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おばあちゃんの愛する人はサハリンで亡くなった。

おばあちゃんが愛し続けているキヨジさんはサハリンで憲兵だったから、シベリア抑留のドキュメンタリーを観てる。


愛してる人が抑留されて亡骸も無いなんて悲し過ぎる。


敗戦後にロシアが攻めてくると聞いて、荷造りもそこそこに、憲兵のキヨジさんはサハリンに残る形で、妊婦のおばあちゃんと赤ちゃん1人で日本に引き上げたんだって。


キヨジさんもおばあちゃんも泣きながら、敬礼して別れたのが最後だったんだって。


サハリンから日本に引き上げてからは、赤ちゃんとお腹の子を守って頑張って生きたんだって。


冬、居候先の親戚宅では赤ちゃんのオムツを乾かす為の暖もとれずに、濡れて冷たいオムツをさせてたって。


住み込みのお寿司屋さんではお寿司屋さん家族が白米を食べている中、おばあちゃん達は毎日酢飯を食べていたって。


男の人に怖い目にも合ったって。


キヨジさんが帰ってくる事を夢見て頑張って生きたけれど、結局亡骸も無く亡くなったという知らせを受けて、心の何処かが壊れちゃっても仕方ないって思う。


幾年も過ぎて、シベリア抑留のドラマやドキュメンタリーや書籍で内状を知ったって、知らない方が良かった苦しい内容で、
あの涙しながら別れた日から、愛するキヨジさんは理不尽と苦しみの中で亡くなった事が明らかになる辛さに襲われるだけで、心を何処かに飛ばしたり閉ざしたりする事で身を守らないと子供を育てて生き続ける事が出来なかったのかもしれないから。

皆可哀想。

🙏✨