マガジンのカバー画像

エッセイ:ぜんぶ

205
愛犬の話、ニューヨークの話、ランニングの話などなど、その時々の気になったことをつらづらと書いています。
運営しているクリエイター

#アメリカフォスターボランティア

私と保護犬くるみの物語:わたし㉘”可愛いを100回”

くるみがどんどんオトナ(成犬)に近づいていく。 ヘニャヘニャしていた身体が、ガッチリしっかりしてきた。 顔つきが精悍になってきた。 無駄な動きが減ってきた。(無駄にエネルギーを消費するとお腹が減るのを理解してきたのであろう。) そして、何より、散歩中、「あら、パピー(仔犬)?可愛いわね〜💗」と言われることがほぼ無くなった。 くるみの方は、すれ違う人にそう言われると思って、尻尾を振って、”あたちの方は準備オッケーですっ!”とナデナデされるのを待ち構えてたりする。 で、スー

私と保護犬くるみの物語:くるみ㉗”(人間の)大人は分かってくれないっ!”

あたちの五感は日々研ぎ澄まされている。 昨日、気づかなかった音や気配を今日は感じられるようになっている。 廊下の微かな物音、窓に映った影、遠くに感じる気配、そして、なんか不吉な大きな黒いわんこなど、あたちの五感はそんな情報を瞬時に捉え、アラートを出す。 ”くるみ、みんなを守るんだ!”と。 だから、吠えて知らせたり、威嚇したりするんだけど、パパちゃんもママちゃんも分かってくれない。分かってくれないどころか、怖い顔で、 「ノー!(ダメ!)」 って、言う。今日も、セントラル

私と保護犬くるみの物語:わたし㉒”コーディからくるみに繋がる年だった。”

気がつけば、後数日で今年も終わる。 去年の今頃は、、、、(先住犬)コーディがいた。 コーディのことが頭に思い浮かぶと、涙が溢れてしまう。でも、コーディのおかげで、今があるのよね。保護犬活動を続ける気持ちになったのも、そして、保護犬をまた飼うと決め、くるみに出会ったのも、全部、コーディという存在がいたから。つまり、コーディとわたしは今でも繋がっているのだ。 さてさて、そんな繋がりで、8月後半に出会ったくるみだが、最初からこのシリーズを読んで頂いている奇特な(笑)読者の皆さ

私と保護犬くるみの物語:くるみ㉑”あたちはそれが我慢できない”

あたちのお口の中がとっても変。いつもイガイガするし、赤い、”血”っていうものが出てきて、変な味や臭いがする。でも、あたちは知っている。あたちはもう赤ちゃん(パピー)じゃなくなるの。少女になるのよ。 赤ちゃんだったあたちはホント、何も分かっていなかった。 大っきいワンコもパパちゃんやママちゃんが怒っても、ぜーんぜん、怖くなかった。だから、全力で”遊んで!遊んで!”って、向かっていった。時にはおっきな牙のある顔に飛びかかっていた。 でも、それって実はとっても恐ろしいこと。だ

私と保護犬くるみの物語:わたし⑳”スィートボーイズと・・・”

2週間前ぐらいから、くるみの口が臭くなった。 ドブの様な、古い雑巾を絞った様な臭いがする。ああ、これが、獣医のしんご先生が言っていた、”歯の生え変わり時期は口が臭くなる”ってことか。うん、確かに臭い。そして、咥えたオモチャに血がつく様にもなった。血の臭いが、この臭さの原因なのかもしれないな。 ”乳歯が抜け、永久歯に生え変わる。”=”パピー(仔犬)から卒業”を意味する。 そう、くるみはこのひと月で身体も心も恐ろしく成長した。身体は、うちに来た時から約4倍弱大きくなった。心

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑲”あたちはアレが大嫌い”

あたちの一番気に食わないもの。 ママちゃんやパパちゃんがずーーっと手に持っている四角いヤツ。あれ何? いっつも、いっつも、あれを観て、ニヤニヤしたり、手でナデナデしたりしてる。くるみが目の前にいるのにだよっ! で、突然、アレをあたちに向けて、「Wait(止まれ)」とか言う。すっごく嫌な感じ。だから、最近は、わざと目を瞑ったり、しかめっ面をするようにしてるの。 お散歩中も、他の飼い主さんもよくアレばかりを見ているのに気づく。あたちは、道路に何か良いもの落ちてないかなーっ

私と保護犬くるみの物語:わたし⑯”母ライオンではないですが・・・”

土曜日の夕方、くるみを救急病院に連れて行った。 理由は、水下痢と嘔吐。午前中は良いウンチもしたし元気一杯。なのに、午後に散歩に公園へ連れて行って歩いていたら、突然の水下痢発射。 でも、普通にその後、テクテクといつも通りの元気っぷり。だけど、家に戻り、30分ぐらい後に、今度は嘔吐。ドングリが丸ごと出てきた。拾い食いは中々、直らない。 うーん、どうしたものか、と相方とネットリサーチをしたり、主治医のしんご先生にメッセージを入れたりしたが、「嘔吐と下痢」のダブルは楽観視しない

私と保護犬くるみの物語:くるみ⑮”自分で歩く”

あたちの気持ち分かってー!!って、ずっとガブガブしていたけど、なんか違うって最近、ちょっぴり気づいてきた。ママちゃんたちにガブガブしても、うまくいかない。わんこ同士だと、分かり合えるのに。あ、でも、コーフンして、面白くなって、強く噛むと、お兄ちゃんやお姉ちゃんわんこに、「えー加減にしろっ!」って怒られたっけ。。。おっきな手足でポーンと跳ね飛ばされたりも。。。 あたちは悪い子だと思う?ううん、ちょっぴりお転婆なだけ。くるみは良い子だよ。 パパちゃん、ママちゃんたちと同じ人間

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」③

さてさて、ブリンが着て3日目の月曜日。 昨夜、新人(相方)が廃人から少し生気を取り戻し、ブリンのケージに入室。そこで、ブリンにおもちゃで一緒に遊ぶ(=挨拶)をやって、漸く、ブリンも溜飲を下げたようだ。 もちろん、まだまだ、要求吠えはするけれど、ずっとマシになった。これも2週間もすれば、”諦める”を少しは覚えるだろう。 ”諦めた方がお得”を覚えられるかどうかが、犬の人生(犬生)を大きく左右するんじゃないかなぁ、とも思っている。そして、それを上手に教えて上げられるかどうかは

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」➁

『犬のキャンキャンは辛いですよね。だから、最初しばらくは無視してグッと耐える事ができるように自分を持っていくように心がけるようにしなきゃ(耳栓でも使って)と思います。』 私が尊敬するフィラデルフィア在住の里親フォスター大先輩のMegさんからのアドバイス。そう、フォスター2日目にてブリンの要求吠えが酷くなっている。ケージに入れて、離れるとずっと吠え続ける。昨日は10分ぐらいで諦めるたのに、今日はずーっと。無視するのが躾のテクニックなのだが、その無視が中々大変なのだ。前回フォス

新米フォスター奮闘記6:「ブリン」①

黒ごま・きな粉・マライアとフォスターボランティアを経験して、つくづく認識した。 これからもフォスターボランティアをやり続けるには、自分にアンカー(錨)となるワンコが必要だということ。 アンカーになる仔がいて、その仔と一緒に生きる。そして、フォスターが必要な仔を受け入れ、フォーエバーホームに笑顔で送り出す。 それが私の理想の形。 ここ1ヶ月、その仔との出会いを求めていた。 毎日、アダプションサイトをチェックし、自分たちの生活に合いそうな、「飼いたいわんこ」ではなく「飼

新米フォスター奮闘記5:「キルシェルターの現実」

猛省から間も無くひと月。頭の中は、常にわんこの事でいっぱいだ。 ほぼ毎日、フェイスブックのレスキュー団体からの投稿を見てしまうのも大きい。このSecond Chance Rescue(「2度目のチャンス」という名前のレスキュー団体。非常に意味深い。)は、シビアなケースの仔達へのサポートを沢山扱っており、NYCのキルシェルターに入っていて、”もう明日の正午までに誰かフォスターかアダプトしてくれないと安楽死させられちゃうよ。誰かこの仔を救って。”、という投稿がよくアップされる。

新米フォスター奮闘記4:猛省

実は、フォスタードッグ2匹目の「マライア」編は、相方と書くかどうか迷いました。 自分たちの恥、失敗を晒すのはどうか?とか、慰めの言葉をかけてもらいたいのか?等、色々意見はあったけど、私は敢えて、「書きたい」と思ったのです。理由は、失敗から学ぶものがたくさんあり、また、それをシェアしたいと思ったから。 ”フォスターボランティア、色んな犬猫と過ごせて楽しいよ〜。” って言う発信で、このボランティアに興味を持ってくれたら嬉しいし、それにより1匹でも多くの動物たちが幸せな一歩を

新米フォスター奮闘記3:マライア⑤

「セントラルパークへ連れて行く。」 レスキューのインストラクションを破ることになるけど、この仔にはそれが必要な気がする。きっと、緑の中の芝生や土の上なら、きっとこの仔も安心して歩くはず。 私の取り憑かれた様な説得に、相方も仕方なく付き合うことになった。 うちからセントラルパークまで800メートル程度の道のりを、私が前を歩き、その後を相方とリーシュをつけたマライアがついてくる様にした。立ち止まりそうになるマライアに声をかけ、褒めちぎり、何とかかんとかセントラルパークに到着