ロサンゼルスに逃げてみた。
仕事でロサンゼルスへ行きました。
(学部柄?)英論文を読むことは多くても、海外へ行くことにはそこまで興味はありませんでした。しかし友人から「失敗したら1度遠くに行け」という教えをいただき、有難いことに会社からお誘いされていたロサンゼルスでのお仕事に1週間ほど挑戦させていただきました。
渡米中自身の仕事を請け負ってくださった皆様、ありがとうございました。お土産ですが、品切れしてしまいました。物価高すぎてそんなに量買えなかったので土産話を贈呈します。
Santa Monica
In-N-Out Burger
Apple Store
Repezen Foxx (!?)
・・・
Skid Row / 本編
過去アメリカの大学で客員研究員をしていたゼミの教授に、「ロサンゼルスに行くんですが、何を見るべきですか」とお伺いしたところ「スキッド・ロウへ行くといい」と教えていただきました。
全米有数の膨大なホームレス人口を抱える地区、スキッド・ロウ。ロサンゼルスと言えば「ララランド」をはじめとしたアメリカンドリーム、ハリウッドの華やかな街並みなどを想像しますが、そんな場所の目と鼻の先にある異様な雰囲気を放つ街。それがスキッド・ロウです(もちろん教授はめちゃくちゃ危険な場所だから、気をつけて行くんだよと教えてくれました)。
家なき若者がいる国
スキッドロウに着いてすぐ、異変に気がつきました。そこにいたホームレスと、私が日本で見たことがあるホームレスとでは決定的な違いがあったのです。
それは、年老いたホームレスの中に若者がいたということ。私と同い年かもしくはそれ以上に若い青年2人が、道に座り込んで笑い合っていました。
あとから現地のガイドさんにお伺いした話ですが、アメリカの大学には家なき学生がいるそうです。日本では大学生の奨学金問題が話題になっていますが、それを越える深刻な事情がこの地にはありました。薬物、レイプ、殺人…彼らはどんな気持ちで日々を過ごし、どんな想いで大学に通っているのか。私に想像することはできませんでした。私が唯一理解できたことは、友人が教えてくれた「失敗したら遠くへ行け」と言う言葉の真意でした。私は私が解決したいと思っていた社会課題を、至近距離から注視し過ぎていたのです。
この旅(?)の最後に私は素敵な出会いをしました。仕事でロサンゼルスに行ったと説明しましたが、私と全く同業種の仕事をしている学生アルバイターさんとお話をする機会をいただきました。
オーウェンという青年はかつて DeVry university という理系の大学で、ゲーム機器の商品開発者を目指して研究を行っていました。私と同業の小売で経験を積んでいる理由を「まずは、商品がお客様の手に渡るところで学びたかった」と説明してくれました。感動で胸がいっぱいになりました。
オーウェンは2年前、大学を中退しました。アルバイトで生計を立てることができなくなったからだと彼は話します。理系大学に通いながら奨学金と生活費を稼ぐことはそう簡単なことではありません、増してやこの街はロサンゼルス。日本の2倍近くの物価と世界トップクラスの高い学費で有名な国。「今考えれば当時は学業どころじゃなかった、アルバイトのシフトを増やしてもらえるようマネージャーに泣きながら交渉した。忙しくて学校に行けなかったから単位をもらうために教授を泣きながら説得した。」と彼は話してくれました。
しかしその後、彼は昨年の夏からロサンゼルスで実証実験が行われている「 TAY portunity 収入保証プログラム(ベーシックインカム )」 の対象者に選ばれました。週に2回のアルバイトと月に1回市から支給される1000ドルを頼りに、現在は独学で商品開発者への活路を探し出しているようです。「店舗の第一線でお客様の声を聞いてきた自分だからこそ、最高な商品を開発することができるエンジニアになれる」と彼は意気込んでいました。高卒の学生が、自らのキャリアにここまで期待を抱いているという事実に衝撃が走りました。
夢なき若者がいる国
以降、帰国後に執筆したものになります。
最近日替わりで後輩から就活の相談を貰います。優秀だったはずの彼らは、就活の早期化という変化に振り回され疲弊しきっていました。添削するESはどこか自分に自身のないような口振りのものばかりで、彼らを1年生の頃から知っている自分としてはそれは理解し難い文章でした。最初はふわっと「こういう会社がいい」とか「こんな仕事をしたい」とか掲げることができていた彼らは、長すぎる現代の就職活動の中で、様々な意見に耳を傾け…次第に内定先のネームバリューを気にしたり「御社が第1志望です」と口ずさみながら沼にハマっていくように自分を見失い始めます。
話は少し変わりますが
私の職場では日々、離職者が絶えません。(あくまで私の会社だけかもしれませんが)別業界を第一志望にしていた学生が、最終的に小売という業界を選ぶケースは少なくありません。もちろん小売業界を第一志望とする学生をどうこう言いたいわけではなく
就活に後悔を抱き、入社して日が浅いうちに会社を離れていく方(俗に言う早期離職者)を私はこの目で何度も見てきました。彼らも後輩たちと同じように、入社当時は目を輝かせながら目標や憧れの先輩の話をしてくれました。しかし次第に、顔色は暗くなって行きます。
スキッドロウで家なき青年達を見て、オーウェンという大きな夢を持つ若者の話を聞いて、日本で泣きながら就職活動を行う後輩たちと会話して。自分自身の仕事に常に疑念を抱きながら働く彼らの姿を見て。
今、自分に問うことは
本当の貧しさとは、何なのか。
少なくとも私は今、豊かです。
家族に「内定を断って1年休学したい、やりたいことがある」と打ち明けたとき、私は母親を傷つけてしまいました。いつもは自身に満ち溢れている父親も、流石に不安そうな顔を浮かべていました。私のいないところで両親を何度も泣かしていたのかも知れません。
私は中学から私立学校に通っていました。多額の学費を支払ってもらってきました、しかしだからと言って常に学業と向き合ってきた学生生活ではありませんでした。好きなことを好きなだけさせてもらってきたのに
私は親が望んだ就職よりもやりたいことを優先しました。人並みにESを提出してサマーインターンや面接を経験し、そこそこの企業からお祈りメールをいただたき、ありがたいことに数社から内定をいただき。けどこれが自分にとって納得できる道ではないことは就活を始める前から薄々わかっていました。納得の行く内定先など見つからず、私は就活を、就職そのものをやめました。
これを社会一般的には、「就活に失敗した」と言えると思います。私もそう思います。限られた時間の中で、私は心から入社したいと思える企業とは出会えなかっただけ。
それでも
先述した通り、私は今豊かです。自分なりに夢があって挑戦したいことが沢山あって応援してくれる仲間がいます。それだけで、本当に豊かです。肉体的にしんどいのは毎日ですが、精神的には毎日が幸せです。
自分が人生で1番貧しかったなと思える日々は
小学生の頃から高校を卒業するまで10年間向き合ってきた漫画家という夢を諦めた日から、新しい夢を見つけるまでの日々でした。
当時は人生を共にするつもりでいた大切な彼女だっていましたし、高校時代は時間を割くことができなかった旅行や夜遊びを経験しました。毎日朝まで飲み明かし、変な遊びも沢山覚えました。その時は笑顔だったでしょうが、当時書いていた日記を読み返してみると、SNSの消えちゃう投稿のような空っぽな感想ばかりが転がっていました。
その後私は、新しい夢を見つけます。
営業という新たなやりたいことを見つけ、19歳で年間5,000万円を売り上げるトップセールスとなり上場企業からCEO賞をいただきました。
その企業の中で成し遂げたい夢が生まれ、役員に直談判し現在は大学で研究をするキャリア論に関連する人事の仕事に挑戦しています。
何が言いたいのかというと、今夢がある人はそれは偶然に過ぎなくて
何も無いという人は何かやってみて合うか合わないかだけでも確認してみることが大切だということです。営業の仕事に出会うまで、不動産の広報とかBtoBをやってる企業のマーケティングとか経験しましたが本当に面白いと感じなくて秒で辞めてしまいました。
星の数ほど仕事がある時代に、やりたいことに出会えないなんて奇跡なかなか無いだろとか思って安心してマイペースに夢を探していけば良いと思います。
売れない漫画家でも良いから一生絵を描いていたいって思ってた引きこもりが、営業でトップセールスになりたいという夢を持てたんだから。大丈夫です。
旅と人生
この旅は「失敗したら1度遠くへ行け」という友人の言葉から始まりました。
この言葉を友人からもらった当時の私は、休学に関して両親と言い合いをしていた頃で、ようやく休学の了承を得たというタイミングで1年間制作してきた番組の打ち切りが決まるという( & 謎に財布を失くし )結構最悪な時期でした。
もう1度自分のやるべきことについてしっかり考える機会が欲しいと思っていました。どうせ旅に行くならこれを目的にしようと考えました。
想像していたサンタモニカは結構闇が深いところでした、憧れのハンバーガー屋で起こったハプニングを通じて自分のスピーキング能力を再認識するきっかけを得ました。現地で働く同年代へのインタビュー調査を通じて良い気づきを得ましたし、空港で予期せぬ素敵な出会いがありました。
帰国してすぐに、私は打ち切りになった前番組のスポンサーに
新しい番組の構想を伝えに行きました。旅を通じて鮮明になった残りの学生生活をかけて取り組みたいことへの想いをぶつけると共に、残り半月で番組を作り上げる約束を交わしました。
憧れだった Repezen Foxx の DJ社長とのコラボ講義をプロデュースすることにも挑戦させていただきました。実は昨年度この講義には、青汁王子にご登壇いただいています。
なんとこのキャスティングは、偶然にも羽田空港という同じシチュエーションで
青汁王子を見つけた教授が法政大学の名刺を渡したことがきっかけでした。当時青汁王子の他に「この人の話を聞きたい」という学生からの声の中にDJ社長の名前は多く挙がっていました。3年前受講生だった私が、教授の生徒たちに恩送りをすることができたのは本当に嬉しかったです。快く登壇くださったDJ社長にはいつか必ず別のお仕事で、この恩を返します。
要は旅と人生、よく似ています。
細かなしおりを作ったって、修学旅行の先生とか旅行代理店の人がマネジメントしてくれない限り、絶対にハプニングが起きます。
突然雨が降ったとき、旅をやめますか?
水族館だったり屋内で遊べる場所をきっと探すはず。人生も同じです。
緻密な計画を立てたって崩れることはあります。誰もコロナの流行は予測できなかったし、明日自分が勤めている会社が倒産するかもわからない世の中です。そんな人生において重要なことは、行き先を決めること。それだけです。
金持ちになりたいとか、美女と結婚したいとか。そういう具体的なゴールでもよければ、いつかこういう仕事をしたいとか、こういう人と働けるなら毎朝通勤電車に通っても良いかなとか、考えていくことが大切です。
そのためにできることは何か、戦略を立てていくことを キャリアデザイン と言います。緻密な計画を立てるわけではなく、目的を達成するために逆算して次にするべきか戦略を考えます。計画でなければ、仮にその戦略が何か予期せぬ事態に流されてしまったとしても、次やるべきことが浮かび上がってくるわけです。
旅先で極上の〇〇を食べに、名店を調べて何時にここに行こうと考えるのが計画。もしその名店が大行列で1時間待たされてしまったら、後ろの時間に計画していた予定が狂ってしまいます。事前に予約をしておくことや、近くに繁華街があるお店を選ぶことで万が一の事態にあわせて他のお店を選ぶことができるよう考えておくことが戦略と言えます。
そして旅と人生の醍醐味は、予期せぬ出会いです。これについては私の今回の旅の全てがそれを物語ってくれています。環境の変化に合わせて柔軟に自分自身も行動や考え方を変化させていくことは、不安定なこの時代を生き抜くために必要な力です。行ったことが無い地での旅行も、人生と同じように未知数であり、あらゆる可能性を秘めているものです。
この人生という長い旅を、どう楽しみますか。
終わりに
ゼミの教授が執筆してきた数ある作品の中で唯一、手にしたことがなかった1冊を行きの飛行機で拝読しました。
スキッドロウで暮らす人々の中には、国境という大きな壁を乗り越えて懸命にアメリカという国で生きる者たちがいます。
正規滞在資格を持たない者たちと、社会変化に適応できず定職に就くことができなかった若者たちとがその街で共存しているわけです。正規滞在資格を持たない者の中には、安定的な職業に就きアメリカ国民の平均的な生活水準を手にして日々を過ごしている者も少なくありません。彼らの違いとは、一体なんなのでしょうか。
スキッドロウの目と鼻の先には、リトル・トーキョーという小さな日本人街があります。ロサンゼルスが抱えるこの大きな社会課題を、果たして私たち日本人は異国の地で起きている社会課題とだけ認識していれば良いのでしょうか。
この国境のない国で、あなたが解決すべきだと思う社会課題は一体何でしょうか。
・・・
私の話をします。
人生には壁が無数に存在します。特にこの時代においては、突然どうしようもないくらい高い壁が目の前に立ちはだかることがあります。皆それを越えることに必死になって、壁を越えた先のことを考えることができていません。
就職エージェントや就活塾を使わなくても、誰もが学生のうちからキャリア戦略を立てることができる
企業と学生とのミスマッチを減らし後悔のないファーストキャリアを選択することができる社会を実現するために。私は残りの学生生活をかけて、就活メディアを立ち上げました。
「日本一易しい就活メディア」を制作し、全ての学生が就職や将来に対して抱えている悩みと、企業が抱えている新卒採用の課題を解決してみせます。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
本当にありがとうございました。
2023.7.13 黒澤洋士
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