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花様年華

黒田です。

ものすごい読書体験をしました。
宇佐見りん著『推し、燃ゆ』です。
1月に発表された第164回芥川賞受賞作なのでご存知の方も多いかもしれません。

現役大学生。
第二作にして芥川賞受賞。(第一作は三島由紀夫賞史上最年少受賞)
など話題に事欠きませんが、何と言っても
「推し」についての話とあればオタクの端くれとして読まないわけにはいきません。
ピンク基調の表紙もかわいい。

ずっと近所の書店で品切れだったのですが
先日のぞいた際、入荷していたのですぐに購入しました。

寝る前にすこし読もうかなと開いたが最後、
本についている紐のしおりを使うことなく読み切ってしまった。
読んでる間、息をするのも忘れてたのではないかと思うほど
目に押し寄せてくるスピード感あふれる文章。

いつか来るであろう推しとの「その日」を思い浮かべ
目からどんどん想いがあふれつつもページをめくる手が止まらない。
読後は顔面ぐしゃぐしゃの放心状態でした。

正直今までニュースとしての芥川賞・直木賞は関心があったものの
自分が読むものとは切り離していたんですね。
今回ニュースをきっかけにこの作品を知り、「推し」というワードにひかれて読みましたが本当に素晴らしかった。
権威ある賞がこういう作品をきちんと評価し授賞していることに感動もしています。

SNSで同世代友人たちの子どもたち(小中学生)がいまこの本を読んでいるという投稿も見かけました。
たしかにタイトルや表紙デザインはとても手に取りやすいし
ごく自然に芥川賞作品と出会えていることがものすごいうれしいしうらやましい。

人生でもっとも美しい瞬間はきれいごとだけではない、
悩んだりもがいたり妬んだり凹んだり、があるからこそ
そこが強烈に輝いてまぶしく見えることもある。
そんなことを想いました。

健やかで素敵な一週間になりますように。