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先住犬ミルキーのアフターケア

先月2月末、4年前にレスキュー団体からアダプトしたシニア犬コーディが旅立った後(詳細は以下リンクから)、不思議と、先住犬ミルキーの気配を感じていた。

もちろん、ずっとコーディの気配は、濃厚に感じている。ああ、魂として、まだ、私の周りにいてくれているんだなぁ、という状態だ。それに加え、ミルキーも、私の周りをウロウロしてくれている感じがするのだ。きっと、私のことを心配して、天から降りてきてくれたのであろう。また、コーディは、ミルキーが私の為に送り込んでくれたわんこだから、その責任(笑)も感じているのかな?

そんな時、ミルキーからのメッセージを感じた。

”コーディを最後までお世話してくれてありがとう。”と。

そこで、ハッと気づいた。ミルキーの一番の意図を。

❤️

2016年12月、私は、ミルキーを失くした後、後悔と罪悪感を抱えて生きていた。愛犬を失くした多くの飼い主は、多かれ少なかれ、後悔を感じるそうだ。その後悔は、二つに分かれる。

”やった事(医療行為など)に後悔する。”

”やらなかった事に後悔する”だ。

つまり、どちらを選択しても、飼い主は後悔するものなのだ。そして、私はというと、両方に後悔していた。

まず、ビビりで痛みに弱いミルキーが老犬に差し掛かった時、非常に辛く、キツい手術を頑張らせた事。数年長生きしてくれると思ってのことだったが、術後生きた1年10ヶ月は、術後の痛み、癲癇発症、飼い主(私)への不信感など、ミルキーが背負わなくてもいいものばかりだったと思っている。これはまさに、”やったことに後悔する”方だ。

そして、逆に、癲癇を発症し、抗てんかん薬を選択する際、1日3回投与の薬の方が効果が期待されていたが、仕事の関係で、1日2回投与の方を選択した。それでも、この投与がある限り、他人にミルキーのお世話を頼むわけにいかなくなり(シリンダーで口に入れるのだが、ミルキーが非常に嫌がり、投与に30分ぐらい要する)、私と相方二人での旅行は出来なくなった。11月に予定していた日本行きも、相方一人で行ってもらうことにした。私は相方と入れ違いで12月後半の出発に変更した。だが、相方の出発の前々日、母が倒れたと一報を受けた。それを聞いた相方が、直ぐさま、ミルキーは自分が見るから、私に日本に行けと言ってくれたが、救急車で運ばれ、入院した先から、母と電話で会話ができ、検査結果も疲れからくるもので、数日点滴をして休んでいれば回復すると分かり、相方には予定通り日本帰国してもらうことにした。相方が、日本帰国後、時間を取って、私の実家まで足を運び、母の様子を知らせてくれ、また、母も相方のお見舞いに大層喜んでいたが、だが、本当は私がやるべきことだよなぁ、と思っていた。

だから、12月の日本行きは、絶対、変更は出来ないと決めていた。

だが、ミルキーの癲癇の回数は増え、またその時間も長くなっていった。非常に身体への負担がかかっているのは間違いない。だからと言って、抗てんかん薬2回の投与でも結構大変なのに、3回の投与を、会社に出勤しながらこなすのは不可能だ。薬の変更は出来ない。それも、私がいない2週間を、相方一人で世話をしないといけない。

ミルキーは、元々、私がミルキーが3ヶ月の時にブリーダーから引き取ったわんこだ。それから、ずっとシングルマザーで、育ててきたわんこだ。つまり、私の連れ子。相方は、ミルキー9歳の頃からのステップファザー。相方が、ミルキーを可愛がってくれているのはよく分かる。でも、、、、この状態のミルキーを任せ、また、もし、私が日本に帰国中に、最悪な事態となった場合、それを相方だけに負わせていいものだろうか?ミルキーにもそれで良いのだろうか?

だけど、私は、今回は帰らないといけない。

困った・・・。

癲癇になる度、頭に過ぎる声。”眠らせてあげた方が良いんじゃない?”

それに加え、今回のこの状況。”私が出発する前に、全て、終わらせた方が良いのではないだろうか?”という考えが、浮んだのは止められなかった。

だが、

”自分の都合で安楽死させるのか?”

そんな言葉も頭に浮かぶ。困った。本当に困っていた。だから、ミルキーに言った。「ママちゃんね、今回は、どうしても日本に帰らないと行けないんだ。ママちゃんのお母さんが倒れたの。だから、帰らないと行けないの。ちゃんと戻ってくるから、それまで、頑張ってくれる?」と。

☁️

結局、ミルキーは、私の日本出発の1週間ほど前に自ら旅立って行った。

自分で決断出来なかった、不甲斐ない飼い主をカバーすべく、あのビビりのミルキーが、それこそ一生分の勇気を振り絞り、決行してくれた。その旅立ちは、あまりにも荘厳であり、また、壮絶で、文字にすらずっと出来ずにいた。最後の瞬間、私の胸に飛び込んで来てくれて、それは、私が、以前、わんこ友達たちとの会話で、「やはり、最後は、自分の腕から旅立たせたい。」と、言っていたからに違いない。だけど、なんで、そんな一番、苦しいであろう瞬間まで、私の願望を記憶し、実行してくれようとするのだ、なんでなの、ミルキー。

”それは、ママちゃんを愛しているからだよ。大好きだからだよ。”

今なら、分かる。だけど、その時は、自分が情けなくって、ミルキーに負担をかけたこと、そして、自分が、仕事や家族のことを優先し、ミルキーのお世話をきっちり出来なかったことに後悔していた。老犬になるまで、ミルキーをお世話してあげられなかったことに、ずっと、ずっと後悔していた。

⭐️

ミルキー、あなたは、私にセカンドチャンスをくれたんだね。

私があなたに出来なかったこと。もう一度、今の私で、ミルキーを育てたいって言っていたこと、あなたは天国から聞いていた。だから、神様に頼んで、コーディを与えてくれたのね。

ねぇ、ミルキー、コーディは本当に良い子で、びっくりする程、良い子で、そうミルキーと同じぐらい天使だったよ。最後の最後まで、お世話、楽しかった。ちゃんと見送れて、本当に良かった。そして、また、老犬の最後のお世話って、想像以上に大変なことも分かったよ。去年11月に運よく(笑)、会社を退職となったから、コーディのお世話に集中できたけど、そうじゃなければ、やっぱりこんなに出来なかったと思う。つまり、ミルキー、私はミルキーの時も、自分ができることを精一杯やったと思って良いんだよって、ミルキーは、伝えたいんだね。私に、後悔を背負わせて生きて欲しくないんだね。

私は、コーディをお世話することで、抱えていた二つの後悔を全部、浄化させてもらえた。

わんこって、すごいね。どんだけ飼い主さんを愛せるの?

”ママちゃんが、僕たちをたくさん愛してくれたからだよ。”

コーディとミルキーから同時にメッセージが来た。

ああ、やっぱり、わんこを飼って良かった。わんこと暮らして良かった。

何一つ後悔はない。あなたたちに出会ったことに。





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