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ユスラウメと日常の風景

 日照りの中で赤くなり、水もなく膨らんでいたユスラウメが、ひとときの雨に潤い、暗赤色に実り出す。

 例年、雨不足なく育ち、それは真っ赤に実るとも、今年は干からび熟したところに水が来て、その見ない色になったらしい。

 それにしても、そのたわわな実、枝をしならせ、葉の二倍も三倍もつくもので、まったく見事なものである、食べても食べても食べきれぬ。

 雨が続けば、果実は弾け、虫が食べ、鳥が食べ、動物が食べ、種入りの糞が道にも落ちる。

 実を食べに、タヌキと鉢合わせした子供が驚き、やんややんやと追い立てている。

R4.6.18

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