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アンメットを照らすのは、川内ミヤビだった 〜アンメット最終話を見て感じたこと

ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」が、24日の放送をもって最終回を迎えました。
ネタバレになるような内容は、なるべく書かないつもりですが、まだ最終話を見ていない方、完全に新鮮な気持ちで見たい方は、この記事を読まない方がいいかもしれません。

昨日書いた記事はこちら。

最終話を見て感じたのは、「皆の "アンメット" を明るく照らしてくれる存在こそが、川内ミヤビだった」ということです。

このドラマの登場人物は、皆それぞれに心に影を抱えていました。というか、人間であれば何かしら人には見えないこと、抱えている不安などはあって当たり前ですよね。それを繊細に描いているのが、このドラマの特徴の一つでもあります。

例えば、三瓶先生は「自分だけに残されているミヤビとの記憶」、大迫教授は「自分のせいでミヤビが記憶障害になったかもしれないという葛藤」、そしてこの二人に共通するのは「医者としてミヤビを記憶障害から救いたいのにできないという苦悩」がありました。

その他、物語の序盤で描かれていた津幡師長の「過去の医療事故に対するトラウマ」、星前先生の「自身の過去の経験から目指そうとする医師像」など、それぞれのキャラクターが抱える心の影が描かれていました。

そんな様々な心の影を、川内ミヤビという存在が、少しずつ照らしてくれる、満たされなかったもの(=アンメット)を満たしてくれる、このドラマの根幹はここにあったのだと思います。

作中に何度も登場した「こうすると影が消えます」という言葉、この答えをミヤビ自身が物語を通じて体現していたのだろうと。

特に、物語が進むにつれて変化する三瓶先生の表情がそれを物語っていたように感じています。言葉にはならないけど、心が少しずつ照らされていく様子が画面越しに伝わってきました。

最終話では「自分の中に光があったら、暗闇も明るく見えるんじゃないかなって」というミヤビのセリフの通り、ミヤビによって少しずつ自分の中の光を灯せるようになった人たちが、今度はミヤビを照らそうとする展開が印象的でした。そんな結末は、ぜひご自身の心で確かめてみてください。

この3ヶ月間、このドラマの世界観に没入できたことは、本当に幸せでした。まるで、自分までこのドラマに出演しているかのような感覚で、こんなに心で何かを感じ取れたのは久しぶりでした。

素晴らしい物語の結末に感謝するとともに、いつかこの物語の続きが紡がれていくことを密かに期待しています。

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