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エッセイ:ぜんぶ

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愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
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#アメリカでフォスターボランティア

私と保護犬くるみの物語:わたし⑱”くるみという犬の謎解き”

苦節2ヶ月。 くるみの甘噛み地獄がほぼ終焉した。その上、舐める、お膝に乗る、ソファーで一緒に寛ぐ、なーんて行為まで出来るようになった!! ああ、夢の生活が遂に実現!!! こんな日が本当に訪れるなんて・・・・、ママちゃんは嬉し泣きレベルに感激しています。 だが、、、、 拾い食い地獄からは未だ脱却できず、日々、目を血走らせながら、地面とくるみを凝視し、散歩をしている。くるみも、地面に鼻を擦り付けたいが故、リーシュを引っ張るので、首輪がめり込み、やはり白目が充血している気

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑰”やっぱり若い子がいいの?!”

ショックな現実。 あたちはもう1番じゃなくなった。 あたちより小さくって、頭の中がお花畑のパピー達が出現し始めた。ずっと、道で出会うわんこの中で、あたちは常に1番注目を浴び、ずっと「かわいい!」と賞賛されていたのにっ!! ムカつくから、フワフワのチビのトイプードルにマウントしたら、「優しくしなさい!」ってママちゃんから教育的指導が入った。 前に会った時はあたちに夢中だったダックスフンドの飼い主さんが、同じダックスフンドの3ヶ月の仔犬が登場したら、あたちの事はもう目に入

私と保護犬くるみの物語:わたし⑩”また、う○ちの件で、すみません。”

くるみは中々手強い。 ”何があっても褒め続けるトレ”から”体育会系トレ”に変更したが、「NO!」の意味を理解しつつ、チャレンジしてくる。いや、怒られてでも、ペンアテンションを欲しがるのだ。じゃれつきたい、遊びたいのだ。 そういえば、、くるみのう○ちの中に白い蠢くものを発見した。 仔犬あるあるで、レスキューからも言われていた条虫、所謂、サナダムシである。 「ぎゃー!!出たー!!」って、叫びたくなる気持ち悪さである。こんなのがお腹にいるのはさぞ気持ち悪かろう。そういえば、

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑨”ともだち100匹できるかな?”

獣医って人がおうちにやってきた。 あたちの身体をこれからずっと見てくれるお医者さんなんだって。ママちゃんたちが、”しんご先生”って呼んでいる。 しんご先生は、おっきくって、優しそうだけど、ちょっぴりおっかない。くるみとたくさん遊んでくれるけど、ガウガウしても全然ダメだってすぐ分かった。だから、お腹を出して、ナデナデしてもらう方が良いと思ったわ。あたちは、人を見る目があるんだから。 しんご先生は、くるみと遊びながら、いつの間にか、ブスッとおちりにワクチン注射ってものを打っ

ペットロスはなくならない。

フェイスブックに上がってきた写真。3年前の今日、私たちはコーディがやってきたテネシーにいた。コーディを救ってくれた動物病院を訪ねていたのだ。 当時、レスキューから連れられてきた子達の中でも、ひときわ、シビアな状態だったコーディを看護師さんは覚えていた。 だから、毛がフサフサでお肉のついた身体のコーディをとても喜んでくれた。「ニューヨークに行って、幸せになったのね!」と。 その3年後の今日にはコーディはいない。 コーディと過ごした時間はたったの4年。濃密な4年間という時

私と保護犬くるみの物語:わたし➇”あたくし、女優ですから。”

成長するにつれ、段々、分かってきたようだ。 私や相方の意図する言動。「NO!」の意味。でも、だからこそ、敢えて、挑戦したいらしい。それでも、自分のやりたいことがまかり通るのか。 また、甘噛みの延長で、私の手を強く噛んできた。”そんなんじゃ、もう、遊んであげないよ。”の意味で、立ち上がり、背中を向ける。そうすると、今度は足をガシガシ噛んでくる。「NO!」と強く言っても噛んでくる。それも、ガルルと唸りながら。 ・・・仕方ない・・・。やるか。 キャイーン!!噛んでくる瞬間を

私と保護犬くるみの物語:くるみ➆”あたちだって負けないもん。”

びっくりした。 目の前に、おっきな毛むくじゃらのわんこがいた。ママちゃんが、「ココちゃんだよ。仲良く出来るかな?」と言って、あたちのケージの前にココちゃんを連れてきた。ココちゃんは、あたちを見て、首を傾げ、不思議そうな顔をした。”なんで、あんたがここにいるの?ここは私の大好きな黒リス(私)さんちよね。”と目で伝えてきた。 「ここはあたちんちだもん!」そう言って、ジタバタした。ママちゃん、くるみを出して!あたち、ココちゃんと遊びたい!! ママちゃんがヒョイっとあたちの身体

私と保護犬くるみの物語:わたし➅”木を噛む”

「保護犬って言っても、まだ、仔犬だし、捨てられた記憶はないだろうから、トラウマみたいなものはないだろうね。」 そう思っていた。 だけど、2週間が過ぎ、くるみは結構難しい仔かもしれないと思い始めた。 まず、この仔は”舐める”ことを知らないみたいなのだ。 だから、全部、噛んで確かめる。表現する。 仔犬は甘噛みするのが自然なのは知っていたけど、手足のみならず、顔も噛んでくる。普通はペロペロ舐めるもんだと思うが、それが”甘噛み”してくるのだ。 「なんで、お前、鼻を噛む?!

私と保護犬くるみの物語:くるみ➄”みんな分かってない。あたちのキモチ”

あたちは今、ものすごく怒っている。 だって、ママちゃんと遊ぼうと思って、足を噛んだのに、全然、無視されたから、もっと強く噛んだ。そしたら、「ノー!」って怖い顔で吠えるの。 だから、くるみだって負けじと、ガウガウって文句言ってやったわ。だって、ママちゃんもパパちゃんの足も、くるみの前でゆらゆら揺れるんだもん。くるみを誘惑するんだもん。だから、遊ぶんだって思って、じゃれついたのに、なんで怒るの? くるみはひとりぼっちなんだよ。 気がついたら、知らない場所にいて、全然、くる

私と保護犬くるみの物語:わたし➃”理想と現実、どっちが重要?”

くるみがうちに着て、2週間が経った。わんこ時間だと3ヶ月ぐらいの感覚になる。赤ちゃんの成長ってきっと3ヶ月ってめちゃめちゃ大きいんだろうなぁ。(子育て経験なし)だって、くるみを日々見ていると、目に見えて、変化しているのが分かる。身体もだけど、頭や心も。 3ポンド(1.3キロ)強だった体重が、2週間後には4.3ポンド(1.8キロ)になっている。順調に成長しているのが嬉しい。 シェルターやレスキューから仔犬を引き取る際、「どれぐらいの大きさに成長するかは保証出来ません。大きさ

私と保護犬くるみの物語:くるみ③”う⭕️ちは健康のバロメーター”

あたちの時間の流れはパパちゃんやママちゃんという人間とは違うんだって。あたちの1日はママちゃんたちの1週間ぐらいみたい。あたちにはよく分からないんだけどね。でも、目が覚めると、なんだか違うあたちがいる。ママちゃんが、毎朝あたちを見る度に、「ん?なんか脚が長くなったような。」「ん?今日は胴が長くなったような。」「あれ、お顔がスッとしてきたね。可愛いお顔さんから美人さんになってきたかな?」とか言う。 そういえば、ここに来たすぐは、ママちゃんが美味しいご飯をたっぷりくれたから、お

私と保護犬くるみの物語:わたし➁”くるみとの縁”

くるみの譲渡契約が完了し、くるみが受けた病院のカルテ等の書類が送られて来た。そのカルテに書かれているのが、くるみの過去の全てだ。 くるみが何故、こんな小さいうちにキルシェルターにいたのかは謎。兄弟がいたのかも不明。そもそも、この仔は本当にビーグルミックス?ってぐらい小さい。母犬がビーグルなのすら実は分からないのだ。 だが、私を一番驚かせたのは、この仔が、先住犬コーディ(コーディのお話はこちら↓から)と同じ地域から来た仔だったと事。テネシー州のキルシェルターにいたのをレスキ

私と保護犬くるみの物語:くるみ①”はじめましてのあたち”

ハロー!あたちの名前は”くるみ”。 ママちゃんとパパちゃんが、あたちの身体の毛が胡桃色だし、音が可愛いからとつけてくれたの。結構、気に入っているから、呼ばれると、嬉しくってぴょんぴょん跳ねながらすぐに行っちゃう。行くと、オヤツも貰えるしね。 生まれた日はよく分からない。 ママのおっぱいからミルクを飲んだ記憶も曖昧。気がつけば、あたちは、テネシーのキルシェルターって所にいて、そこでレスキュー団体に発見され、保護されて獣医さんのところに連れて行かれたの。獣医さんの見立てでは