を入れて乗りに行くことおススメする。バカ中学生時代は何度も上り下り出来た階段も、社会人になって挑戦してみると普通に辛かった。老いには勝てない。

吐く

 なみにアノ大女優、陣内の元嫁、藤原紀香も学生時代に36回連続で乗ったというチューピーコースター。関暁夫の都市伝説並みに信頼性が無い怪情報だが、2000年頃には駅舎階段付近にデカデカとその旨をアピールする看板が立っていたようだ。お手製の看板には無断で使用したと思われる紀香の顔写真が用いられており、流石に怒られたのか、2010年に訪れた時点では跡形も無く消えていた。もちろん、久しぶりに訪れた2023年のGWにも無かった。紀香がなんだ、俺の地元には和歌子が居るぞ。

https://maruno.sakura.ne.jp/norika.jpg

鷲羽山ハイランドで奇跡の再会!

https://maruno.sakura.ne.jp/boyaki-dandy.htm
藤原紀香

 り場へ向かうと何だか珍妙なBGMが流れており、脱力感を誘う。エンドレスで流れているようで、変にコブシを利かした地方CMのような音楽を延々と聴かされる。凄いぜ鷲羽山。

チューピーサンバでどうのこうの~♪

 両は4人掛け×5両編成で20人乗り。安全装置はシートベルトと腰のラップバーだ。2010年に訪れたときはオレンジを基調とした特徴のない車両だったのだが、オーバーホールしたのか、チューピー君がデザインされた車両へとリニューアルしていた。また、以前は破れたシートを粘着テープで補修していた記憶があるのだが、流石に全補修されたのか露骨なボロさは感じられなかった。

令和最新版チューピーコースター
旧車両 たぶん車両は使いまわしで塗装し直したのだろう

 員のおっちゃんが安全バーのロックを確認すると、特にブザーも無く発車。駅舎を出てすぐに巻き上げだ。最高部は15~20mほどなのでスペックだけ見るとそこまで高くないな…となるのだが、そこは鷲羽山マジック。崖のキワキワに巻き上げが設置されていることもあって、右を向けば断崖絶壁だ。遥か真下に岡山の街並みが見え、15mそこらのコースターであることを忘れさせてくれる。

巻き上げ
景色は綺麗だけど安心感は無い

 あまあ遅めの巻き上げを終えると、ファーストドロップ。チューピーコースターで一番スリルがあるポイントだ。レールの周囲は木が生い茂っており、枝に接触しそうで怖い。また、旧式のチャンネルレールを採用しているからか、ケツに信じられない振動が来る。全身がシェイクされる。こんな度が過ぎたSHAKEじゃSMAPもブギーな胸騒ぎになりそうもないし、チョーベリベリ最高とは歌いそうもない。

森の中へドロップ!!
脱線しそうな振動に恐怖
無事生還

 ァーストドロップを終えると急上昇し、例の観覧車エリアへと突入する。外観は緩やかな右コーナーなのだが、まあ痛い。乗り心地がイイとは口が裂けても言えないような振動だ。まだラップバーだから許せる感がある。痛いけど。

例のレイアウト改修エリアへ
若干歪なレールをしているが…
観覧車を横目に

 覧車エリアに轟音を響かせながら走行すると、旧レイアウトのオーバルコースに戻ってくる。以前からレールが交差するポイントにタイヤプッシャーが設置されていることが謎だったのだが、レイアウト改造があったと知ると必然的に納得がいく。単純に走行距離が伸びたことによるスピード不足を補うための応急措置的側面があるのだろう。

タイヤプッシャーくん
2か所プッシャーが設置してあるのが分かる

 ッシャーに押し出されると、セカンドドロップとキャメルバックが待ち受ける。セカンドドロップ突入時には、後方車両に乗ると少し引き込まれ感アリ。また、右を見ると瀬戸内海と瀬戸大橋の絶景が見えてくる。チューピーコースターが某バラエティ番組で紹介された際に日本一の絶景と称されただけあって、日本三景に負けずとも劣らない景色を数秒間見ることが出来る。

セカンドドロップ
遥か彼方には瀬戸大橋が!うひょ~~~~

 カンドの勢いそのままにキャメルバックに入っていくのだが、残念ながら浮きは無い。外から見てもあまりキャメル頂点での角度変化が少ないように見えるので、まあ仕方なし。ただ、旧レイアウトだとファースト⇒セカンド⇒キャメルの流れが間髪入れずにやってくるので、キャメル通過時のスピード感はもっとあったのではないかと思う。浮いたんじゃないかなぁ…

キャメルへGO!
浮かないキャメルバック

 後は崖から大きくせり出したコーナーを回ってゴール。スカイサイクルよりも遥か上空を旋回するので、このポイントも絶景だ。位置エネルギーもだいぶ使い果たしたのか、かなりゆったりとしたスピードで走行するため、余裕をもって景色を堪能可能。夜間営業の時なんかは堪らなく綺麗なんだろうなと、想像が付く。ココは何としても女の子と一緒にキャッキャウフフしながら乗りたい。何としてもだ。

最終コーナー ちょっとした展望台感覚
お疲れさまでした

 礼ながら、いつ壊れてもおかしくない揺れ方と轟音を立てて走行するので、別の意味でのスリルがあった。まあ、体の浮きや遠心力による振り回され感など、一般的なコースターに求められる面白さはそんなに無いのだが、断崖絶壁を走り抜ける視覚的スリルや、瀬戸内海を一望できる絶景など、他の有象無象には無いユニークなアドバンテージで勝負するコースターであることは間違いない。


画像引用
[1] 出典:国土地理院撮影の空中写真(1975年撮影 CKK7412-C35-4)
[2] 出典:国土地理院撮影の空中写真(2007年撮影 CCG20071-C39-26)


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