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原田マハの小説から学ぶアート

原田マハという小説家をご存知だろうか?
彼女の経歴が面白い。関西学院大学日本文学科を専攻後、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。その後、森ビル森美術館やニューヨーク近代美術館勤務を経て、フリーのキュレーター、カルチャーライターになり、アートを題材とした小説を何本も執筆している。

彼女の小説との出会いは、デビュー作「楽園のカンヴァス」だったと記憶している。ルソー名画を軸にしたアート・ミステリーで、世界を股にかけたストーリー展開にドキドキハラハラしながら、一気に読み切った記憶がある。

最近読んだものでは、ゴッホを題材とした「たゆたえども沈まず」「リボルバー」も面白かった。

だが、私のイチオシは、こちら。

「風神雷神」

戦国・安土桃山時代に活躍した俵屋宗達という天才日本画家をモチーフにした妄想炸裂小説。織田信長の命を受け、天正遣欧少年使節と出立した宗達がインドやポルトガル・スペインを経て、ローマに辿り着き、その後、日本に帰国を果たすまでに起る冒険活劇が超面白い。10代半ばの少年達の聡明さと純粋さ、そして、友情に胸打たれ、自分が読んでいくうちに、日本人というルーツに誇りを持てたり、様々な感情を揺さぶられました。

今度の日本帰国の際は、俵屋宗達の作品にどっぷりと浸かるつもりです。



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