SNSマーケティング解体新書
これからは「個人の時代である」と言われ始めて数年が経った。その言葉の通り、YouTuberをはじめTwitterやインスタグラムといったSNSにおいて、個人プレイヤーの影響力は増大し「個人ユーザーが個人インフルエンサーから物を購入する」という購買活動が当たり前になってきている。
インフルエンサーと呼ばれる彼らは、あくまで才能があり、それがSNS時代において開花した…と言ってしまえば、それで終わりだが、今回はより踏み込んでSNS×個人インフルエンサーによる、現在のSNSマーケティングの主流と戦況を分析してみようと思う。
SNSで起こっている消費活動の変化と流れを俯瞰して見る事ができれば、おのずと「次の一手」そして「次に起こり得るリスク」を考える事が出来る。
変化の速いネットにおいては、先行者利益が非常に大きい。なので、この講座を読んでアンテナを向ける方向が分かれば、非常に有利に戦えるという事だ。
この講座は、全体の戦略を建てる際のアイデアの源として、SNSを運営する個人プレイヤーに提供したい。
私個人はクロネコ屋というTwitterアカウントで9万フォロワーを獲得しているが、その立場から、いくつかの法則や移り変わりを見てきたので、SNSに対する知識と勘については自信がある。
もちろん未来は不確定なので確約は出来ないが、個人プレイヤーのヒントになれば幸いである。
繰り返しになるが、今回の講座は今まで私が語ってきたノウハウよりも、学術的な書き方をするので、あくまでSNSマーケティングの全体図を勉強したい方だけに読んで欲しい。安易なハウツー、すぐに使えるテクニック等ではないので、あしからず。
また、当noteはSNSを始めたばかりの、初歩の初歩にいる方向けではなく、基本がしっかり出来ている方に向けて書いている。
初心者の方は購入しても構わないが、その場合は時間を置いて何度も読んで欲しい。初心者の頃と、中級者の頃に読むのでは印象が違うし、新たな学びがあるからだ。
参考までに、当noteを読んだ人の感想を下記に記しておく。
では、本題に入ろう。
当講座では、SNSにおける人々の行動の流れ、変化、価値観の動き等に絞って語っていく。冗長にならないよう、無駄な文章は大きく削った。『全七章構成:文字数1万2000文字』
30分でしっかり学びきれる文量にしているので、読書が苦手な方もサクッと学んで欲しい。なお、前置きとなる第ゼロ章は無料公開とさせて頂く。立ち読み感覚で、まずはゼロ章を読んで購入するか判断することを推奨する。
なお、当noteは【返金機能】に対応している。
購入後に「これ知ってる知識だったわ」「買って後悔した」と感じたら、即返金ボタンを押してほしい。その場合、私に報酬は入らないが、満足度の低いコンテンツを販売したくないので返金は大歓迎。
ただし、noteの規約上「返金は購入後24時間以内」なので注意してほしい。詳しいやり方は、下記の公式規約を参照して下さい。
突然だが、プロの本の定義を「出版社を通じて制作され、本屋に置いている書物」とした場合、この講座を含めnoteはいわゆる『プロの本』ではなく『素人の自費出版』となる。
かつて自費出版といえば、一部の例外(リアル鬼ごっこ等)を除いて「作家希望の趣味」と蔑まれていた。なぜなら、大枚をはたいて自費出版をし、本屋に置いてもド素人の本など売れっこないからだ。
出版社は自費出版の本を宣伝しない。なぜなら、自費出版は作者本人が支払う製本代によって黒字になるので、プッシュして売る必要がないからだ。もちろん新人賞など権威ある賞を通していないので、権威性もない。おまけに金さえ払えば誰でも出版できるので、内容もひどいものが多かった。
ゆえに自費出版とは、あくまで個人の趣味に出版社がお手伝いするシステムであり、決して個人に利益が還ってくるビジネスとは言い難かった。
ひるがえって昨今、SNSではnoteをはじめ、Kindleなどの電子書籍、果てはオンラインサロン、動画教材など、かつて素人と笑ったカテゴリーの人々が簡単に商売を展開し、集客し、そして賑わっている現状がある。
『プロだから買う』『新人賞受賞作だから買う』『出版社から正式に出版されてるから買う』といった旧来のマーケット感覚では理解できないものだろう。しかし、現代では個人から個人が物を買うマーケットが普及しているのだ。
そこにはSNSが絡んでいる事は言うまでもない。SNSの出現で、なぜ素人のコンテンツが売れるようになったのか?
答えは【距離感が近くなったから】である。
人は「よく知っている人」「好きな人」「憧れの人」から物を書いたがる性質がある。よく知らない偉そうな博士よりも、友達の物事に詳しい兄ちゃん的な人の方が信用できるのだ。
もちろん本屋に置かれているプロの本よりも売れる…と言っているのではない。ハーバード大教授が書いた~だの、プロが絶賛だの、権威性を使ったプロの本は当然売れる。
しかし、SNSに触れる事が生活の一部になっている昨今、SNSを通じて知った『ちょっと業界に詳しい兄ちゃん姉ちゃん』の販売力は凄まじい追い上げを見せ、SNSで有名だから出版できる、といった逆輸入現象までおきるほどになっている。
なぜSNSはそこまで影響力を持つようになったのか? 一因としてマーケティングでよく使われる返報性の原理(へんぽうせいのげんり)が関係している。
SNSで有益な事を呟いたり、共感できる呟きをすると、それを読んだ人は「無償のプレゼントを貰った気分」になり、お返しをしたくなる。何を返すかというと『信用』である。
こうして信用を貯めた人が、noteやオンラインサロンを発表した時、その人を信用した人…つまりファンが購入・参加するのだ。これが旧来にはない新時代のマーケットで起きている事だ。
もう1つの変化としては『個人コンテンツ販売のマジョリティ化』がある。
これまでWebで商品を買う場合、普及しているプラットフォーム…つまり『大多数の人が一度は使った事があるショップ』はAmazonか楽天くらいだった。
プラットフォームというのは、一度でも利用すれば、二回目以降の利用ハードルは恐ろしく低くなるという性質がある。
例えばAmazonで買える商品が、メーカー独自ショップなら安く買える…という事実があっても
「会員登録するの面倒だし、使い勝手が分からないし、高くてもAmazonでいいや」
と使い慣れたプラットフォームに引っ込んでしまう事は、誰しも一度は身に覚えがあるだろう。
ネットショップのようなECサイトは、初回登録をさせるのが一番難しい。ゆえに、どのECも直売ショップでは初回値引き等の赤字キャンペーンを使ってでも「一回使ってみる」という体験を買っているのだ。
Uber Eatsが初回利用のみ1500円割引キャンペーンをやっているのを見れば、いかに「一度使ってみる」という体験をさせれば長期的に利益になるか分かるだろう。
話を戻すが、これまでマジョリティが利用した事のあるネットショップはAmazonと楽天くらいだった。この2つは個人が出品するには、なかなかハードルが高い。特に電子書籍のような無形商品はなおさらだ(今は、Kindle出版があるが、昔は審査が厳しかった)
ところが昨今、noteをはじめ『気軽に個人のコンテンツを販売できるプラットフォーム』が激増した。有名なコラムニストやインフルエンサー、YouTuberなど著名人も参入し「一度でもWebで個人コンテンツを購入したことがある」という人が急増したのだ。
特に、メルカリの普及は大きな時代の変化だったと私は考えている。メルカリはユーザー同士が気軽に売買できる場所なのだが、メルカリを利用したユーザーはトラブルが起きても間に入っているメルカリが助けてくれる…という体験を覚えた。
これはユーザーが『個人の直取引は怖いけど、間に企業が挟まっていれば安心』という学習をしたという事だ。今やメルカリでは農家まで野菜の直売している。これはちょっとした革命だ。
Amazonや楽天に出品している企業=審査を通った法人なので安全…という常識から、販売主は個人でも、プラットフォームに信頼があるから安全…という常識にシフトチェンジしたのだ。
これによって「個人の販売してるコンテンツ?詐欺かもしれない…怖いから買わない」という常識がひっくり返り、気軽にWebで個人コンテンツを購入する層がマジョリティになった。
このような新しい消費体験というものは、一度普及してしまえば、後は波のようにユーザーもクリエイターも増えていくものだ。
昔はネットショップ=怪しい、危ない…だったのに、今ではネットショップで買い物する人の方が多い…という2000年~2010年における価値観の変化を見れば、拡大の流れは火を見るより明らかだろう。
そして、この流れに乗っている個人がインフルエンサーである。SNSを通じて信用を集め、影響力を持った人のことをインフルエンサーと呼ぶのだが、個人である彼らがなぜ力を持つのか? 不思議に思う人も多いだろう。
次章から、インフルエンサーに焦点を当てて、さらにSNSマーケティングの知見を学んでいこう。
第一章~第二章ではインフルエンサーを中心にした分析。そして第三章からは『個人はいかにしてSNSマーケで勝つか?』という内容を語っていく。
これから独立、起業、あるいはフリーランスになる人にとって有益な情報を分かりやすく解説していく。重要だと思った所は、メモを取って積極的に学びにして欲しい。
第一章:企業がSNSにおいてインフルエンサーを真似できない理由
「SNSにおけるマーケットは理解した。けど、そんなビジネスチャンス、大資本をもつ企業が参入してくるのでは?」
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