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一四零の庭苑 2巻 連載中

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X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。二巻目となります。一巻も別マガジンで全1000話で公開中。 更新は、X(旧Twitter)にポスト後、こちら…
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2024年2月の記事一覧

詩「君の胸を高鳴らせるもの」

君は生きている 君は高鳴る鼓動の音を聞いたか 胸の中で鳴る音を 希望を抱いたか 歓喜に満ちたか 憧れか まるで胸の内に宝石を抱えているようじゃないか 内なる輝きが今にも漏れ出しそうだ そして君の胸は温かい 君は宝石に従う 抗う選択などない 君の胸を高鳴らせるもの

詩「解放」

夢を見た 揺蕩う波間を行く小舟のような僕 今にも僕の意識が波に溶け出しそうだ 浮かぶ 薄暗く 心地良い体温 『ここは何処だ?』 当たり前のように問い掛ける 答える者などない ぷかぷか浮かぶ 此処は意識の海 此処は意識の宇宙 否、僕の中 『解放』 僕が僕に告げた 心地よい響きだと思った

詩「小さな変化」

退屈な日々を送る 人は毎日毎日毎日… それで『人生終了』なんてね! まあ、ざらにある訳でさ 「空しいよね」そうさ、空しい 「侘しいよね」そうさ、侘しいよ それだから空を睨むこともある けれども人はさ、ある日突然 馬鹿みたいに感動して情けないと思いながら泣くんだ 小さな変化

詩「とげ棘」

とげ棘 心の何処かがチクリとする 『どうしたのだろう』 考える 『身に覚えがない』 嘘! チクリとする 『痛い』 痛いと思うと自然に表情が曇る 「何?」消え入りそうな声が出る 出た声にドキリとする 「棘」 両手で胸を強く押さえる 震え出す前に棘を見付けあわよくば抜く 心に刺さった棘

詩「拠り所」

皆さ、笑顔なんだ 『顔で笑って心で泣いて』てやつ まさにそれ 「どうかしてるよ」ほくそ笑み言う 「ねえ、その仮面の下はどんな顔?」まあ、面と向かって言えない 『拠り所は何なんだ』 『心の拠り所』てやつ 僕だって皆と同じで仮面を被っている 『辛いな』 「なんだかな」独り言 拠り所

詩「時はままならぬ」

時はままならぬ 嗚呼、時というものは! 何度、後少し時間があればと思ったことか 何度、『時よ止まれ』と思ったことか 口惜しい 時はままならぬ 人間が時を支配することなどない けれども時は人間を支配する 少なくとも私はそう感じたことがある 時はままならぬ 時はままならぬ…

詩「大事な宝物」

大事な宝物をなくした きっと心の何処かにあるはず 悲しくなる 切なくなる 涙の雫 心の何処かに落としたんだ 考え事をしていたから 思い出した辛かったこと 苦しかったこと 嫌 でもとてもとても大切なもの わざと落としたんじゃない 辛くても大事な宝物なんだ いつか笑える日のために

詩「君と一緒」

君と一緒に月を眺める 僕の頬を撫ぜ風が去った 君を見る 「クロ、夜風は冷たくないかい」 「ナァ~」 鳴き声ひとつ、素早く僕の肩によじ登る 僕の顔に自身の顔を擦り付ける 君は器用に僕の肩に乗っているけれど気が気じゃない 僕はそっと上着の片方を広げ 君は僕の懐に滑り込み 君と一緒 ※今日は猫の日(2024/02/22)でした。ですので、猫さんにちなんで書いてみました。 下記の詩の続きです。

詩「心の存在」

いつの頃からか 人は心という存在を知る いつからだろう 『心』 本を読んだ 嗚呼、この頃か 物語に心が揺れた 本を抱き締める 景色を見た 感動を知る 自然に狂喜乱舞 それからはいつ空を見ても感動した 夜空や嵐の日さえも心震わせた 『涙』 人はいつから心の存在を知ったのだろうか

詩「すれ違い」

君の言葉と僕の言葉 すれ違った 君と僕の間に沈黙が鎮座する すれ違った言葉は何処へ行った 向かい合う僕ら 僕は沈黙が怖くなり俯く 君の視線は? 気になりだした 僕は顔を上げる機会を窺う カタッと音がした 思わず顔を上げ君を見る 「休憩しようか」無意識の言葉 君は微笑みを返した

詩「どちらが先か」

真理が先か 自由が先か 真理を知れば自由が分かり 自由を知れば真理が分かる どちらが先か ウロボロスの尾を味わったか αを表現しようとしたか ∞の罠に落ちたか 否、そのような言葉ではない もっと違う何か 真理と自由を知り 真理と自由を分かり 答えはあるのか 派手な?を付けたい

詩「丁度いい」

「今日の珈琲はいい感じじゃない」 丁度いい 切りの良い所まで読めた本 予定していたより5分程、早く終わった用事 丁度いい 「気分がいいな」 何気ない日常のほんの些細なこと 丁度いいがキマった瞬間 鼻歌まで飛び出しそうだ 「良いことがありそうだ」 笑顔になった 丁度いいが丁度良い

詩「夜空」

夜空に思いを馳せる あの日の想い出 あの時見上げた夜空が忘れられない 時の経過が邪魔だ 立ち止まり『綺麗だ』と言った 余計なひと言だった 余韻が目を覚ましそうだ 風が囁き通り過ぎる 暫く立ち尽くし足を進められない 夜の静寂は神秘しか伝えて来ず 戸惑いをおびき出し魅了に染める 夜空

詩「何か」

何かってなんだ 心の奥底で引っ掛かる いつもある 否、そうでもない 兎に角ある そのようなもの ぽっかりと開いた時に思い出す 苛立ちと共に顔を出す 『何か?!』 得体が知れない奴 「そうか」とふいに思う 「心の中の忘れ物か」 「そうだそうだ」 『本当に?』 『何か』はある 確かにある