わたしの居場所
昨夜、乳がんサバイバーになって以来、ボランティア活動をしている乳がん・卵巣がん、子宮がん患者支援団体SHARE(シェアー)のスタッフさんと、今後のセミナー企画についてZoomミーティングをした。
企画の一つがこちら↓。乳がんサバイバーに運動がとっても良い効果を示すというもの。乳がんになる前から、長距離ランナーの自分には、実に納得のいく内容である。
なぜなら、がんになった時、そして、外科手術・抗がん剤・放射線治療という身体に相当なダメージがある治療中、”走っていて良かった。”と、心から思えるシーンが何度もあったから。
まず、長距離走をやっていたお陰で、一般の人より、基礎体力があった。
がん治療は非常に体力勝負なのだ。だから、抗がん剤の担当医(オンコロジスト)から、「基礎体力を落とさないように。」と、一日30分程度の散歩を勧められたが、1時間以上、歩いていた。そのお陰なのか、髪の毛は全部抜けたが、のたうち回る程の副作用はなかった。
だが、実は、自分の肉体面以上に、”走っていて良かった”と思えた理由がある。ラン友たちの存在だ。
日頃、ニックネームで呼び合い、本名を知らないこともあったり、どんな仕事をしているのか、どんな肩書きなのかなんて関係なく、ただ、走ることだけで繋がっていたラン友たち。
だけど、そのラン友たちが、私の抗がん剤治療に付き添ってくれたり、そして、「黒リス(私)がいない間、シマは私が守っておく。」と、いつもレースに出たら年代別入賞していた私に代わって、一生懸命走ってくれたり、毎週末、2時間ドライブして、手作りヨーグルトを持って来てくれたり、日本からお守りを買って来てくれたり、時間を見つけては、お見舞いに来てくれたりと、多くのラン友たちが、走れなくなった私を支え続けてくれた。
私が、”必ず、その場所に戻ってくる。”と思えたのは、私の意志の力だけではなく、ラン友たちからの、”必ず、この場所に戻って来い。”というエールがあったからだと思っている。
その場所とは、ランナーズワールド。
ここが私の居場所だ。
昨夜のミーティングで、SHAREのスタッフさんに、聞かれた。
「黒リスさんは、一体、何歳まで走るつもりなの?」
「死ぬ前日までかな。」
そんな言葉がさらりと口から出た自分は幸せ者だ。
だって、こんなにも好きな世界と出会ったのだから。
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