マガジンのカバー画像

エッセイ:ぜんぶ

205
愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
運営しているクリエイター

#保護犬を選ぶ

私と保護犬くるみの物語:わたし⑯”母ライオンではないですが・・・”

土曜日の夕方、くるみを救急病院に連れて行った。 理由は、水下痢と嘔吐。午前中は良いウンチもしたし元気一杯。なのに、午後に散歩に公園へ連れて行って歩いていたら、突然の水下痢発射。 でも、普通にその後、テクテクといつも通りの元気っぷり。だけど、家に戻り、30分ぐらい後に、今度は嘔吐。ドングリが丸ごと出てきた。拾い食いは中々、直らない。 うーん、どうしたものか、と相方とネットリサーチをしたり、主治医のしんご先生にメッセージを入れたりしたが、「嘔吐と下痢」のダブルは楽観視しない

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑮”自分で歩く”

あたちの気持ち分かってー!!って、ずっとガブガブしていたけど、なんか違うって最近、ちょっぴり気づいてきた。ママちゃんたちにガブガブしても、うまくいかない。わんこ同士だと、分かり合えるのに。あ、でも、コーフンして、面白くなって、強く噛むと、お兄ちゃんやお姉ちゃんわんこに、「えー加減にしろっ!」って怒られたっけ。。。おっきな手足でポーンと跳ね飛ばされたりも。。。 あたちは悪い子だと思う?ううん、ちょっぴりお転婆なだけ。くるみは良い子だよ。 パパちゃん、ママちゃんたちと同じ人間

私と保護犬くるみの物語:わたし⑫”仔犬を育てているようで、自分が育っているような。”

くるみがうちにきて、ひと月。 ガウガウが減った。要求吠えも減った。 日々、戦いみたいなもので、それはくるみとの戦いではなくて、”わたしの心との戦い”だ。 感情的になるな。冷静に観察し、平常心を保ち対応しろ。 それを自分に言い聞かし、実行し続ける。正直、可愛くって仕方がないと言う感情もあるが、結構、キツい。恐竜の子供の世話をしている気分。体力、気力、精神力が相当必要。でも、これ、人間の子育てしているママ・パパは何年もやっているですよね。そう思うと、数ヶ月間ぐらいできんで

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑪”上を向いて歩こう”

あたちの身体からサナダムシってのがいなくなったんだって。 ずっと身体がムズムズ痒かったけど、もう痒くない。それはサナダムシがいなくなったからなのかな? ママちゃんもパパちゃんも、あたちのう○ちが大好きで、あたちが踏ん張ったら、飛んできて、う○ちが出るとすぐ奪っていくの。だから、あたちは中々、う○ちを食べられない。ママちゃんたちが食べてるのかな? サナダムシがいなくなって、またアパートのワンコたちと遊べるようになった。そして、今まで抱っこでしか行ったことのない場所に下ろし

犬とランニングとコントロールと。

私のここ20年の人生において、大きな位置を占めるものと考えたとき、”犬とランニング”だなぁ、と頭に思い浮かぶ。 犬とランニング(走ること)は、自分の人生で2大・大切なものであり、ある程度はコントロールできるものだ。 ただし、コントロールとは、”犬を飼う、飼わない”選択、”ランニングをする、しない”の選択であり、”犬が自分の思い通りに動かない”とか”自分の思ったタイムで走れない”とは別物だ。 ひと月弱前から仔犬をアダプトした。18年ぶりの子育ては、自分の体力低下もあるだろ

私と保護犬くるみの物語:わたし⑩”また、う○ちの件で、すみません。”

くるみは中々手強い。 ”何があっても褒め続けるトレ”から”体育会系トレ”に変更したが、「NO!」の意味を理解しつつ、チャレンジしてくる。いや、怒られてでも、ペンアテンションを欲しがるのだ。じゃれつきたい、遊びたいのだ。 そういえば、、くるみのう○ちの中に白い蠢くものを発見した。 仔犬あるあるで、レスキューからも言われていた条虫、所謂、サナダムシである。 「ぎゃー!!出たー!!」って、叫びたくなる気持ち悪さである。こんなのがお腹にいるのはさぞ気持ち悪かろう。そういえば、

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑨”ともだち100匹できるかな?”

獣医って人がおうちにやってきた。 あたちの身体をこれからずっと見てくれるお医者さんなんだって。ママちゃんたちが、”しんご先生”って呼んでいる。 しんご先生は、おっきくって、優しそうだけど、ちょっぴりおっかない。くるみとたくさん遊んでくれるけど、ガウガウしても全然ダメだってすぐ分かった。だから、お腹を出して、ナデナデしてもらう方が良いと思ったわ。あたちは、人を見る目があるんだから。 しんご先生は、くるみと遊びながら、いつの間にか、ブスッとおちりにワクチン注射ってものを打っ

ペットロスはなくならない。

フェイスブックに上がってきた写真。3年前の今日、私たちはコーディがやってきたテネシーにいた。コーディを救ってくれた動物病院を訪ねていたのだ。 当時、レスキューから連れられてきた子達の中でも、ひときわ、シビアな状態だったコーディを看護師さんは覚えていた。 だから、毛がフサフサでお肉のついた身体のコーディをとても喜んでくれた。「ニューヨークに行って、幸せになったのね!」と。 その3年後の今日にはコーディはいない。 コーディと過ごした時間はたったの4年。濃密な4年間という時

私と保護犬くるみの物語:わたし➇”あたくし、女優ですから。”

成長するにつれ、段々、分かってきたようだ。 私や相方の意図する言動。「NO!」の意味。でも、だからこそ、敢えて、挑戦したいらしい。それでも、自分のやりたいことがまかり通るのか。 また、甘噛みの延長で、私の手を強く噛んできた。”そんなんじゃ、もう、遊んであげないよ。”の意味で、立ち上がり、背中を向ける。そうすると、今度は足をガシガシ噛んでくる。「NO!」と強く言っても噛んでくる。それも、ガルルと唸りながら。 ・・・仕方ない・・・。やるか。 キャイーン!!噛んでくる瞬間を

私と保護犬くるみの物語:くるみ➆”あたちだって負けないもん。”

びっくりした。 目の前に、おっきな毛むくじゃらのわんこがいた。ママちゃんが、「ココちゃんだよ。仲良く出来るかな?」と言って、あたちのケージの前にココちゃんを連れてきた。ココちゃんは、あたちを見て、首を傾げ、不思議そうな顔をした。”なんで、あんたがここにいるの?ここは私の大好きな黒リス(私)さんちよね。”と目で伝えてきた。 「ここはあたちんちだもん!」そう言って、ジタバタした。ママちゃん、くるみを出して!あたち、ココちゃんと遊びたい!! ママちゃんがヒョイっとあたちの身体

私と保護犬くるみの物語:わたし➅”木を噛む”

「保護犬って言っても、まだ、仔犬だし、捨てられた記憶はないだろうから、トラウマみたいなものはないだろうね。」 そう思っていた。 だけど、2週間が過ぎ、くるみは結構難しい仔かもしれないと思い始めた。 まず、この仔は”舐める”ことを知らないみたいなのだ。 だから、全部、噛んで確かめる。表現する。 仔犬は甘噛みするのが自然なのは知っていたけど、手足のみならず、顔も噛んでくる。普通はペロペロ舐めるもんだと思うが、それが”甘噛み”してくるのだ。 「なんで、お前、鼻を噛む?!

私と保護犬くるみの物語:くるみ➄”みんな分かってない。あたちのキモチ”

あたちは今、ものすごく怒っている。 だって、ママちゃんと遊ぼうと思って、足を噛んだのに、全然、無視されたから、もっと強く噛んだ。そしたら、「ノー!」って怖い顔で吠えるの。 だから、くるみだって負けじと、ガウガウって文句言ってやったわ。だって、ママちゃんもパパちゃんの足も、くるみの前でゆらゆら揺れるんだもん。くるみを誘惑するんだもん。だから、遊ぶんだって思って、じゃれついたのに、なんで怒るの? くるみはひとりぼっちなんだよ。 気がついたら、知らない場所にいて、全然、くる

私と保護犬くるみの物語:わたし➃”理想と現実、どっちが重要?”

くるみがうちに着て、2週間が経った。わんこ時間だと3ヶ月ぐらいの感覚になる。赤ちゃんの成長ってきっと3ヶ月ってめちゃめちゃ大きいんだろうなぁ。(子育て経験なし)だって、くるみを日々見ていると、目に見えて、変化しているのが分かる。身体もだけど、頭や心も。 3ポンド(1.3キロ)強だった体重が、2週間後には4.3ポンド(1.8キロ)になっている。順調に成長しているのが嬉しい。 シェルターやレスキューから仔犬を引き取る際、「どれぐらいの大きさに成長するかは保証出来ません。大きさ

私と保護犬くるみの物語:くるみ③”う⭕️ちは健康のバロメーター”

あたちの時間の流れはパパちゃんやママちゃんという人間とは違うんだって。あたちの1日はママちゃんたちの1週間ぐらいみたい。あたちにはよく分からないんだけどね。でも、目が覚めると、なんだか違うあたちがいる。ママちゃんが、毎朝あたちを見る度に、「ん?なんか脚が長くなったような。」「ん?今日は胴が長くなったような。」「あれ、お顔がスッとしてきたね。可愛いお顔さんから美人さんになってきたかな?」とか言う。 そういえば、ここに来たすぐは、ママちゃんが美味しいご飯をたっぷりくれたから、お