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あいくるしい。

乱高下する感情が苦しくて、今日、あたしはあなたを眠らせた。

あなたはとても優しくて、初めてあたしを不安にさせない人だった。
だけど、それでもやっぱりダメだった。
いつもとほんの少し違う様子に、呼吸ができなくなって、激しいめまいがした。
そして世界はブラックアウトした。

ああこれだ。
だからあたしはいつからか、誰かを求める事をやめたんだ。
苦しくて悲しくて怖くて不安で、一切の自分を制御できなくなる。
それでもあたしは、あなたを求めてしまった。

いつでもあたしの側に居てほしい。
あたし以外の人間を見ないでほしい。
あたし以外の事に興味を持たないでほしい。
あなたの時間、あなたの心、あなたの愛、
すべてあたしに頂戴。
あたしには、あなただけしかいないのだから。


だけど、遂にあたしも気がついてしまった。
いつか、もしかしたら、は、永遠に訪れない。
あたしと同じだけの狂気で、あたしを愛してくれるひとなんて、この世には存在しない。

だからあたしはあなたを眠らせた。
今日、最愛のあなたを眠らせた。
そうしてあなたを大切に切り取って、これでもう、終わりにしよう。

あたしの狂気も、あなたの命も。

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