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私と保護犬くるみの物語:くるみ⑪”上を向いて歩こう”

あたちの身体からサナダムシってのがいなくなったんだって。

ずっと身体がムズムズ痒かったけど、もう痒くない。それはサナダムシがいなくなったからなのかな?

ママちゃんもパパちゃんも、あたちのう○ちが大好きで、あたちが踏ん張ったら、飛んできて、う○ちが出るとすぐ奪っていくの。だから、あたちは中々、う○ちを食べられない。ママちゃんたちが食べてるのかな?

サナダムシがいなくなって、またアパートのワンコたちと遊べるようになった。そして、今まで抱っこでしか行ったことのない場所に下ろしてもらえた!

え?良いの?

両脚が地面に着いた。ドキドキとワクワクと、そして、ちょっぴり怖い。

地面があたちのすぐ下にある。いろんな臭いがする。いろんな物がある。

なんだろう?これなんだろう?

って、鼻を地面につけて嗅いで、口に入れようとしたら、首がクイッと上に向かされた。「NO!」って、ママちゃんが怖い顔をしてる。

なんでダメなの?くるみ、分かんないよ。

あ、何、あのカサカサ、クルクルしているの?

すかさず、パクッとした途端、ママちゃんに取り上げられた。

「NO!」

また、ノー?!なんで?

ママちゃんがしゃがんで、おやつを見せた。あたちは大好きなおやつが欲しくて、ママちゃんにおねだりした。ちょうだい、ちょうだい。

ママちゃんは、おやつをいくつもくれた。そして、あたちに言った。

「おやつは全部、上から来るの。下にはないんだよ。だから、上を向いて歩こうね。」って。


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