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『アンダーカレント』読書感想文

こんばんは、水瀬綾乃です。
久しぶりの読書感想文。しかも漫画ですが、実写映画が今月6日から全国公開されるというので気になって読んでみました。

トップ画像で帯が見切れたので
もう一度。

映画は観に行かないと思うけれど、映画音楽は細野晴臣さんなんですね。そこだけは気になります。

豊田徹也さんは初読みでしたが、どこか谷口ジローさんと雰囲気が似ていますね。

読む前から色んな前情報が入って来て、まっさらなまま読んだわけではなかったけど、「失踪」って置いていかれる方は、たまらない。

出ていく方は気持ちをリセットできるのかもしれないけど、残された方は持って行き場のない気持ちを抱えたまま日常が続いていくのだから。

失踪したかなの旦那は、読んでいくうちに、いい人風に思い描いていたが、ある場面から嫌悪感しか感じなくなった。本当に嫌な男だと思った。

作中で探偵の山崎が、かなとの会話で問う、「人をわかるってどういうことですか?」という台詞に読んでいてハッとさせられる。

私なんか自分のことさえ満足に理解することなどできていないのに、他人のことを一体どれだけ理解できるというのだろう?理解したと言っても所詮、自分の頭の中で考えたことだけの話だ。
だから『人をわかる』なんて、ある意味おこがましい話なのだ。

銭湯で働いている堀もまた、これから先どうするのだろう?

ラストは色んな余韻を残し終わっているけど、堀が乗ると決めていたバスを見送ったところに、これからも変わらぬ日常が続いていくのでは?と希望の光が差していると感じるのも勝手な憶測だろうか?

明るい話ではないのに静かに坦々と過ぎていく時間をどこか心地よく思えた読後感でした。






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