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イエス・キリスト、盗賊?

米バイデン大統領、ワクチンの特許を放棄させたがっているそうで…

ちょうどタイムリーな小品です、お暇潰しに。

これは、ケヴィン・カーソン氏の「Jesus Christ, Pirate」の私訳文です。
意訳も有り、正確性の一切に責任は持てません。原文はこちら
原文の著作権は放棄されています。
そして、本記事の一切について、カーソン氏に倣って著作権を放棄します。
最下部にライセンス表記があります、ご自由に盗窃してください

イエズス・キリスト、盗賊?
ケヴィン・カーソン

ナザレのイエズス・キリスト氏が、僅か五枚のパンと二匹の魚をもって五千人を養ったという伝説的事件(註1)に端を発し、彼に対し業界団体がミラクル・ミレニアム複製禁止法(註2)の下、その違法な食糧共有行動に対する公式の法的警告を発したことは、広く報じられている。

この如何にも奇跡的なラビであるキリスト氏の行為、及びその財産権に対する侵害の疑いは、最近何年もの間、激しい議論の的となっており、特にガリラヤ及びユダヤの食品生産者協会(FPAGJ)からは、彼らに焦点を当てた大々的なメディアキャンペーンが行われている。パンや魚の生産者たちは、許可なく食品を複製する行為が、彼らの正当な収益を奪うことに他ならないと激怒しており、これを盗みに等しいと断じている。パレスチナ全土のシナゴーグにおいては、この問題に同情的なラビたちがFPAGJの公共広告を読み上げ、広まる「誰もがやっている」「ちょっとしたことだ」という見解に対して、「パン屋や漁師たちもその報酬を得るに値しないのか?」と反論している。その結果、多くの律法学校がこの「食料窃盗防止」の教育プログラムを取り入れている。

さらに、ガリラヤのカナでの婚宴においてワインを不法に複製したとされるイエズスの行為に対して、パレスチナワイン産業協会が激しい抗議を行っていることが報じられている(註3)。

また、医療行為についても無免許であるにも関わらず広範囲にわたる患者に医療を施したという証言がある(註4)。医療業界はこれを不公正競争と強く非難しており、ガリラヤ医師会の代表者は「診療所運営に伴う諸経費を負担する免許医と、ただ手を振るだけで治療する大工とを公平に競わせることはできない」と訴えている。

遺体整復師組合も、死者の復活の噂に対して苦情を提出しているが、この行為を犯罪と定義する具体的な法律は存在しない。

しかし、味覚財産権を巡る議論は尽きることがなく、新たに複製された食品が無から生み出されるため他者の食料が減少するわけではない

と主張する小規模だが成長している運動が存在する。ガリラヤの漁師であるシモン・バルヨナとその弟アンデレは「水産業は競争を抑制するのではなく、ビジネスモデルを革新すべきだ」と述べている。彼等は、イエズスによる食糧共有から金銭的な損失はなかったと断言している。

しかしながら、当局はこれを認めることなく、ユダヤ属州の総督ポンティオ・ピラトはイエズスのような味覚財産の窃盗者への取り締まりを予告している。「このイエズスという男の問題で私が手を洗うつもり(註5)だと考えているなら、それは大間違いだ。パン、魚、ワインの複製は、デパートでの窃盗と全く同じ、これは重大な問題だ」と彼は強調している。

次回は、ヨハネス・グーテンベルク、無許可の書籍複製者について。

註1:マタイ聖福音書・14章13節から21節
註2:アメリカの悪法・デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の捩り
註3:ヨハネ聖福音書・2章1節から11節
註4:多すぎますので、Wikipediaの「イエスの奇跡」1章3節を参照願います
註5:マタイ聖福音書・27章24節:ポンティオ・ピラトがイエスの運命に関して責任を放棄することを拒否している様子

Jesus Christ, Pirate? Translation: 2021, Year of original publication: 2011 by Originally written by Kevin Carson and translated by Kuroyuki, is marked with CC0 1.0. To view a copy of this license, visit http://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0

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