見出し画像

短歌  本の旅

   海渡る蝶あるという頁伏す 
       海行き電車の時刻表繰る

   挟まれた栞の先を急いでる
       遠き涯へと呑み込まれゆく


 楽しみにしている催しがあります。4月23日の 本の日に開かれれるブックマルシェ。
 この日は新刊本のテントで詩集を探すことから始めます。未知の詩と出会うために。
 古書コーナーで思いがけない本に出合えると ワクワクして珈琲片手に座り込みます。喫茶コーナーは大体外なので雨は大敵。
 「モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語」(内田洋子)は お気に入りです。本にまつわる本もよくチョイスします。前に買いそこねたイギリスの本の町ヘイ・オン・ワイの特集本は 未だに心残り。高価で、それを買うと他のをあきらめなくてはならず、涙をのんだのですが。
 海外ミステリーも外せません。ヘニング・マンケルの 刑事ヴァランダーシリーズの わが町の図書館に無い欠落本を見つけ 一人で悦に入りました。いずれは寄付することになるでしょう。
 本は重いのでリュックは必携。バスと電車を乗り継いで 更に歩いての往復です。本を担いで山を走り一人一人に手渡しするように本を届けたモンテレッジォの行商人の気持ちを想像しながら帰途に着きます。心は ほかほかです。
 私の本棚は好きな世界へのどこでもドアです。
いま、トビラの向こうは1660年のロンドンブリッジの上の書店 (「謎の蔵書票」ロス・キング)
時間がありません。返却期限が迫っています。

    
       

この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?