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小説「笑う門には福来る」

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毎週日曜更新。日々退屈で憂鬱なアナタに心ほぐれるギャグをお届け!寝ても覚めてもふざけ倒す主人公(12)が巻き起こすドタバタ日常劇(全23話)です。
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2024年2月の記事一覧

笑う門には福来る 第22話 旅は道連れ、世は情け

笑う門には福来る 第22話 旅は道連れ、世は情け

 冬休みに入った。誠司が自室で合格通知を開けると同時に、父が母を連れて帰って来た。小春の喜ぶ声が聞こえる。続いて、買い物に行っていた茂と京太郎も帰宅する。母の姿を見て茂が即座にボケる。
「おかえリンゴ!」
「ただいマンゴー!」
 その横で、誠司は出かける支度をしている。
「どこ行くの?」
「靴買いに行ってくる」
 兄は履き古した靴に足をつっこむ。
「僕も行く!」茂が名乗り出た。
 二人で寒い外を歩

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笑う門には福来る 第21話 年寄りの冷や水

笑う門には福来る 第21話 年寄りの冷や水

 誠司は布団を出て身震いした。朝の冷えた空気に、嫌でも目が覚める。誠司は今日、入試を控えている。進路変更して、教育系の学校へ行くつもりだ。
 支度している間、同室の弟は眠っていた。テストで0点取ったり、やたらスベるようになったその様子に、疑問を持ちながら部屋を出た。
 入試の日くらいは何か食べようと、席につく。茂が目をこすりながら起きてきた。
「おはよう兄さん! いい天気だね!」
「雨降ってるぞ」

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笑う門には福来る 第20話 泳ぎ上手は川で死ぬ

笑う門には福来る 第20話 泳ぎ上手は川で死ぬ

 長男が寝ている横で、茂は深夜までネタ作りに没頭していた。結果、翌朝見事に寝坊してしまった。
「珍しいね。シゲが寝坊なんて……」
 拓海がトーストをかじりながら眠たげに言った。
「昨日夜更かししちゃった! テヘッ」
「急がなくていいの……?」
「いいよ。どうせ遅れるなら焦るだけ損だもん」
 マイペースに準備して玄関を出る。
「行ってらっしゃーい!」
「いや行くのシゲでしょ……」
「ほな行ってきまー

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笑う門には福来る 第19話 スタートライン

笑う門には福来る 第19話 スタートライン

 十月も半分を過ぎ、肌寒い日が続いている。
 長男はバイト、次男は遊びに、母と茂は小春のピアノ発表会へ出かけた。拓海は部屋で寝転んでいる。
 机にはキャラデザの痕があった。マンガを描いてみようと思い立ったが、手が止まってしまったのだ。家族と話している時や、何かに没頭している時は気にならないことも、一人の時間になると顔を出す。将来への不安が頭から離れない。担任が持ってきた進路プリントのせいだ。
 俺

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