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短歌  落花

   父が子に花降る中を詫びし日の
       遠くも近き今日の花降る

   親は子に詫びたきことの二つ三つ
       思い当たりし花降れば尚


 これが最期の桜かもと 互いに思っていたかもしれません。父の最晩年、桜降る中車椅子を押す私に 何事かを謝るのです。その頃はもう 父の時系列は混沌としていました。
 桜降る頃は その日のことを思い出します。
    

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