タバコを吸ったら不幸になった。
最近、タバコを吸い始めた。
24歳間近、タバコを吸い始めるにしては遅くてダサかった。
タバコを吸い始めるタイミングは人生で何度かあると思うが、ちょい悪に憧れを抱く俺からすれば1番かっこいいのは高校、又は中学から吸っていた人である。
ただ、昔から芸人になると決めていた俺は法律を厳守しなければという思いをしっかりと持っていたため、ちゃんと20歳になってから吸おうと決めていた。(えらい!)
しかし19歳の時に付き合った彼女はタバコが嫌いだった。
そしてその子とは4年ほど付き合っていたため、タバコを吸わずにこんな年齢になっていたのである。
ここに来て、何にも縛られなくなったタイミングでタバコを吸い始めたのだ。
タバコのかっこいい吸い方を研究した。
人差し指と中指の付け根でタバコを挟み、顔を覆うように吸うことにした。
これがかっこいい。ダンディや。
タバコのかっこいい辞め方も考えた。
しばらくの間は、ニコチン中毒になり辞められない感じを出すべきだろう。
「ほんっとに肩身が狭い世の中になっちまったよな〜」とか標準語を巧みに使いなして言いつつ、喫煙所を探すのだ。
そしてタバコが無いときはイライラして、落ち着きがない感じを出しておく。
誰もがアイツはニコ中や。と思うであろう。
そしてある日、パタっと辞める。
周りの芸人達に
「喫煙所行こや〜」
と誘われるが、
「いや、俺は辞めとくよ。」
と標準語で返す。
「ええどうしたん!?らしくないやんけ!」
と言うだろう。
「実は、嫁の腹に赤ん坊ができてよぉ。もうタバコは吸わねえんだ。」
これがベスト。
そのために吸い始めたみたいなとこある。
そんなことを考えながら半月ほど吸っていると、咳が止まらなくなった。
医者に、気管支喘息を起こしてますねぇ。と言われた。
辛すぎる。
俺は生まれつき肺が弱いことを忘れていた。
タバコは付き合いの時やカッコつけたい時だけにしておくべきだろう。
医者は抗生物質を処方し、
「これ7日分出しておきますね〜。あ、お腹ゆるくないですか?」
と聞いた。
俺は下痢になりやすいため、ゆるいです。と答えた。
医者は
「これゆるい人が飲むと下痢しやすいんですよ〜。まあどうしても我慢できないって時以外は7日間、ちゃんと飲んでくださいね〜」
と言った。
1日目、薬を飲み、次の日。
俺はうんちを漏らした。
俺は薬を飲むのを辞めた。
どうしても我慢できないって時で間違いないだろう。
カッコつけでタバコ吸い始めて、うんち漏らしてりゃ世話ねえぜ。
そう思い耽りながら、タバコに火をつけた。
俺の肺とケツは、少しずつ黒くなっていくのだった。
おしまい。
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