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星杯研究者のソリティアの作り方

こんにちは、黒澤社長です。
私は現在星杯で様々な展開をして面白い、または非常に強固な盤面を作るいわゆる「ソリティア」を主に研究しています。
そしてそれらを発表する過程でこういった声を耳にすることがあります。

「ソリティアは難しい、理解できない」
「私にはできない」

私はそういった方にもソリティアをより楽しんで欲しいと思っています。
というわけで、今回は私がソリティアを普段どう作っているのかについてお話していこうと思います。

あくまで一個人の考えなので他の方とは異なった意見・考えの場合がありますのでその点はご了承ください。

ソリティアを作る上での前提

私がソリティアを作る上でまず考えることは、
「ソリティアの果てに何をしたいのか」
です。

では「何をしたいのか」というのはどういうことか。
それは簡単に言ってしまえばどんな最終盤面を描いているか、です。

例えばハリラドンだったらバロネスサベージ超雷龍に九支…だったり、私の以前作成した傷痕ハンデスだったら「傷痕の③の効果を発動すること」なので傷痕を発動した上でフィールド・墓地にジャックナイツを8種類以上揃えることです。

ソリティアを作る場合、「大量の妨害を並べて制圧したい」か、「ロマンカードを使いたい」の2種類がほとんどになってくると思います。

なのでまずは制圧モンスターを調べるもよし、ロマンカードを調べるもよしで「何をしたいのか」を明確にするといいと思います。

必要なカードの洗い出し

やりたいことが決まったら、次にやるべきはその盤面に到達するために必要なカードを洗い出すことです。

今回は傷痕ハンデスを例に話していきましょう。
傷痕ハンデスが分からない方はこの記事を読んでからこの先を読んでください。

では、まず傷痕ハンデスの条件から振り返ってみましょう。
傷痕ハンデスに必要なのは「ジャックナイツモンスター8種類」です。

ここで気を付けたいのは2点で、「機界騎士」ではなく「ジャックナイツ」であること、そして「8体」ではなく「8種類」であることです。
機界騎士は特殊なテーマであり、明星の機械騎士(みょうじょうのじゃっくないつ)など「機界騎士」ではないが「ジャックナイツ」ではあるモンスターが複数存在します。

そこに気をつけながらジャックナイツモンスターを数えてみると、EXデッキに3種類、メインデッキに9種類となります。
EX3種類はジャックナイツを含むモンスター2体で出せる明星、ジャックナイツモンスター2体以上で出せる星痕の機界騎士、EXデッキから特殊召喚されたモンスター2体以上で出せる双穹の騎士アストラムの3種類であり、ジャックナイツを絡めて展開するならばどれも出すのは難しくないため3種類とも採用します。

そうすると残り5種類はメインデッキから出すことになります。
ではメインデッキを見ていくと大きく3種類に分けることが出来ます。

まず1つは唯一の通常モンスターである機界騎士アヴラムです。
アヴラムは通常モンスターかつ守備力が0のため、星杯でよく使うおもちゃ箱に対応しているため、アヴラムも採用しましょう。

次に宵闇の騎士ギルスです。
ギルスはメインデッキに入るジャックナイツでは唯一機界騎士名称を持たず、光属性サイキック族でもないモンスターです。
ただギルスは闇属性であり、闇属性を墓地に送れる終末の騎士がいるので用意するのは簡単です。採用としましょう。

そしてここからが問題であり、残っているのは光属性サイキック族で統一された上級モンスター群である機界騎士7種類です。
これらは緊急テレポートにも対応しておらず、サポートカードも豊富とは言い難いためライトロード・ドミニオン キュリオスなどのいわゆる「汎用墓地肥やしカード」で落とす必要があります。

幸い星痕の機界騎士が同じ縦列のカードを墓地に送ることで機界騎士モンスターをデッキから特殊召喚出来るので、これでメインEXともに3種類ずつ採用となるので落とす必要があるのは2種類です。

しかしここからが難題であり、有名ななんでも墓地に送れるカードであるキュリオスと永遠の淑女ベアトリーチェの両立は非常に困難です。
特にベアトリーチェは出すのが難しく、レベル6モンスターを2体並べようとするとおもちゃ箱かイゾルデを使うのが早いのですが、おもちゃ箱はアヴラムで使い、イゾルデは終末の騎士で使うのでベアトリーチェは立てられないものとして考えます。

ではどうするのか。別の手段を考えるまでです。
ここで私はしばらく詰まり、一時は作成出来ないのではとすら思いました。

しかし、ここでとあるモンスターの存在を思い出しました。
シューティングライザードラゴンです。

このモンスターはおろかな埋葬とほぼ同じ効果を持っており、デメリットとしてそのモンスター及びその同名モンスターの効果を使えなくなりますが、今回の用途はあくまで傷痕のコストであるため、全く問題なかったのです。

ではどう出すかですが、これは亡龍の戦慄-デストルドーがいました。
このモンスターは終末の騎士で墓地に送れる闇属性であり、場のモンスターを対象にしそのモンスターと合わせてレベルが7になるように自身のレベルを調節して特殊召喚することが出来るため、デストルドーさえ落とせればレベル7Sモンスターであるライザーを出すことは容易でした。

デストルドー、ギルス両方を墓地に送る必要があるためレベル4モンスター2体で出せて大きなデメリットもないXモンスターのNo.64刻不知のデュガレスを採用することでこの問題もクリアしました。

最後に一番大事な、傷痕を持ってくる手段です。
これは星鍵士リイヴが適しているでしょう。
墓地に星遺物カードがあればリンク召喚でき、墓地に星遺物モンスターがいないと発動出来ませんがデッキから星遺物魔法罠をセットできる素材縛りのないリンク2モンスターです。

これによって必要なパーツは出揃いました。
EXデッキにジャックナイツモンスター3種類、キュリオス、デュガレス、イゾルデ、ライザー、リイヴ。
メインデッキにアヴラム、ギルス、終末の騎士、デストルドー、機界騎士モンスター2種類、装備魔法4種類(イゾルデで終末の騎士を特殊召喚するためのコストです)、傷痕、おもちゃ箱です。

パーツをどう繋げていくのか

まずはどのようにパーツが繋がっていくのかを見ていこう

ここからは洗い出したパーツを繋ぎ、展開を作っていきます。
引き続き傷痕ハンデスを例に話していきますが、ここからは星杯に関する知識を要する箇所があるため、以下の記事を見ながら読み進めてください。

では、進めていきます。

まず、今回は必要なパーツが多いため、星杯の中で最も展開力のある初動であるオフリス初動を使います。
オフリス初動を使った場合おもちゃ箱を使うことが出来るので、これでまずアヴラムを組み込むことが出来ます。
またアヴラム+何かモンスターで明星をリンク召喚出来るので明星も組み込めるようになりました。

次にここから何が展開出来るかですが、クロシープとセラフィが地属性かつ種族が異なっているため、その2体とも種族が異なる地属性モンスターをおもちゃ箱で出せればキュリオスに繋げることが出来ます。

クロシープ+セラフィ+おもちゃ箱で出した通常モンスターの3体でキュリオスを出すためリンク値がもったいないと思うかもしれませんが、今回の目的は「リンク値を保ちながら展開すること」ではなく「傷痕のハンデス効果を発動すること」なので気にせずリンクしていきましょう。キュリオスを出せたら次に何に繋げれるかを考えます。

ここでキュリオスが戦士族であることに注目しましょう。
キュリオスが戦士族なためもう1体戦士族モンスターを用意出来ればイゾルデに繋げることが出来ます。
幸い星杯の墓地へ送られた時の効果を使えば戦士族である誘われし者をデッキから特殊召喚することが出来ます。

ここはアヴラムも合わせて明星をリンク召喚し、誘われし者をデッキから出していきましょう。
また星杯は2体デッキからモンスターを特殊召喚出来るため、もう1体を何にするかを考えます。
ここで何を出すかはその後の展開で変えることはありますが、基本的には墓地効果で通常モンスターを蘇生でき1体で2体分の働きをしてくれる守護竜を出すことが多いです。一旦守護竜を出すこととし、展開に行き詰ったら変えましょう。

そうしたら誘われし者とキュリオスでイゾルデをリンク召喚し、終末の騎士をデッキから特殊召喚します。
終末の騎士の役割はデストルドーとギルスの2体を墓地へ送ることですが、ギルスは墓地にいることに意味のあるモンスター、デストルドーは墓地で効果を使いますがそのタイミングは任意であるため順番はどちらでも問題ないことがわかるでしょうか。

そうしたらどちらかを墓地へ送り、次に何をするかを考えます。
今フィールドにいるのは守護竜、イゾルデ、終末の騎士、明星の4体です。
ここで考えるのは、守護竜をどのように墓地に送るかですが、星鍵士リイヴを挟む必要があるのでリイヴを出していきます。
ただ終末の騎士はこの先デュガレスを出すのに使いたいため使えず、明星は星痕を出すのに使いたいので同じく使えません。
そこでイゾルデと合わせて出すことで解決することが出来ます。
リイヴを出したら忘れずにリイヴの効果で傷痕をセットしておきます。

次に守護竜の墓地効果でリイヴのリンク先に墓地のアヴラムを蘇生し、終末の騎士と合わせてデュガレスをX召喚します。
デュガレスの効果で終末の騎士を素材から外して蘇生し、終末の騎士で墓地へ送りたいもう1体を墓地へ送ります。
そしてデストルドーの効果で終末の騎士を対象にし自己蘇生して、終末の騎士とデストルドーでシューティングライザーをS召喚していく動きになります。

ここからさらにジャックナイツモンスターを出すのであれば考えなければいけないのは星痕をどう出すのか、です。
幸い明星が場にいるのでもう1体ジャックナイツモンスターを出せればリンク召喚可能ですが、墓地のジャックナイツを蘇生する手段がないため、必然的にアストラムを出して明星とリンク召喚するルートとなります。

アストラムの召喚条件はEXデッキから特殊召喚されたモンスター2体以上のためリイヴ、シューティングライザー、デュガレスの3体で出すことが出来ます。

そしてアストラムと明星で星痕を出していくわけですが、ここで気をつけないといけないのが、星痕の機界騎士モンスターをデッキから特殊召喚する効果を使えるようにしなければいけないことです。
しかしここまで展開しきると展開力を使い果たしてしまっているため、モンスターは残っていません。

では、どうすればいいのか。
星痕の効果をよく読んでみましょう。
なんと、星痕で機界騎士モンスターを特殊召喚するために墓地に送るカードの種類には、制限がないのです。
さらに、今回オフリス初動を使っているため、永続魔法であるブリリアント・フュージョンが場に残っているのです。

なので始めまで戻り、
「ブリリアント・フュージョンをEXモンスターゾーンの真下に発動すること」
と展開に付け加えるのです。
そうすることで星痕をブリリアント・フュージョンの真上に出すことによって、ついにジャックナイツモンスターを8種類揃えられました。

ここまでしてようやく、と言ったところですがこのままでは「ただハンデスするだけ」
になってしまいます。
そして、場にはリンク3効果モンスターと効果モンスター。
更に傷痕の効果で除外するジャックナイツは墓地でも問題ありません。
そこで、ハンデスして帰ってくるターンで相手のLPを削りきれるよう、アクセスコード・トーカーを最後に添えましょう。

これで、傷痕ハンデスの展開を作り終えることが出来ました。
ただこれでは傷痕ハンデスの展開が出来ていくのを眺めているだけなので、ここからは具体的に「どうやってパーツを組み合わせていったらいいのか」についてお話していきます。

実際にパーツを繋げるにはどうすればいいのか〜初動〜

では、パーツの組み合わせ方を話していきます。
あくまでこれは私なりの繋げ方であり、別の繋げ方をする方は沢山いらっしゃるので、一意見として参考にしてください。

まずは、初動を決めていきましょう。
どういうことかというと、傷痕ハンデスの例で行くと「オフリス初動で展開していこう」と決めた段階のことですね。
傷痕ハンデスでは「星杯を使ってソリティアをする」というのがまず主目的にあったためそうなりましたが、一般的によく展開の初動として使われるのはイゾルデです。

イゾルデを出し、終末の騎士でサモンプリーストを墓地へ送り、ここにもう1モンスターを加えることで神聖魔皇后セレーネに繋げてサモンプリーストを蘇生して…と動いていったり、ジャンク・スピーダーでチューナーを大量に並べて連続シンクロしたり、アウローラドンで幻獣機トークンを並べてブンボーグ001やオライオンからシンクロ・エクシーズしていったり…

1万種以上のカードがある現代遊戯王では、様々な手段で様々な展開を進めていくことが出来ます。
その中でも例えばアウローラドンを使った場合それ以降リンク召喚が出来なくなったり、ジャンク・スピーダーであればシンクロ召喚しか出来なくなったりなど、何かしら縛りがつくことが多いです。

それに対しイゾルデからセレーネサモンプリーストに繋げる動きにはなんの制限もなく、サモンプリーストから様々なモンスターにアクセス出来るため、展開の幅が非常に広がる初動です。

今回使ったオフリス初動の星杯も縛りが付かない初動の1つであり、モンスターを並べるのが得意なため主にリンク召喚を多用する展開に向いていると言えます。

初動にはそれぞれに「○○に特化している」や「○○が得意だが他の召喚方法も扱える」「1枚初動がたくさんある」など様々な特徴があります。
作りたい最終盤面を見極め、必要パーツを洗い出し、どの初動がその展開に向いているのかを知り初動を選ぶところから始めてみましょう。

「どんな初動があるかなんて分からない」という方は、YouTubeで検索をかけてみると色んな人が色んな展開方法や初動を紹介しているので、自分に合った初動を見つけてみてください。

実際にパーツを繋げるにはどうすればいいのか〜展開作成〜

初動が決まったら、次はどうやってパーツを繋げていくかです。

基本的にどんな初動でも「すぐやれること」「すぐはやれないが可能なもの」「全力を尽くせば可能なもの」「不可能なもの」があります。
そのため、パーツを繋げるならまずは「すぐやれること」の範囲にパーツを出す手段がないかを探してみましょう。

傷痕ハンデスの例に戻りますが、オフリス初動で動いた時クロシープ、セラフィ、星杯、そしておもちゃ箱で出した通常モンスターとアヴラムがいることろから始まりました。
ここからすぐ繋げられるパーツとして、アヴラムがいるため明星はすぐに出すことが出来るのに気付きます。
そして注意深く観察すると、地属性が複数体並んでいることに気付き、キュリオスも出せる、と言った具合に「すぐやれること」の範囲に何があるのかをリストアップしていきます。

リストアップが出来たら、実際にどれかをやってみます。
もしやってみた先で更に「すぐやれること」が見つかったならばよし、見つからなかったら一度戻って別のことをやってみてその先があるかどうかを確認していきます。

展開を作っていくのは、この作業の繰り返しです。
なにか今すぐやれることはないか、やれたなら次に進んだ時やれることはまだあるか、繋げる必要のあるパーツはあと何が残っているのか。

人によっては、この作業が苦手と感じる方もいらっしゃると思います。
そういう方は無理をせず、自分の作ってて楽しいデッキを作るべきだと私は思います。
展開を作るのは非常に頭を使いますし、「こういうことがしたい、であればこういう効果のカードが必要だな」とやりたいこととカードを結び付け、自分の知識の中にないなら調べるといった行為が必要になってきます。

人間向き不向きがあるものですし、無理に勧めようとはしません。
が、ソリティアが苦手な理由が「ただ作り方を知らなかっただけ」だったらそれはもったいないことだと思います。
なので、1人でも多くのソリティアが苦手な方にこの記事を読んでいただき、その中に少しでもソリティアに魅力を感じてくれる方がいれば、私は非常に嬉しいです。

話が逸れてしまいましたが簡潔にまとめると、

  1. 今ある盤面からすぐに手が届く範囲で何が出来るか、どのパーツなら繋げられるかを探し、試してみる

  2. 上手く行けば更に何を繋げられるか探し、ダメだったら戻って別の繋げられるものを繋げてみる

この繰り返しです。
やっていること自体は難しいことではなく、できることをしらみつぶしに試していくだけ、とも言えますね。

もしどんなに考えても上手くいかなかった場合、もしかしたら使った初動の展開力に限界があったり、向いてないタイプの展開をしてしまっていたかもしれません。
初動を考え直し、また1から考えていってみましょう。

まとめ

ここまでの流れをまとめて、何をすればソリティアを作れるのかを振り返っていきましょう。

  1. ソリティアの末に何をしたいのかを決める

  2. その最終盤面のためにどんなパーツがあればいいのか、必要なものを洗い出す

  3. どんな初動で展開を始めるかを決める

  4. その初動からすぐに出来ることは何なのか、すぐ繋げられるパーツは何があるのかをリストアップする

  5. リストアップされたものをしらみつぶしに試し、上手くいったらそこから何が出来るか、何を繋げられるかをさらに探す。ダメだと感じたら戻って別の何かをしたり別の何かを繋げてみる

  6. もし何をやってもダメだと感じたら初動から見直してみる

  7. 最終的に目指していたものに辿り着けたら完成

となります。
こうして見てみると、どうでしょうか。
ここまで長々と説明してきましたが、簡単に見えてくるのではないでしょうか。
もしこれを見て出来そうと思ったらチャレンジしてみてください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
ここでも言っておきますがあくまでここまで紹介してきたのは私のやり方であり、我流なので合わなかったり他の方と全く違うやり方をしていたりするかもしれません。

ただ、この記事が1人でも多くのソリティアが苦手な人の参考になればと願います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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