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顔を上げて微笑んで




片方を幹に当てて
音楽を聴いているあなたを見ていると
嬉しくなる
あなたもその曲が
お気に入りなんだねって思うから


夏になると
帽子をクローゼットから出してくれる
あなたを見ていると
楽しくなる
あなたもその帽子で
夏を過ごすんだねって思うから


毎朝
珈琲を淹れている
あなたを見ているのが好きだよ
だって
美味しそうに飲んでくれているんだもん


どれも
私のお気に入りだったけど
今はあなたのお気に入り


だから

音楽が
帽子が
珈琲が

私をあなたの元へと
いざなってくれる

 
メロディになって
夏の風に乗って
淹れたての珈琲の香りになって

ほら
すべてが私だよ

そばにいるよ
それらと共に


ねぇ

私を感じたら
空を見上げて微笑んで


空の上の私より ー
木の下で伏し目がちな あなたへ




【400字のお手紙募集】新マスク文庫
「拝啓」七田苗子×ジユンペイ

はじめまして。

七田苗子さんの拝啓と
ジュンペイさんの夏風を
読んで、聴かせていただいて、
ぜひ、参加させていただきたいと思いました。


よろしくお願い致します。



くろしお

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