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一四零の庭苑 1巻 完結

1,000
X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2021年10月の記事一覧

詩「湧き水」

湧き水の様に言葉が溢れるのを詩人は感じたか それは体から溢れ 心から溢れ 魂から溢れる ひょっとしたら宇宙から溢れているのかもしれない 詩人は感じたか 感性は生きて死ぬ 感覚は死んで蘇る 詩人は感じたか それが詩人の湧き水 言霊

詩「高い高い」

高い高い 幼い頃父に抱き上げられた私はきゃきゃっと喜んだらしい 高い高い 大人になった私は空を見上げる 首が痛くなるほどに… 見上げた空は途方もなく高く 私の目指すものは何だろうと 私の掲げるものは何だろうと 私の高いは何だろうと… 高い高い 目を背けては見る繰り返し

詩「空しさ」

空しさを抱えた 抱えたけれど抱えきれないと思った 抱えたけれど抱きしめられないと思った 軽く重く 私を逆に飲み込んで行った けれども やるせなくて 苦しくて 安心もした 浸りたい 縋りたい けれども抜け出したい ああ矛盾 私は空しさを抱えた もう一度抱えなおした

詩「水が合わない」

あちらの水たまりに入った 水が合わない こちらの水たまりにも入ったがやはり合わない 見下す視線 含み笑い 息が出来ない ふらふらと孤独に縋り付き ふらふらと歩き行く 「やあ」 ふらりと立ち寄った先に…迎える声と笑顔を見た (ここの水は合うのか?) しばらく世話になろう

詩「生きる」

生きたかった 今生きている自分が言う言葉ではない しかし生きたかった どんな苦境にも壊れず ただ只、生きたかった そんな叫びが頭の中でこだまする 生きたかった 生きるを噛みしめ前に進めるだろうか 一歩を新たに踏み出せるだろうか 生きる