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<2022年>オンコロによるVantage翻訳記事のまとめ

2020年から始まったオンコロと弊社の提携によって、弊社Vantageの翻訳記事がオンコロより公開されるようになりました。

2020年と2021で合計37本の翻訳記事を出して頂けました。どのような記事が翻訳されたかは以下のnoteにまとめてありますので、ご興味あれば目次だけでもご覧になって下さいませ。

今年2022年は、第38回本目から始まります。

(38)2022.01.14 免疫チェックポイント阻害薬の試練の日々

中国で実施された臨床試験は、米国での承認を裏付けることができるのか。抗PD-(L)1阻害薬の投資家はすぐに分かるだろう。

中Innovent社と米イーライリリー・アンド・カンパニーのSintilimab(シンチリマブ)は2月10日に大きなカタリスト(相場を大きく動かす端緒となるイベントや材料のこと)に直面する。抗PD-(L)1抗体としては珍しい米国諮問委員会の開催は、シンチリマブのみならず、中国でのデータを米国における承認の裏付けとしている他の模倣的な免疫チェックポイントモノクローナル抗体の製薬企業にとっても、二者択一の結果を意味する。

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(39)2022.01.28 Asco-GI–腫瘍免疫学は肝臓がんで進展する

米メルク社が最近つまずき、スイスのロシュ社が唯一のプレーヤーである腫瘍免疫学の分野に英アストラゼネカ社が参入するようだ。

アストラゼネカ社は、イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)とトレメリムマブを併用したHimalaya試験の結果、一次治療において“前例のない”レベルの全生存率を示したと主張しており、肝臓がん治療の地殻変動が再び起こる可能性がある。

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(40)2022.02.10 ロシュ社にとってTigit(とアルツハイマー病)の一年

tiragolumabの極めて重要な4つのリードアウトにより、スイス・ロシュ社の2022年はアルツハイマー病だけの年ではない。
Tigitにおける競争者としてtiragolumabの9つの重要な臨床試験開始してから2年、ロシュ社はその賭けに価値があったかどうかを見極めることになる。2022年は、これらの試験のうち4つのデータが得られる年になると、スイスの会社は今日(2月3日)、投資家に語った。

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(41)2022.02.25 リキッドバイオプシー開発企業は大腸がんに狙いを定める

米Natera社と米Guardant Health社は適応症別血液検査で巻き返しを図ろうとしているが、現時点では、米Exact Sciences社は同社の糞便検査であるCologuard検査に賭けている。

2020年、世界初となるがん種横断的ながん血液検査が米国食品医薬品局(FDA)に承認された。現在、複数のリキッドバイオプシー企業が大腸がんに特化した新たな軸、すなわち再発がんの検診と検出に目を向けており、大腸がん検査は間もなく大きな変革を遂げる可能性がある。

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(42)2022.03.15 支配を強めるエンハーツ

英アストラゼネカ社/第一三共株式会社の抗体薬物複合体は、HER2発現疾患領域における臨床での成功により、スイス・ロシュ社の乳がん分野における優勢を食い止める可能性がある。

今朝(2月21日)発表された最新の成功例は、Destiny-Breast04試験によって示されたHER2低発現乳がんでの成果である。この試験では、主要な無増悪生存期間PFS)だけではく、非常に重要な全生存期間OS)の基準もクリアした。エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)にどれだけ大きなチャンスがあるかは、全データセット次第であるが、HER2低発現患者の予後との相関性は、過小評価されるべきではない。

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(43)2022.03.25 投資家たちはギリアド社のTROPiCS試験の結果にひやひやしている

TROPiCS-02試験の結果は肯定的に発表されているものの、臨床的関連性に関する疑問について米ギリアド社は押し黙っている。

治験の規模が大きくなり、主要評価項目が変更され、結果が出るのが遅れている場合、その治験はうまくいっていない可能性がある。ギリアド社が長い間待ち望んでいたTrodelvy(トロデルヴィ/一般名:サシツズマブ ゴビテカン)のTROPiCS-02試験が実質的に失敗に終わったと確認された今日(3月7日)、同社への投資家たちはこのことを思い知らされた。

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(44)2022.04.08 レラトリマブの次なる展開は?

Lag3阻害剤はメラノーマで承認されたが、ブリストル社はより安全なヤーボイの探求を止めることはなさそうだ。

米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を補完するためにヤーボイ(一般名:イピリムマブ)よりも毒性の低い薬剤を求めていたが、この戦略の最初の柱はレラトリマブによって整った。現在Opdualagという商標を有するオプジーボ+レラトリマブ併用療法は、先週(3月18日)に遅滞なく、添付文書に厄介な記載(警告)もなく、メラノーマ(悪性黒色腫)の一次治療薬として承認された。

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(45)2022.04.28 AACR 2022 –ノバルティス社は後発のKras阻害剤でアムジェン社に挑戦する

Shp2を標的とすることは期待外れだったが、ノバルティス社はKrasを直接攻撃することでまだ印象を良くする可能性があることを示している。

Shp2阻害剤の臨床試験奏効率0%という結果が報告され、Kras領域に衝撃を与えてから1年、スイス・ノバルティス社はKras G12Cを直接阻害することで幸運を掴んだ。後者のメカニズムを持つ分子であるJDQ443は、肺がんで印象的な効果を示したと、昨日(4月11日)AACR(米国癌学会年次大会)で発表された。

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(46)2022.05.13 ロシュ社のTIGIT爆弾の先にあるもの

Skyscraper-01試験の失敗は、ロシュ社のTIGIT阻害薬への莫大な投資に疑問を投げかけるものだが、より大きな意義があるのだろうか。

ドーン! これは、別の免疫腫瘍学的メカニズムが爆発した音だ。公平に評すれば、スイス・ロシュ社のチラゴルマブが2022年最大のカタリストのひとつであるSkyscraper-01試験で失敗したことが、TIGIT阻害薬の命取りになると断言するのは時期尚早だろうが、良い兆候でないのは間違いない。

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(47)2022.06.03 Asco 2022 –アディセット社、アーセレックス社、PMV社に大きな期待

Ascoから発表されたアブストラクトは、いくつかのバイオテクノロジー企業の株価を上げ、来週開催されるカンファレンス(米国癌治療学会議、Asco 2022)で期待を裏切らないようプレッシャーがかかっている。

バイオテクノロジー市場の低迷により、各社は低水準からスタートすることになっただけかもしれないが、昨日(5月26日)のAscoによるアブストラクトの発表で、特に米アディセット社、米アーセレックス社、米PMV社、英メレオ社の株価が上昇した。

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(48)2022.06.10 Asco 2022 –エンハーツは問う、どこまで下げることができるのか

トリプルネガティブ乳がんでの勝利宣言は明確ではないが、別の強力なリードアウトにより、HER2陰性乳がんの治療方法が再定義されるかもしれない。

エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)は、HER2陽性乳がんにおいて既にいくつかの優れた結果を出しており、最新の成績もその期待を裏切らないものだ。この抗体薬物複合体(ADC)は、現在、HER2陰性とされる患者において、化学療法に対する生存期間の延長という素晴らしい効果を示し、そのデータは、(HER2の)発現が極めて低い患者においても保持されている。

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(49)2022.06.24 Jemperliの直腸がん克服の謎

Jemperliはバイオマーカーで定義された直腸がん患者のサブセットを効果的に治療できるかもしれないのに、なぜ製薬会社はもっと関心を示さないのであろうか。

エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)のDestiny-Breast04試験のリードアウトを除き、最近の米国臨床腫瘍学会(Asco)年次総会で最も話題になったのは、アカデミアが支援した直腸がんが対象のJemperli(一般名:ドスタルリマブ)の試験であった。多くの医師や一般紙は大いに盛り上がったが、Jemperliの製造元である英グラクソ・スミスクライン社(GSK)を含む製薬業界の反応は…事実上の沈黙であった。

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(50)2022.07.08 Sutro社の次世代技術、アステラス製薬から太鼓判

アステラス製薬株式会社は15年前、後に膀胱がん治療薬パドセブ(一般名:エンホルツマブ ベドチン)を生み出すことになる米Seagen社との戦略的提携契約によって、抗体薬物複合体(ADC)を導入した。そして今日(6月28日)、日本のグループ(アステラス製薬)は、新世代のADC(通常の抗体-標的細胞毒性ペイロード複合体に免疫賦活化要素を付加したもの)を生み出すと期待される技術に対して米Sutro社に9000万ドルを支払うことで権利を取得した。

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(51)2022.07.22 Orion社のがん領域の戦略見直しが実を結ぶ

すでに販売されているニュベクオを誇るOrion社は、次の大きな希望である前立腺がんをメルク社にライセンスしている。
フィンランドのOrion社は、がんと疼痛に焦点を当てるために研究開発を縮小してから、わずか4ヶ月で、その恩恵を受けることができた。今日(2022年7月13日)、米メルク・アンド・カンパニー社と締結したライセンス契約は、前立腺がんの中期のプロジェクトであるODM-208を対象としており、契約一時金の額としては今年2番目の大きさだ。

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(52)2022.08.12 Delfi Diagnostics社、より安価なリキッドバイオプシーを目指す

2億2500万ドルの資金を得たDelfi社は、低価格の次世代肺がんスクリーンに取り組んでいる。
固形がんの血液検査は数年前から行われており、リキッドバイオプシーへの新規参入には新しい切り口が必要だ。米Delfi Diagnostics社は、ベンチャー企業の支援に恵まれ、すでに市場に出回っているがん検査よりもはるかに安い価格を設定できると考えている。

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(53)2022.08.26 ESMO 2022プレビュー - 肝臓がんにおける初回治療の対決

昨日(2022月8月19日)、ESMO2022にて最新の抄録タイトルが公表され(今朝はほとんどが消えていたが…)、投資家は、9月9日にパリで始まる学会でどこに期待すべきか、最初の糸口を掴んだ。
ハイライトの1つは、肝臓がんの初回治療を対象とした抗PD-1抗体に関する3つの極めて重要な試験だ。キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)のLeap-002試験は失敗したことが知られており、CamrelizumabのSHR-1210-III-310試験は有望だと発表され、tislelizumab(チスレリズマブ)のRationale-301試験はネクサバール(一般名:ソラフェニブ)に対して非劣性を示すと言われている。

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(54)2022.9.09 ESMO 2022プレビュー:会期直前のKRASの参入が注目を浴びる

アムジェンのCodebreak-200試験の確認は、ESMOのプレジデンシャルセッションで意外にも注目演題として取り上げられる。
KRAS阻害剤をめぐる長年の戦いにおいて、アムジェン社が米Mirati社をいかにしてたびたび打ち負かしてきたかということがよく話題になる。昨日(2022年8月31日)、米アムジェン社は、ルマケラス(一般名:ソトラシブ)の試験であるCodebreak-200のデータを、8日後に始まるESMOの注目演題として採択させることに成功した。ESMOの注目演題の提出期限は8月9日だったが、アムジェン社は2日前にCodebreak-200を発表したばかりである。もちろんアムジェン社は発表する前から結果を把握していただろうし、もしそれに加えてコネを使ってESMOに許可を出すよう説得したのであれば、今回も上手く立ち回ったということだろう。

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(55)2022.09.22 ESMO 2022:米Springworks社、Defi試験への期待に応えるために

デスモイド腫瘍のデータは強力に見えるが、米Ayala社は、投資家がγセクレターゼ阻害剤で勝負するためのより安価な方法を提供するかもしれない。
米SpringWorks社は、主要プロジェクトであるγセクレターゼ阻害剤nirogacestat(ニロガセスタット)について、週末(2022年9月9‐13日)に開催されたESMOで強力なデータを発表し、デスモイド腫瘍に対する承認取得に向けて順調に進んでいるようだ

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(56)2022.10.14 Angle社の”火種”が燃え盛る

臨床における成功により、同グループのリキッドバイオプシーは乳がんから卵巣がんへと拡大する可能性がある。
英Angle社は、乳がんにおける承認を取得後、卵巣がんに注力している。リキッドバイオプシーのコンセプトに対する同社の珍しいアプローチであるParsortixのデータは、この新しい領域に拡大するチャンスを示唆するものである。

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(57)2022.10.27 がん“ワクチン”はネオアンチゲンの時代へ

個々のネオアンチゲンに対する免疫反応を高める試みは、大手製薬会社の関心を集めており、最近では米メルク・アンド・カンパニー社がその最たる例である。
いわゆるがんワクチンの開発は、数え切れないほどの臨床試験の失敗に直面してきたが、バイオ医薬品メーカーはめげずに研究を続けてきた。今週は、メルク社が米モデルナ社のmRNA-4157に対する権利を行使するために、2億5000万ドルをモデルナ社に渡し、バイオ医薬品業界にとって最大の利益を記録した。

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(58)2022.11.11 アストラゼネカがロシュを1日に2回も打ち負かす

英アストラゼネカ社の2つの乳がんプロジェクトは、スイスのロシュ社が失敗した条件のもと、明らかに極めて重要な成功を収めている。
経口選択的エストロゲン受容体分解薬(Serds)は、ここ最近で最も期待はずれながん治療薬の1つになりつつあった。そのため、アストラゼネカ社が、ER陽性・Her2陰性乳がんにおいて、競合薬であるcamizestrant(カミゼストラント)で成功を収めたという今日(10月26日)のニュースは驚きであった。

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(59)2022.11.25 アストラゼネカ社のCar-T療法への取り組みが幕を開ける

英アストラゼネカ社の細胞治療への着実な動きは、新規のがん標的を生み出し、同社がまもなく臨床試験を開始する可能性を示唆している。
アストラゼネカ社は、大手製薬会社の中で唯一細胞治療に出遅れていた会社ではないが、その研究の霧は徐々に晴れてきている。EvaluateのVantageチームが入手した情報によると、アストラゼネカ社にとって初の臨床段階にあるCar-T療法はAZD0754であり、Steap2抗原を標的とすることが明らかにされている。

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(60)2022.12.9 ASH 2022 プレビュー – Brukinsaがカルケンスより優位に立つ

Brukinsaは真っ向勝負でイムブルビカに勝利したことが確認され、ベイジーン社のBTK阻害剤もカルケンスより優れているようだ。
英アストラゼネカ社のカルケンス(一般名:アカラブルチニブ)は、イムブルビカ(一般名:イブルチニブ)の最も得意とする慢性リンパ性白血病(CLL)の治療に挑戦し、他社が倒すべきBTK阻害剤となった。昨日(2022年11月22日)、ASH(米国血液学会)の最新の注目演題の中で、中ベイジーン社のBrukinsa(一般名:ザヌブルチニブ)がまさにこれを達成したことを示唆した(少なくとも試験間比較において)。

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(61)2022.12.23 Ash 2022 – talquetamabの開発の流れにのって

https://oncolo.jp/news/ash-2022-following-talquetamabs-slipstream

スイスのロシュ社と米ブリストル・マイヤーズスクイブ社は、この業界でGPRC5Dに対する次なる資産を持っていると思われる。
昨日(2023年12月10日)、Ashで取り上げられた米ジョンソン・エンド・ジョンソン社のtalquetamabは、多発性骨髄腫の治療法として、近い将来、まったく新しいアプローチとなる可能性を秘めている。しかし、同じGPRC5Dを標的とする競合治療薬を開発するために、他の企業はどんな動きをしているのか?

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