見出し画像

TORATANU THE GREAT PARTY 2022 データから学ぶ話1/3 ~勝利の前提~

 今年のTORATANUリニューアルを支えてくれた仲間である せんと氏が興味深いコラムを書いてくれました。今回から数回に渡る連載となります。トラタヌのヘビーユーザー、初心者の方、大会参加プレイヤー皆さんに楽しんでいただけたらと思います。

Yuki Kurosawa



2022.10.10  TORATANU THE GREAT PARTY 2022が開催された。
2022年最後の3連休のド真ん中という大胆な日取りにも関わらず、18人のエントリーで会場は賑わいを見せた。
過去イベント優勝者が全員出場し、18人中15名が予選で勝ち点を獲得した超ハイレベルの今大会は、試作段階からトラタヌを見守り続けた最古参のD氏が予選1位通過そのままの勢いで優勝という形で幕を閉じた。初参加のY氏、S氏が決勝進出をはじめ、群レ効果1つで順位が変動してしまう5夜目が続出する等、様々な白熱する光景が生まれたトラタヌは今後も広がりを見せてくれるであろう。

さて、前置きはここまでとして。
大会中のデータを基に、“勝つために”を主軸に置いたコラムを全3回に渡って発信する。
トラタヌが気軽に楽しく遊べるコンテンツであることは周知の事実ではあるが、競技性の観点で捉えても楽しめる点も当記事を通じて着目してもらいたい。

第1回は“1位・2位を取る”という観点を主軸に解析する。

「ここまでしないと勝てない」

予選全3試合、5卓各4名、1試合5夜のレギュレーションで行われた今大会。
1位平均得点は467.1点 1夜平均93.42点
2位平均得点は402.1点 1夜平均80.43点
という数値であった。
トラタヌプレイヤーなら毎夜93点を取る難しさは説明せずともわかるだろう。
とはいえ、数値で出た事実。大会で勝ち点を取るにはこれくらいには上振れないといけないようだ。


上振れ、下支え

上振れを期待したとて、そう上手くはいかない。
1位プレイヤーの100点超えの夜は2.23
2位プレイヤーの100点超えの夜は1.35
であることから、5夜中3夜は「上手くいった」とは言い難い夜を過ごしているようだ。
とはいえ、
1位プレイヤーの100点以下の夜平均得点は62.11
2位プレイヤーの100点以下の夜平均得点は64.16
であることから、強いプレイヤーは「上手くいかなかった」夜であっても60点前後の得点で耐え忍んでいることが判明した。
当人にとっては上手くいかなかったかもしれないが、60点前後取れていれば悔しがることは恐らくないだろう。
上手くいかないときに、下手を打たない。
落ち着いて確実な点数を取りこぼさないことが重要なのかもしれない。


遠回りが勝利への近道

高得点を取るためには?
真っ先に思い浮かぶのはトラ、次点にドウブツエン、次点にスペシャルあたりかと思う。
一撃で100点に手が届く可能性があり、現実的に成立しやすい順はこれで異論ない。
しかし興味深いデータが現れた。
予選300回の得点計算の内、100点越えは62回発生した。
その中で最もおおく要因として絡んだものは、【群レが2セット以上】の20回であった。
次点は【ドウブツエンもしくはスペシャル絡み】13回、同じ回数で【ツイカによる大量加点】がそこに並ぶ。
【トラ】に至っては8回に留まっていた。

【群レが2セット以上】【ツイカによる大量加点】は性質上、2列もしくは全ての列で構築する必要がある。高得点達成の為に必要とするカード枚数が多く、達成難度は高い。
それに比べて、【ドウブツエンもしくはスペシャル絡み】【トラ】は1列をセットにする事で達成可能で、残りの2列6枚は幅が利く。終盤で色セットに鞍替えするプランBも遂行しやすく、柔軟性もある。
なのにいったいどうして…?


これは、恐らくタヌキの存在が大きい。
「トラやドウブツエンを揃えてもタヌキで交換されたらどうしよう…」
という気持ちが、リスク回避の為に得点を散らした状態の方が強気にチャレンジしやすい状態を作り上げ、チャレンジ回数の分だけ成功回数が多くなっているのだと筆者は考える。

データで判断することができない“不安”が、結果(データ)を動かしているようだ。

少なくとも今大会では、勝つために必要なのは最短ではなく遠回りしてゴールに目指すことだった。


FIN



トラタヌ公式HP
http://toratanu.net

トラタヌ SHOP
https://yukikurosawa.base.shop

いつもサポートありがとうございます。 面白いものを作ったり、長く履ける靴下を買ったりするのに使わせていただきます。