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あだち麗三郎さんと旅について語る

黒岡:DVD見ました。その中でも「音楽のこと、今後どうしようかな~」って悩んでた時、四国に行った時に「音楽やろう」と思ったシーンが好きだったな。

あだ:うん、うん

黒岡:あだちゃんは、前にキューバに行った時をまとめた本(キューバ旅行記「野良犬たちはみな踊る」)を読んだ時も思ったけど、日常の自分とは、別の場所に行って、何かを獲得して帰ると共に自分を再認識するみたいな要素を感じたよね。
どういう経緯で行ったか詳しく知らないけど、なんか思ってるから行けるというか、、多分そこに行かなきゃいけなかったのかな~って感じたんだけどさ。

あだ:確かに、。

黒岡:それが、なんか面白いな~と思って。

あだ:確かにそれはあるな~。どっかに行くことによって何かが動くってのはあるかもしれない。


黒岡:まあ、、旅っていうのじゃないけどさ、別の場所に行くと、流れてる空気が違ったりルールが違ったりして、普通だと思ってる歯車を別の視点で認識するというか。あんまり意識してなかったところを意識するというか、、そういうところはあると思う。
遠ければ遠いほど、そんな自分の中からの反応が見えて楽しい。そういう意味で別の場所に行くというのは面白いなあ〜と思ったね。あだちゃんがDVDの車中インタビューで四国に行ったことを話してたのが印象に残ってジャケットにも描いたよ(ジャケット描かせてもらいました)。

あだちゃんは、いろんな人と出会って演奏したり、曲を提供したりして、その人たちと共有していくってのが、一緒に旅をしていくような感じを受けたね。解釈は演者それぞれだけど、色んな人のイメージの集積であだちゃんをつくってる、、というような外枠からあだちゃんを認識していくようなそんな面白い試みに思えた。

あだ:うんうん。

黒岡:あとは旅にちなんで言うと、同じ場所にいると似たようなばかり考えてしまいがちだから、旅に出ると、その辺の普通のことにも風がふわっと通っていくのが旅はいいな~って、映像見てて思った。

あだ:そうだね~。旅に出ようかな(笑)。近々、来年くらい。

黒岡:まあ。わかんないけどさ。

あだ:いや、でもそれはあると思う。

黒岡:その人にとっての入り口みたいなのはあると思ってて、その人が毎朝ジョギングで引っ張り出す人もいれば、、ね。

あだ:村上春樹みたいに。

黒岡:そうそう。日々のルーティーンで。

あだ:ルーティーンの中の旅だからね。

黒岡:うん。自分は、自分のことだけど、最近の自分のつくり方というか、感覚の光らせ方は、なるべく自分の遠いところに自分を置いて発見っていうのじゃなくて、なるべく自分と近い日常から光り輝くものをピックアップするようなことをやっている。

あだ:自分の中から?

黒岡:例えば、同じ日常を見ても、通り過ぎていくものが多数あるわけで、何をどう発見するか、、何をどう自分の感覚で生っぽく面白がれるかっていうか、まあ、例えば、、、悲しいフィルターがかかったときはなんでもない景色がドラマチックに見えたり、テンションが上がってる時とかは、いつもみてる風景がグニャッと変わって新しい意味が見つかったりして、、そういうイメージで生活してるね。どうやったら日常が、愛おしく見えるかな、って入り口を探している感じだね。その入り口がどこかわからないんだけど、それがずっとこう、自分の中に課題を沢山取りこぼさないようストックしておいて、気になったものはメモしておくの。それである時に「わかった!」って感覚が押し寄せてきたり新たな意味に気づいた時に「ここに発見せり」ってストックを出して、歌の歌詞の中に入れたり、文章で書いたりしてる。
自分では「よくわかりきってない言葉だけど面白い!!」って言葉は歌詞にして、「なんかわかった!」ってなったらnoteに書いたりしてる。それとは別に言葉じゃなくて、この形がいいなと思ったら絵にしたり、メロディーにしたりしてる。最近はそういうアウトプットのやり方でやってる。時間は限られてたりするから何をするかは選択が必要だけど。そんな中でたまに絵とか曲が見えないところでリンクするのが面白いと思ってるな〜。

あだ:うん。うん。

黒岡:それでね。最近面白いと思うのは、完成した歌詞も、なんか違うなって思ったらライブの後でもバンバン変えちゃう。その都度、自分の体に合ったものにしてライブに落としていく。

あだ:それは曲があっての歌詞のこと?

黒岡:そう、例えば、歌詞がソレっぽすぎたら「なんかやだな~」と思って変えていく。誰かが使ってそうな言葉回しだったり。どっかで使われた方法論だったり、自分とは違うものにまとめる時に利用しちゃったみたいな。そういう意味でソレっぽすぎるところに落とし込まないように注意してる。ソレは完成じゃなくて、妥協だったりするから。そうやって歌詞を書くときは、自分のベストなのかどうなのかわからないけど、ソレっぽすぎなく、自分で響く歌詞にしようとしている、、「ああ〜。こうやって俺も作れるんだな~」って最近は思ってる。

あだ:ふ~ん。深夜のラジオみたいでよかった。

黒岡:私の話ばっかり聞いてもらったかもしれない。

あだ:こういうのみんなに聞いて回ってもいいかもな~。

黒岡:めっちゃ時間かかるじゃん。

あだ:笑。今日はありがとうございました。

黒岡:「発売おめでとう!」でしたね。

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