ショートストーリー:猿は振り向かない
僕は本当に平凡な子供だった。
読書が趣味だったから、勉強は得意って程でもないけど、普通程度には出来た。でも、運動に関しては、相当、劣っていると感じていた。つまり、運動音痴って事だ。他の子に比べ、不器用というか、球技なんて、なんでみんなあんなに当たり前にボールを打てたり、キャッチしたり出来るのか、さっぱり分からなかったし、ドッチボールなんて、逃げ回る競技だと思っていたぐらいだ。ボール競技がダメだからと言って、脚が速いわけでもなく、運動会では万年ビリ。リレー選手に選ばれるなんて、